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人間ってほんとにいいの?~どこにでもいる孤独なくじらたちへ

最近よく思う。

「人間て本当にいいの?」

美味しいご飯にポカポカお風呂、温かい布団で眠ること。

それだけ考えれば幸せだとは思う。

ただそれが一人だったら。

ずっと一人だったら。

回りに打ち解けられる人もおらず

これといった趣味もなく

ただ働いて、食べて、寝るだけ。

そんな生活。

今、このコロナ禍でそういう生活をしている人が多いように思う。

自分も含めてですが。


最近、よく本を読みたいなと思う。

活字。

何年かに一度そういう周期が来てむさぼるように読む。


「52ヘルツのくじらたち」という本がある。

2021年の本屋大賞を受賞した作品だ。

海洋生物のクジラは特定の周波数を使い、仲間とコミュニケーションを図る。

その周波数は通常15~25ヘルツ程度のものだそうだが、世界でただ1匹(とされている)52ヘルツで歌うのだという。

そうか。

まったくわからん!!!!!!!!

そもそも周波数ってなんだったっけ。あ、振動のことか。そのレベル。

ただ、仲間やほかのクジラに自分の声が届かないことだけは理解できる。

ちなみに、このクジラが肉眼で発見されたことはまだないらしい。


さて、この本をまだ読んでおらずネタバレはできない。

現在Дmazθnでお取り寄せ中である。

様々なところで話を聞くのでおおよそのあらすじは知っている。

1人の女性と1人の少年の物語だそうだ。

少年も、かつては女性も、ひたすらに「52ヘルツ」の声で鳴いていた。

その声はどこにも届かない、誰もその音を、声を拾ってくれない。

だけど確実にそこにいる。まるで幽霊だ。


今、わたしも、そしてわたしたちも、誰もが皆「52ヘルツのくじら」になりつつある

SNSでの気軽なつながりも、その一つの理由に入るような気がする


ねぇ、だれか、こえを、きいて

ぼくは、わたしは、ここにいる


そう叫び続けているのかもしれない。


余談だが、この52ヘルツのクジラ、まだ生きているらしい。

1980年代に発見されて以来、誰も姿は見ていないがいまだに声だけは聞こえるそうだ。

ただ最近ではその見解も変わってきていて、品種の違うクジラのハイブリット種で変わった声なのではないか、とか

クジラたちの方言なのではないかとか

いうほど孤独じゃないんじゃないかとか

実は耳が聞こえないのではないかとか

先天的になんらかの異常があるのではとか。

誰かの邪魔をするわけでなく、ただ一人淡々と生きている。


謎が多くはあるけれど、社会性が高いクジラがずっと一人きりでいるのはきっと何か理由があると思う


52ヘルツのくじらたちよ

気分は、どうだい?











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