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ヤギ愛好家によるヤギ愛好家のためのGoat Simulator NPC紹介
昨年は『Goat Simulator』ファンにとって記念すべき年でしたね。シリーズ10周年を祝してリマスター版やマルチバースDLCをはじめとしたカピバラ級ヤギニュースが次々と発表され、そのたびに世界中のゲーマーたちが喜んでハートとウォレットをヤギに差し出してはラグドール化していったことは、みなさんの記憶にも新しいかと思われます。
しかしCoffee Stain Northの連中は、1より大きくて3より小さい数字を数えられるようになったことがよっぽど嬉しかったのでしょう。アニバーサリーイヤーは“2”年目に突入し、ナンセンスだらけのウルトラクリプティックビンゴもそのまま継続。年が明けても10周年のお祝いはまだまだ終わりそうにありません。
all hooves on deck #moodpublishing pic.twitter.com/B0PMT4TetS
— Goat Simulator (@GoatSimulator) January 17, 2025
そして年明け早々に発表されたのは『Goat Simulator:The Card Game』……のプロジェクトが今年中にローンチ予定というアナウンス。
どうやら『Deep Rock Galactic』と『Valheim』のボードゲーム版を制作したMOOD Publishingが、今度は無秩序なヤギの世界をカードゲームという形に落とし込んでくれるみたいです。
現時点では情報が少なすぎて「2~6人で遊べる物理的なカードゲーム」というぐらいしかわからないのですが、個人的には応援したいようなしたくないような……ちょっと複雑な心境です。
物理的な公式グッズが登場することは普通に嬉しいのだけど、何をしても許されるかわいい生き物を愚かな人間が作ったルールでがんじがらめに縛り上げるのは『Goat Simulator』のコンセプトに反するような気がしますし……
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そもそも一緒に遊んでくれるリアルフレンドがいたら、こんな風に一人で画面分割ローカルマルチなんてしてねーよ!! バーカバーカ!!
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楽しいかCoffee Stain!? ミニゲームやりたさに友達がいるフリをするしかない陰のヤギを煽るのがそんなに楽しいか!? バーカバーカ!!
……なんか自分で言ってて悲しくなってきたので、この話はやめましょう。まだKickstarterでページが公開されたってだけで、詳細も何も出てませんし。
さて、暦の上では春でもまだまだ寒い日が続き、吐く息でゾンビが凍って砕け散る今日この頃。ニュートン物理学に中指を立てるバーチャルヤギ愛好家のみなさまはいかがお過ごしでしょうか。
私はというと、年末にちょっとチンチ……ロリンを嗜んだり、ナイトシティに帰省してチューマと初詣に行ったり、コーポの女に食生活を管理され始めたり……それでもゲームライフの中心に鎮座するのは相も変わらずヤギ。最近はリマスター版を中心にプレイしており、ヤギトロフィー収集と実績解除にメェ(精)を出しています。
ところが先日、そのリマスター版のプレイ中に驚くべき光景を目の当たりにしました。
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こいつはスティヴマン。そいつもスティヴマン。あいつもスティブマン。このジムにいるモブ全員スティヴマン。
誰だビッゲさんとラインさんとヨレスさんとGSTFSさん以外をみんなスティヴマンにしやがったエアプ野郎は!?!?!?!
