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第104話 旅の途中でワンマンライブin大阪本町【夢夢日本二周歌ヒッチ旅 回顧小説】

今回の大阪滞在は2回目ということもあり、トシの家のフォローもさらに厚くなり、トシ自身の生活リズムもちょうどあわせやすくなっていて、かなり充実したものになった。
 
ある日トシが言った。
 
「SEGEくん、大阪でライブやろうや。おれの友達の店でええ感じのとこがあるんやけどどう?それと、チャリンコあるから自由に使ってええよ。」
 
「ライブ?!やるやる。あと自転車も使わせてもらうわ。ちょっと行きたいところがあるんだよね。」
 
これで一気に大阪滞在が張りのあるものになった。
 
ライブは6月14日に決まった。大阪に別れを告げるいい節目になる。
 
その為大阪滞在は2週間以上になった。
 
そうと決まればそれまでは自由にいろいろやりたい。
 
ある時はトシがフリマをするというので、ついて行ってフリマのスペースでミニライブをさせてもらったり、ある時は、インドや沖縄の牧場で出会った人たちと会ったりした。
 
また、ある時はトシの近所のお風呂屋さんの娘さんのもと子ちゃんと旅話で盛り上がった。
 
もと子ちゃんは、前回の大阪のとき、インドに行きたいということで相談に乗っていたのだ。
 
それが実際にインドに行ってきたというし、しかもペルーにも行ってきたという。
 
もと子ちゃんはすごいエネルギッシュな子だ。
 
ちなみにもと子ちゃんはその後絵を描くアーティストになった。
 
また、借りた自転車では3日間トシ宅をお暇して、神戸・京都を回った。
 
題して「日本二周中関西チャリンコのミニ旅編」である。
 
神戸には与田さんがいる。この前行った時にはすれ違いになったので、「またおれがいるときにおいで」と言われていたのだ。
 
それと京都には精華の子たちを中心にCDを渡せていなかった人がいたのでCDを渡しにいきたかった。
 
まずは大阪から神戸へ40キロ。
 
途中甲子園を見に行って与田さん宅がある摩耶ケーブル方面へ向かった。
 
その夜は与田さん宅ではご家族と一緒にサッカー観戦をした。
 
そう、日韓主催のワールドカップがやっていたのだ。
 
ぼくはサッカー観戦がすごく好きだし、特に日本代表の試合は欠かさず見ていたから本当にうれしかった。
 
特にカズが好きだった。
 
カズが日本代表から落選したその日、コンビニで夜勤をしていて、仕事中その新聞を見て一人泣いたくらいだ。
 
その日与田さん宅で見た日本代表の試合は、ワールドカップ1試合目。ベルギーに2対2で引き分け。
 
大健闘で大盛り上がりである。
 
そして翌日与田さんご家族に別れを告げ、次は京都へ70キロ。
 
京都ではこの前に続いてぴっぴ―宅に泊まらせてもらった。
 
CDを渡したい人にちゃんと渡せてノルマを達成。
 
三日目、京都から大阪へ50キロ。
 
チャリ旅のため、ギターを持っていけなかったのは残念だったが、チャリの旅もなかなかのものである。
 
なにせ自由に行きたいところへすいすいいけるのだ。
 
肌は真っ黒になり、太ももが太くなって帰って来た。

そして6月14日になった。

大坂本町にある大通り沿いのバーだ。

こんなライブを企画してくれるなんて、トシに感謝してもしきれない。

それほどぼくの歌を気に入ってくれている人がいるということが、何よりもうれしかった。

来週へつづく

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