山頂の複雑な音楽と八女茶を味わいながら無目的に朝日と、自分と対話する。
今日はお茶を飲もう
僕は月がまだ山の輪郭をなぞる頃、野底マーペーを登り始めた。
山頂に着くとリュックの中から急須を取り出して八女産の茶葉をちょこっと、お水とこおりを入れて20分ほど待つ。茶葉がゆったりと花開くのを眺める時間は、自然の流れを早送りで見ているようで多幸感に包まれる
山頂では素直な風が何にも邪魔されることなく自由に舞っている。そして少し黄色味を帯びた草木達も風に添って肩を揺らし、秋の始まりをささやいている。
どうやら野鳥達も起きたようだ。
そんな複雑な音楽を耳と体で感じながら、
自然の雑味とまろやかな栗のような旨味の味わいが共生する八女茶に感謝する。
そして僕は今日も
石垣島から見える朝日と、自分と無目的に対話している。
「深呼吸にも湿度が必要だ」