なんという手抜き。なんという敬意の無さ。これがシリーズ10周年を祝う記念すべきタイトルだなんてとても信じられません。少なくとも3であれほどのヤギリスペクト精神を見せてくれたCoffee Stain Northの仕事にしては雑すぎるにも程があります。
この目を疑うような光景を目の当たりにした瞬間、「やっぱりガッカリマスターじゃねーか!」とホットフィックスで治まったはずの怒りと不満が再び噴出し、以前noteとSteamに投稿したポジティブな感想を撤回したくなる衝動に駆られました。個人的にはそれほどまでのGet my goat(腹立たしい)案件だったのです。
この怒りを鎮める方法として思い浮かんだ案はふたつ。己の内なる大がらがらどんwithジョニー・シルヴァーハンドと共にリアルCoffee Stainオフィスをマイケル湾しに行くか……もしくは平和的に「オリジナル版に登場するNPCたちが全部同じキャラクターなわけがない!」という事実を人々に訴えるかでもしない限り、私の腹の虫は到底治まりません。
ヤギの世界を彩るNPCたち
みなさんもご存じのように、『Goat Simulator』はCoffee Stain Studiosが贈る次世代ヤギシミュレーションゲーム。かわいくてほぼ不死身のヤギさんになって自由気ままなヤギ生を堪能することができる、ストレス過多な現代社会を生きる全人類がBAAと鳴いたメェ作中のメェ作です。
今でこそ「全人類必携のヤギゲー」としてありとあらゆるプラットフォームで配信されている本作ですが、当初は商業製品として発売する予定はまったくありませんでした。あくまでも次の大規模プロジェクトに本腰を入れる前の社内研修(一週間程度のゲームジャム)で制作されたプリプロダクションの域を出ず、Youtubeにアップしたα版の動画が大バズりしたことで急遽発売が決まったのは有名な話です。
そのため企画書もテキトーに書かれ、グラフィックも基本的にはネットで買ったアセット(完成済みの3Dモデルや音楽などゲーム制作で役立つ素材の詰め合わせ)をそのまま使っていると聞きます。
ところがNPCに関しては、アセットに入っていた人物モデルをそのままフィールド上に設置したわけではありません。名前も顔も、本作の開発に携わったCoffee Stain Stadiosのクリエイターたちがモデルになっているのです。
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その設定は次回作『Goat Simulator 3』にも引き継がれており、無料アップデートで追加されたギア「ノンプレイヤーキャラクター」では大勢のNPCがスキンとして収録されているうえに、一人ひとりに名前と説明文(フレーバーテキスト)がしっかり用意されています。
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しかし昨年発売されたリマスター版こと『Goat Simulator: Remastered』ではその限りでなく、何故かオリジナル版から引き継がれたほとんどのキャラクターモデルの名前が「スティブマン(Styvman)」表記になっています。
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てっきり日本語版だけの問題かと思いきや、言語設定を英語にしてもその仕様は変わらず。つまり「Flappy Goat」を「はためくヤギ」とクソダサ直訳したローカライズチームの翻訳漏れではなく、全世界共通の退屈なバグ=Coffee Stain側の失態です。
おのれCoffee Stain。「どうせそんな細かいところなんて誰も見ないでしょ?」と言わんばかりのガッカリマスター状態でリリースしやがって。
本作におけるNPCの立ち位置とは、ヤギに一日を台無しにされるかわいそうな被害者。ストーリーどころか台詞もほとんど無いので、おそらく大多数のプレイヤーは彼らの存在を「ゲーム世界を彩るキャラクター」でなく「人の形をしただけのオブジェクト」と認識しており、多少名前が変わったところで気にも留めていないことでしょう。
しかし私のように本作(特にGoatVilleとGoat City Bay)に愛着を持つシリーズファンからしたら、この変更は理解に苦しみます。名前も外見も設置場所も行動パターンも違う。3でちゃんとそれぞれ“個性”を持ったNPCだと公言されたにもかかわらず、どうしてリマスター版で「全部同じじゃないですか」と言い切れるのでしょう?
