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チケット代の値上げは今後、主流になっていくのか

新型コロナウイルスの大流行で、延期や中止が相次いだライブエンターテイメント業界。

スポーツ界もリーグ戦の再開に向けて試行錯誤が続く中、音楽業界で少し興味深い動きがあった。

声優の鬼頭明里(きとうあかり)のライブツアーがチケット代を2倍近くに値上げしたことを発表したのだ。

日本政府が発表した「基本的対処方針」に基づくと、ライブツアーが開催される9〜10月は、キャパの50%で開催しなければならない。例えば、ツアー初日の「なかのZERO 大ホール」のキャパは1292席のため、650人弱の動員での開催となる。

こうなると、確かにチケットの希少性は高まる。しかし、近い席でみれるようになるわけでもないし、密集空間による熱狂を味わえるわけでもない。この相反する価値のなかでのチケット代金の値上げ。

きっと、多くの主催者は、誰かがこのような施策を打つことを様子を伺っていたはず。日本的な「横並び主義」と「様子見戦略」のなかで、先陣を切って英断を下した主催者には拍手を送りたい。

だが、これまで、なんとかしてお金を貯めてライブイベントに参加していた人たちは、そもそもコンサートに申し込みしづらくなってしまう可能性があるのは事実。今後、チケット代の改定がライブエンターテイメント業界のスタンダードになっていくのかもしれないが、オンライン施策を充実させるなどして、既存のファンを大切につなぎとめる努力が、これまで以上に求められている。


取材・文: 瀬川泰祐(スポーツライター・編集者・プランナー)

ただいま、スポーツを愛する人たちで繋がって、コンテンツ制作をゆる〜く楽しむ仲間を募集しています。6月か7月にサークルメンバーで集まって、第一回目のZoomイベントを開催予定です。詳細は、サークル内の掲示板で近日中に発表したいと思っています。


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