起業をする上で感じていた、エンジニアや語学に対する壁。IT留学を経て得たものとは?ーシードテックスクール 卒業生インタビュー
シードテックが運営するプログラミングスクール「Seed Tech School」は、プログラミングと英語をセブ島で学ぶ「IT留学」を提供しています。
「IT留学」とは、世界中で活躍するためのスキル習得を目的として、プログラミングと英語を12週間かけて学ぶという合宿型の留学プログラムです。
今回は卒業生で、株式会社Flamersの起業メンバーとして活躍する柴田様に、IT留学に参加したきっかけや、IT留学で得たもの・その後の変化について、お話を伺いました。
株式会社Flamersとは
ーまず、株式会社Flamersについてお伺いさせていただきたいです。どのようなサービスを展開されているのでしょうか?
就活時に苦しまないためのサポートをする長期インターンの口コミサービス「Voil」や、恋愛特化のメタバースサービス「Memoria」を開発・運営しています。
「Voil」は、学生のリアルな口コミをもとに、本当にマッチした長期インターン先に出会える求人サービスです。
長期インターンにおいては、実際のインターン経験者の数が限定的であるがゆえ、事前に企業内部のリアルな情報やインターン内容を把握することが難しく、自分に合ったインターン先企業を見つける事が出来ていない学生が多くいます。
この問題を解決し、長期インターンを通じて自身のやりたいことを育て、学生が就職活動時にはワクワクしながら企業を選ぶことができる未来を創りたいという想いから、サービスをローンチしました。2020年のローンチ以降、多くの学生の皆さんにご利用いただいております。
「Memoria」は、メタバース空間で恋人を探したり、恋人とデートをしたりすることができるVR恋愛マッチングサービスです。
一般的なマッチングサービスは、写真やプロフィールで判断して、メッセージでやり取りを重ねたうえで会う、という流れになっていますが、中には「メッセージのやり取りが苦手」「表面的な情報だけだと、中身が合う人と出会えるまで時間がかかってしまう」「忙しくて時間が取れない」など、課題を抱えている方もいると感じていました。
「Memoria」では、アバターを介するコミュニケーションによって、相手の外見が分からない状態でメタバース上でマッチングし、デートを重ねて一緒の時間を過ごすことができます。より多くの方が場所を選ばず、「好きな自分」で相手と過ごすことで、「外見より先に内面を知ってから恋愛をする」という文化をつくっていきたいと考えています。
インターンでの経験を経て、「挑戦する側になりたい」と起業メンバーにジョイン
ー起業を考えたタイミングは大学生と、早いタイミングだったと思います。その背景を教えていただきたいです。
大学時代に、半年間ベンチャーキャピタルでのインターンを経験し、数百名の起業家の方にお会いし、企業の方々の資金調達を支援してきました。彼らの話を聞く中で最新のテクノロジーに触れたり、考え方や生き方を知るようになり、「かっこいいな」と思う一方で、「なぜ支援する側なんだろう」とふと思ったんです。「自分も挑戦する側になりたい」と。
また、自身の就職活動を考えた時に、「夢中になれるものに取り組みたい」と漠然と思っていたんです。この経験と想いから、起業を考え始め、同じような想いを持った友人と起業するに至りました。
ー最初に長期インターンのサービスで起業しようと思ったのは、どういう背景があったのでしょうか。
僕自身が起業を考えたタイミングで、友人たちが"就活"で苦しんでいる状況を目にして、「自分の大切な人がなんでこんなに苦しんでいるんだろうか?」という気持ちになったんです。
日本の大学生は、働くことを真剣に考えるタイミングが全くないまま3年生の夏を迎え、「どうやら夏のインターンシップなるものが始まるらしい」と、周りがやっているからと焦ってインターンシップ先を検討し始める、というケースが多いと感じていました。
また、就職先を選ぶ時に、最後は「自分が行きたいと思ったから」という理由ではなく、「みんなが良いと言うから」というあいまいな理由で決めようとする人が多いイメージで、それって大学を偏差値で選ぶのと変わらないのではと。「この"就活"というしくみは本当に美しいのだろうか?」という違和感を改善できたら良いなと考えていました。
ー長期インターンの口コミサービス・恋愛特化のメタバースサービスと、この2つはまったく異なる分野かと思うのですが、共通するものはありますか?