そんなわけで本記事ではオリジナル版『Goat Simulator』に登場する愛すべきNPCたちを簡単に紹介します。
純粋に『Goat Simulator』の世界観に興味があるというゲームプレイヤーはもちろん、何故NPCの名前が違うというだけでこれほどまでに腹を立てている厄介なファンの心理が理解できないという方々に読んでいただけると幸いです。
刮目せよトロルども。悔い改めよCoffee Stain。もうこれ以上「全部同じじゃないですか」なんて言わせんぞエアプめ。
Bigge(ビッグ)
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オレンジ色のジャージと青い帽子がチャームポイントの男性。モデルはCoffee Stain StudiosのアニメーターであるKristofer Andersson氏。
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本作のいたるところで見かけるNPCの一人ですが、特に印象的なのが柵越しにヤギを眺めるこの姿。ちょうどリスポーン地点の真正面に立っているということもあり、印象に残っているプレイヤーも多いのではないでしょうか。そのせいか3では本作を代表するNPCとして、ギア「ノンプレイヤーキャラクター」のデフォルトスキンに設定されています。
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しかしデフォルトスキンであるがゆえに、彼だけ個別のスキン名称とフレーバーテキストが用意されていないのがガッカリポイント。
ちなみに私はよく彼のことを「ビッゲ」と呼んでいますが、PS4版とリマスター版の翻訳表記を見るに「ビッグ」が正式呼称のようです。
Anton(アントン)
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ビッグボスマン
グレーのジャージに身を包んだ男性。モデルはCoffee Stain StudiosのCEOであるAnton Westbergh氏。
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Coffee Stainの創設者(の一人)というお偉いさんがモデルということもあってか、本作では一人で黙々と仕事に取り組んでいるワーカホリックな男性として描かれています。それと大人数で集まるよりも、静かな空間や一対一のコミュニケーションを好む場面が多い印象です。
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ついでにジャージの色が似てるということで、遠くから離れて見るとStyvmanと間違いやすい見た目をしています。しかしこうして並べてみれば(ジャージの色も顔も髪も髭も)薄い方がAntonで濃い方がStyvmanと、その違いは一目瞭然です。
Armin(アーミン / アルミン)
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ゴートヴィルという田舎町で育った可能性が極めて高い
緑色のジャージを着た童顔の男性。モデルは本作のゲームデザイナー兼PRマネージャを務めたArmin Ibrisagic氏。
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誰かと話している場面が多いことから、人懐っこくおしゃべり好きな人物という印象を受けます。またデモ集団の前で演説を行ったり、お立ち台に上がって踊ったりしているあたり、純粋に人前に立つことが好きなのかもしれません。
I want to make a goat simulator game.
— Armin Ibrisagic (@Arminposts) October 14, 2013
ちなみにIbrisagic氏は本作の開発秘話でたびたび登場する「ヤギのゲームを作ろう」と言い出した張本人。つまり彼がヤギの面白動画にハマって「ヤギはいいぞ!」「次はヤギの時代だ!」と社内でヤギを布教しなければ、おそらくこの世界は『Goat Simulator』が誕生しなかった世界線に分岐したに違いありません。そのためゲーム内における「生粋のGoatVilleっ子」という設定にも納得です。
A) immortality. B) a jetpack with infinite fuel. C) five minutes in the goat tower. YOU CAN ONLY PICK ONE, CHOOSE WISELY!
