自分の歳を数えると 時々 信じられない気持ちになる いつの間にか ずいぶん 大人になっていた 家族 友だち 先生 仕事を教えてくれた先輩 小さな時からテレビで見ていた 芸能人も いつまでもそこに居続けることはなく いつの間に こんなに月日が流れたんだ 一日一日は長く 繰り返しのように思えても 気がつくと 季節は何十回も移り変わり 星も空もぐるぐると まわり続け ずっと続いていたような時間も さらさらと こぼれおちていたんだ 学生の私はもう ずっとずっと 遠い遠い昔 朝
君はストレスを受けても そのままにして みんなのようにうまく対処できないと 言う 相手の感情もそのまま受け入れて 一緒に思い悩み いつも心がいっぱい 君はまじめで まわりを じっと見ているから 誰よりも早く いろいろなことに気がつくんだ 自然に自分の感情を抑え込んで どこで本当の君になるの やさしい君が心配になるよ よい方法を見つけられるといいな
同じ場所に留まることを知らない 流れる生きもの 未来をつくる方法を学ぶ もし私が グラスを落としたら 割れて 粉々 落とさずにいたなら きれいなまま 別の誰かが使うだろう ほんのひとつの行動で その先の未来はくるくる変わる 人生とはこういうものだよ どこに行ったって同じだよ 誰かがささやく そうかな 人生は刺激に満ちている あなたが思うよりも もっと ずっと 危険なんです
とても早口で 難しい話を 難しく話す じっと聞いていないと すぐに置いて行かれる あちこちに話が飛んでも 君の中ではつながっていて どんな頭の中なのか どんな答えも導き出せる 君の中には いくつもの引き出しがあって たくさんの知識が 色褪せずにしまわれて きれいにカテゴリー分けされたそれらは 瞬時に君の口からあふれ出る かしこい君は 君にしか見れない景色を 確かに見ている
君は 昔のように笑わなくなり ふっと ふさぎ込む 自分について考え 周りと自分を比べ 自分の言葉に自信をなくし 黙り込む 大人になった君は 悪ふざけもしなくなり イスにもたれて 足を組み まなざしが涙のよう 思考に囚われているんだ 大人になるって そう悪くないでしょ 周りが君の言動を どう批判したところで 君の純粋な心は この先もずっと変わらない そのままでいいんだ 君のままで 自信を持って
君が手を伸ばして 私の手をひく 君はボートの上 私を待っている 深い水が 私には怖くて 君と一緒に乗れない ゆれるから 水の上 君と漕ぎだすことができない あの岩山のふもとへ たどり着けば 君と見たいと思っていた 息をのむような景色が 君のとなりで見られるだろう 手を差し出したまま 私の瞳を じっと見つめている君の 責めないやさしい瞳が 私の一歩を導く ふたりでボートで漕ぎ出す 君の力強い漕ぎに ボートはどんどん岸から離れて 風に髪が揺れ 岩山が近づく 深い色の湖
君が歌う 少し高く 甘く やさしい 歌声 雨の音に混ざって メランコリックなメロディー 君の声が奏でる もうひとつの旋律は 君はいつの間にか大人に 心にやわらかく ふれて 包まれて ずっと ずっと 耳を傾ける Honey voice
ゆらゆらと 一歩ごとに揺れる やわらかい光が ひとつ 足もとに落ちる 高く持ち上げたら ほんの少し光が伸びて こんなに遠くまで来たから 君の目に届くかな 遠くで小さく揺れる 私の光が 君にとってこの光は 希望 それとも
冬になると 鼻の先が冷えて 痛い 鼻の痛さで 部屋の温度が下がったことがわかる 指先をまるめて輪をつくり 鼻を包んであたためる ああ寒い 鼻が痛い きーんと冷える みんな同じなのか 私だけがそうなのか 同じ悩みを持つひとと 語り合いたい
ひとりで生きてきたのに ふたりで生きることを知ると ひとりに戻るのが不安になって 君を失うことが ものすごく怖くなる 失うものがない強さと 守る人がいる強さと どちらも同じ強さなのかな 自分ひとりだけの時間を どう過ごしていたか 思い出すのにも苦労するよ 有り余る時間の過ごし方を考えなくちゃ 時が経つのは 言うほど早くないけど 思うほど遅くもなくて その背中をただただ見守るのが 私の役割なんだなと思うんです
望むように生きたら どんな未来になるのだろう 安定を失ったら その先はどうなるのだろう バランスを崩して 落ちそうになって 今いる場所へ戻ろうとするのか 忘れていた私にまた出会えるのか 言っておけばよかったこと 言わなくてもよかったこと 人生の終わりに見えるのは どんな景色だろう
どこにいるの 君に会いたい 声を聞きたい 手の届かない場所にいるの 寝ても覚めても 君のことばかり どうしようもない いつか君は誰と未来を見て 幸せになるの すれ違うこともない君と私の世界 君を知って初めて見えた世界は 君を通して知る 君の向こう
頭からパーカーをかぶった君は うつむいて 表情を見せない 期待と謙虚さが入り混じって 願いが叶うことを夢見ていた君を 思っていた通りなのか ほんの少し違ったのか 手には入らなかった痛みが襲う 言葉がないまま 君は目を閉じて ここにいることが精いっぱい 落ち込んだ 嘘偽りのない君を ただ弱く そのままの君の姿を 見つめて 少し離れた場所にいても その痛みを知るよ 今日は疲れたね 君がゆっくり休めるように
息詰まる 道に迷う 同じことのくりかえし 破滅的な性格が 大切なものを壊していく 私はどうかしている 欠陥品 ひどいことをいっぱい言う みんながわかることがわからない 知らないことが多すぎる 逃げ込むのは 森の奥 湖の底 安心できる場所は しんとしたひとりの部屋 さみしくてたまらなくても 泣いても 誰かを傷つけるよりはましだと思うんだ
どうして愛していると言ってくれなかったんだろう 最後まで何も言わずに 行ってしまった あなたにとって 私はどんな存在だったんだろう 何度も何度も考える 答えのない問い 今までありがとうと言った時 息をのむ音が聞こえた気がした 少し泣いてたような気がした 聞けなかった言葉 聞きたかった言葉 どうしたら愛されたのか 私にはわからない
映画館でひとり映画を観る 図書館でじっくり本を読む 博物館で古代を知る 知らない街へ散歩に出かける ストレッチで体を伸ばす ハンモックで瞑想する アプリで素敵な音楽を探す 心理学を学ぶ 忘れないようにピアノを弾く