— Armin Ibrisagic (@Arminposts) August 3, 2012
それどころかツイートを遡ると『Sanctum 2』の開発中からヤギに狂ってる疑惑が出てくるので、ひょっとしたら本当にGoatVille出身なのかもしれません。
GSTFS
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Gstfsについてはあまり知られていない。
青いボーダーシャツを着たぽっちゃり気味の男性。モデルは本作の音楽全般を手掛けたアート&サウンドディレクターのGustaf Tivander氏。
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3では「あまり知られていない」となんとも寂しい説明がされていますが、個人的には結構印象的なキャラクター。サウンドディレクターがモデルというだけあって音楽好きのパリピで、よく踊っている姿を見かけます。
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あとは高いところが好きなのか、鉄塔の上など「どうぞ突き落としてください」と言わんばかりのロケーションにいることが多い気がします。
J.Sjoo
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愛車のセダンでドリフトするのが大好き
ターコイズカラーのジャージが眩しい細身の男性。モデルはCoffee Stain StudiosのアニメーターであるJoakim Sjöö氏。
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3の説明文にもあるように、彼の特技はドリフト。黄色い愛車に乗り込んではGoatVilleの空き地で華麗なドライビングテクニックを披露しており、人々の注目を集めています。
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一方でビーチやプールサイドでは横になってリラックスしていることが多く、彼自身は割と穏やかでのんびりした性格なのかもしれません。
Joel(ジョエル)
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肌を露出している唯一のキャラクター。
魅惑のむちむちボディを持つ裸ネクタイおじさん。モデルはCoffee Stain StudiosのプロデューサーであるJoel Rydholm氏。ベースゲームではGoat City Bayに1人しか登場しません。
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薄い胸毛とお腹の贅肉がセクシーな本作屈指の半裸キャラですが、実際は肌色のトレーナーを着て裸っぽく見せているだけ。手首のあたりをよく見ると服と体のつなぎ目がわかります。
余談ですがRydholm氏は現在もCoffee Stainに在籍しており、リマスター版が発表された昨年のGamescom 2024では各メディアのインタビューに応じています。しかも写真や動画を見る限り、ガタイの良さと二の腕のむっちり具合は10年前のゲーム内モデルとほとんど変わっていません。
Jolle(ヨレス / ジョリー)
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小遣い稼ぎのために建設作業員として働くこともある。
緑のボーダーシャツを着た濃い髭の男性。モデルは不明。
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彼の設定は労働者。ガソリンスタンドの向かいの建設現場で働いているらしく、よくトレーラーを運転している姿を見かけます。ガソリンスタンドやホテルのバーにもいるので、掛け持ちで働いているみたいです。
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しかし人知れず悩み(一説によるとうつ病)を抱えているようで、Goat City Bayでは落ち込んでいる彼の姿をあちこちで見かけます。
Marie(マリー)
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他のキャラクターと異なり、様々な活動を好む。
蛍光イエローのシャツを着た女性。モデルはCoffee Stain StudiosのデザイナーであるMarie Ekberg氏。
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数少ない女性モデルということもあってか、フィールド上の設置数はかなり多め。ショップ店員として働き、友人たちとBBQを楽しみ、闘ヤギを観戦し……などなど、本当にありとあらゆる場所で見かけるため「よく働き、よく遊ぶ」を体現するキャラクターになっています。
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またNPCの中でも特にStyvmanと仲が良く、よく二人一緒にいる場面を見かけます。スケートパークでの様子(一説によると破局の瞬間)を見るに、力関係は彼女の方が上みたいです。
Line(ライン / リネ)
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赤いシャツに茶髪のポニーテール、ジーンズ姿の女性。
鮮やかなピンク色のシャツを着た女性。モデルはCoffee Stain StudiosのプログラマーであるLine Jakobsen氏。
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こちらもMarie同様、数少ない女性モデルということで設置数は多め。ショップ店員として働き、Coffee Stainや低重力試験場でも働き、仲間たちとJ.Sjooのドリフトを見物し……などなど、どこへ行っても見かける活発なキャラクターです。
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Marieと違う点といえば……斧投げが趣味の砂糖ジャンキーってことぐらいでしょうか。
Paul(ポール)
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「Goat Sim」で最も目立たない人物
水色のジャージを着た若い男性。モデルはCoffee Stain StudiosのデザイナーであるPaul Yance氏。
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なんとも悲しい説明文が印象的な彼ですが、残念ながら否定できません。単純にモデルの設置数が少ない(GoatVilleだと1人しかいない)のに加えて、登場するシーンの多くが群衆の中だったりするため、Paul個人の人物像が読み取りにくいのです。
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強いて言うなら田舎よりも都会が好きで、年が近い同性のArminとは仲が良いってことぐらいでしょうか。Goat City Bayでは民家の屋上で二人で踊っている姿が確認できます。
Styvman(スティヴマン / スティブマン / スタイヴマン)
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青い車でゴートヴィル中を走り回る。
黒いジャージを着たちょっと濃い顔の男性。モデルはCoffee Stain StudiosのCEOであるStefan Hanna氏。
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彼の趣味はジョギングとドライブ。GoatVilleではストーンヘンジ近くの小道を走ったり、Helveteトンネルから勢い良く飛び出しては猛スピードで走り去る姿がよく見られます。
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さらにCoffee Stainで働くかたわらマーシャルアーツの講師もやっているらしく、Goat City Bayには「Club Styv Man」なる看板も確認できます。
Wasse(ワッセ)
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ワッセをよく見ると、髭をたくわえているのがわかる。
赤いジャージを着た男性。モデルは不明。
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彼のチャームポイントは髭。どうやらArmin以外の男性キャラは全員髭が生えている設定らしく、彼もまたよく見るとあごのあたりにうっすらとした髭が……いや、髭なのか影なのかさっぱり見分けがつかないぞこいつ。
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キャラクターとしてはドジっ子というか不思議ちゃんというか……奇妙なルートで散歩するせいでよく転んだり、何故か風力タービンの上で踊っていたり、泳げもしないのにプールに入って勝手に溺れている姿を見かけることが多いです。
Molle(モレ / モール)
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ラインと一緒にいるところをよく見かける
青いジャージを着たジョン・レノンっぽい顔立ちの男性。モデルはCoffee Stain Studiosの3DアーティストであるMikael Mård氏。
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説明分にもあるようにNPCの中でも特にLineと仲が良く、よく二人でイチャついてる姿をプレイヤーに見せつけてきます。しかも一軒家で食卓を共にしているあたり、同棲してるっぽいですね。
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彼らの愛の巣が借家か持ち家かは知りませんが、少なくとも車は2台所有している模様。しかも片方はJ.Sjooと同じ黄色いセダンです。
Ocke(オッケ / オーク)
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ヤギの喧嘩を見るのが大好き
黄土色のジャージを着た金髪の男性。モデルはCoffee Stain StudiosのリードデザイナーであるOscar Jilsén氏。
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3で「ヤギの喧嘩が好き」と紹介されているように、闘ヤギ場で力いっぱい応援している姿が印象的なキャラクター。叫びすぎて疲れたのか、キオスクへ行くと真剣に冷凍ピザを選んでいる彼と出くわします。
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それと収穫機の隣でやたら嬉しそうに踊っているのも彼。豊作を喜んでいる農家なのか、ただ単に大きな機械にロマンを感じているだけか……。
Stek(ステック / ステキ)
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ステキとは英語でステーキのこと
偏屈そうな顔をした紫色のボーダーシャツ姿の男性。モデルは不明。
Trivia
・He does not appear in the mobile version
・Stek translated to English is "Steak".
・In Goat MMO, he is in the server room.
説明文がなんだか謎めいていますが、海外Wikiによるとどうやら過去に 「Steak(ステーキ)」とローカライズされたことがある模様。読み方としては「ステック」が正しいんでしょうけど、そうした背景を踏まえてか3ではあえて「ステキ」表記になっています。
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キャラクターとしては正直Paulよりも影が薄いような……心なしかOckeと設置場所がかぶっていることが多い気がするので、彼も闘ヤギ観戦が趣味な熱血漢タイプなのかもしれません。
Francis(フランシス)
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人目につかないところで寝ているホームレス。モデルは不明。GoatVilleとGoat City Bayに各1人しか登場しないレアキャラです。
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過去の記事でも取り上げたように、3Dモデル自体はJolleと同一。しかしマットレスから退かしても必ず戻って二度寝をしたり、安眠を妨害されたことを怒って攻撃してきたりと、働き者のJolleとはまったく真逆のキャラクターになっています。
Kenny Hotz(ケニー・ホッツ)
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「I hate Spenny」と書かれたトレーナーを着た男性。モデルはカナダ発のリアリティショー『Kenny vs Spenny』のメインキャストであるKenneth Joel Hotz氏。Goat City Bayに1人しか登場しません。
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何故ゲームと全く関係なさそうなコメディアンが本作に登場しているかというと、主人公「Pilgor(ピルゴール / ピルゴー / ピルガー)」の名前が『Kenny vs Spenny』のあるエピソードに登場するヤギの名前に由来しているため。
Hotz氏のTiktokによると、どうやらCoffee Stainが「うちのゲームに出てくるヤギの名前をPilgorにしたいんですが……」と申し出たのに対し「いいね。あと俺もゲームに出たい」と返答したため、カメオ出演が決まったようです。
Deadmau5
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Goat City Bayでライブを行う覆面DJ。モデルはDeadmau5名義で活動するミュージシャンことJoel Thomas Zimmerman氏。
何故世界的に有名なネズミのDJが、当時リリースされたばかりのヤギのゲームに登場(新曲の先行収録と自身のカメオ出演)することになったのか。いくら調べてもそれらしき情報が見当たらず、残念ながらその経緯は不明。
しかしZimmerman氏は気に入ったゲームをタトゥーとして彫り込むほど大のゲーム好きとしても有名で、他にも楽曲提供やカメオ出演しているゲームがいくつもあるとのこと。ひょっとしたらゲーマーとしての勘から、本作に光る何かを感じ取ったのかもしれません。
Turdles
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Goat City Bayの下水道に暮らすカワバンガなニンジャたち。元ネタは人気アメコミシリーズ『Teenage Mutant Ninja Turtles』の4人組。
正式名称は「Michael Bay Turdles」――つまりマイケル・ベイ(監督ではない)が制作に携わった2014年のリブート版がモデルであることは明らかです。なんならパッチノートにはご丁寧に「Made fun of Michael Bay. Again. Please don’t sue.(またマイケル・ベイをネタにしちゃった。訴えないでね)」なんて記載まであります。
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しかし頭部はシュレックだ。オーガ×カメのミュータントだ。
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なおコンシューマー版では著作権の都合上登場せず、代役として蛍光グリーンのジャージを着たBigge4人組が下水道に設置されています。
注意点
本記事に記載された情報は、2025年1月時点の海外Wiki(Official Goat Simulator Wiki)を参考に、Steam版『Goat Simulator』をプレイして筆者自らが確認したものになります。他機種版とは一部異なる場合がございますので、あらかじめ御了承ください。また、NPCのフェイスモデルとなった人物らの役職は、あくまでオリジナル版『Goat Simulator』発売当時(2014年4月時点)のCoffee Stain Studios内における役職であり、現在は移籍や退職をされている方もいらっしゃいます。
検証不足による誤り等がございましたら、ご指摘いただけると幸いです。
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(名前から察するにGone North Games(現・Coffee Stain North)の社員がモデルっぽい)
とりあえず1のベースゲーム(GoatVilleとGoat City Bay)に登場するキャラクターはこんなところでしょうか。
3の「ノンプレイヤーキャラクター」には上で紹介したNPCも何人か収録されており、他にも追加マップでしか出会えないNPCは多数存在するのですが、ぶっちゃけベースゲーム以外のNPCにはそんなに思い入れも無いし、全部数えていてはキリがないので一旦ここで区切ることにします。
……というわけで、いかがでしょう。本作に登場するNPCが「人の形をしただけのオブジェクト」なんかでなく「ヤギの世界を彩る愛すべき名脇役」であることを、ご理解いただけましたでしょうか。
そんな親愛なるNPCたちから名前と居場所を奪い、Deadmau5のプレイリストから『Petting Zoo』を取り上げ、Him LenとHelveteを地図から消し去ったリマスター版開発チームの蛮行を「ガッカリマスター」や「エアプの所業」と言わずして何と言いましょう?
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おのれCoffee Stain。たとえ後日アップデートで修正されようが、あれだけ各方面にリマスター版をPRしてくれた心優しく肩幅広き裸ネクタイおじさんに恩を仇で返すような真似をしやがったことを、私は忘れないからな。
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