私たちは最初、「学生がキャリアについてもっとポジティブになれる世の中になったら良いよね」と集まったチームです。
私が起業メンバーに加わった時からずっと変わらない軸として、お客様が本当に喜んでくれるようなプロダクトをつくりたい、という想いが第一にあります。
メタバース空間での恋愛マッチングサービス「Memoria」は、「シンクビッグなことに挑戦したい」という背景もあり、ローンチするに至りました。
ー2022年の10月には、資金調達をシードラウンドとして1億円の資金調達を実施されたそうですね。資金調達までの道のりはどのようなものでしたか。
はい、今回は「Memoria」の主にエンジニアチームの拡充を目的に行いました。
投資してくださる企業を探すため、「Memoria」についてプレゼンする日々でしたが、最初はとにかく、ウケが悪かったですね(笑)。
そんな中でも、投資家の方からいただいた細かなフィードバックを反映させながら改善を重ね、調達したときは達成感の方が大きかったですね。
この2022年11月に、ついにサービスをローンチできたことは、大変感慨深い気持ちです。
「エンジニアとコミュニケーションコストを減らしたい」ー起業前にIT留学を決意したきっかけ
様々な困難を乗り越え、形にしてきた柴田様。
今の仕事においても大事なマインドを醸成するきっかけになったのは、シードテックスクールのセブ島 IT留学だった、と言います。
ーIT留学に参加しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
最初にIT留学を知ったのはWEB広告だったと思います。見た瞬間、すぐ「やりたい!」と思い話を聞きに行きました。
IT留学を決意した時には、起業の内容が固まっていたわけではありませんでしたが、先程もお話ししたように、お客様が「あってよかった」と喜んでくれるようなモノをつくりたい、という想いはずっとあったので、プロダクトづくりには関わりたいと思っていました。そうなると、ITの力は欠かせません。
その点では、「エンジニアとのコミュニケーションコストを減らしたい」と思っていたのが大きな理由です。インターンシップをしているときに新規事業を立ち上げる機会があったのですが、エンジニアとの連携が必要な場面で、プログラミングが分からず、やってほしいことをどう頼めば良いのか、どのくらい難易度が高いのか、どのくらいの工数や時間がかかるのかが全くわからず、とても苦労しました。自分が理解できていないので、依頼やそれに対する回答がお互い一方通行になってしまい、コミュニケーションをとれている、という実感がわきませんでした。
ーエンジニアとのコミュニケーションの中で、具体的にどのようなことに困ったのでしょうか。
実装したい機能の技術的な難易度が分からないことで、開発の優先順位をつけられないことですね。スピード感を持ってサービスをつくるとなると、機能開発にかかる時間や、エンジニアのリソースを理解したうえで、「やりたいことのうち、何を追加し、何を削るか」の精査が必要になります。そう考えると、エンジニアの感覚が分からないことはかなり致命的だなと。エンジニアが抱える感覚や気持ちを、少しでも分かるようになりたいと感じました。
ープログラミングを学ぶ方法はいくつかあると思うのですが、中でも海外で挑戦することを決意した理由は何だったのでしょうか。
海外で働く選択肢を「普通に」取れるようになりたいと思ったからです。新規事業を立ち上げるにあたって、日本国内にこだわらず海外という広い選択肢を当たり前に考えられるのであれば、サービスやビジネスの幅が広がるなと。
また、「自分は英語ができない、と思うのをやめたい」という想いがあって(笑)。「英語を話せない」と、ずっと思い続けているのが嫌だったんです。友人が日本人に限定されてしまう人生はもったいないとも感じていたので、その自分の中の課題に対して、アクションを取っていきたいと思ったんです。
全力で学び全力で遊ぶ。セブ島で過ごした、充実した日々
ー振り返ってみて、IT留学はいかがでしたか?思い出深いエピソードがあれば教えていただきたいです。
英語の先生とものすごく仲良くなれたことが印象深いですね。「外国人」って自分たちとは全く違う人たちなんだろうなと漠然と思っていたんですが、その認識が変わった感覚がありました。「他国の人も同じ人間で、誰とでも仲良くなれるんだ」というのを身をもって実感できた経験となりました。自分の中でも、非常に大きな気づきでしたね。
また、他の留学生メンバーに勉強熱心な方が多いことにとても驚きました。朝7時に起床して英語の授業を受け、午後はプログラミングの授業を受け、夕方もカフェで自習して...と、ストイックな子が多く、そんなメンバーに囲まれた環境は非常に刺激的な毎日でした。
とはいえ、ひたすらに勉強ばかりをしていたわけではありません。
平日は朝から夜まで学習に時間を費やし、自分と向き合う時間が多かったのですが、週末になれば同期たちと焼肉に行ったり、とにかくお酒をよく飲んだり(笑)。この全力で集中して、全力で遊んでのメリハリが、とても心地よいことに気づきました。幸福度が高まっているのを実感しましたし、生産性を高める重要性を体感したんです。
今もこのメリハリを意識して、日々仕事やプライベートに向き合っています。自分にとって重要なスタンスが築けた良い機会だったと感じています。
ーIT留学を経て、留学以前と変化した部分はありますか?
先程お伝えしたメリハリをつけるという、自身の生産性を高める方法を見つけられたこともそうですが、スキル面で言うと、プログラミング・英語の知識は格段に増えたと思います。
プログラミングに関しては、エンジニアと連携し、サービスを作っていく中で、なんとなくでも「やっていること」「できること」が分かるようになったんです。そのため、業務上の優先順位もつけやすくなりました。また、基礎的な部分が理解できているうえでの話し合いができるので、エンジニアの説明コストも下がっていると実感しますし、効率的に・スピード感を持って開発を進められていると感じます。
英語に関しては、特にリスニング能力は非常に高まったと感じています。洋画を観ても物語の内容が分かるようになりましたし、海外の方とのやり取りもできるようになってきました。とはいえ、言語は継続して聞いて・話し続けなければいけないものなので、すぐすぐの成果としては見えづらいところもありますが、「国に関係なく、誰とでも仲良くなれる」というマインド面での変化も加え、確実に自分にとってプラスに働いていると感じます。
ーIT留学のメリットはどこにあると感じられていますか?
同期も含め、切磋琢磨し合える成長意欲の高い仲間ができたというのはとても大きいです。ルームメイトとは今でも仲良しですし、そんな仲間が優秀な人材として、また、エンジニアとして活躍している姿を目にすると、刺激を受けますね。
また、元々の目的であった英語・プログラミングの習得の他に、「生産性の大切さ」を学ぶことができ、価値観に変化があったところも副産物かもしれません。
とにかく、「本当に行って良かった!」と思っています。
ー今後の柴田様や御社の目標を教えていただきたいです。
お客様が「なくてはならない」「なくなったら本当に悲しい」と思えるサービスに「Memoria」を成長させていくことが目下の目標です。今はそれを達成するための挑戦期間だと考えています。
個人の目標としても、自分が何を成し得たのか、ということよりも、とにかく「お客様を喜ばせられるモノをつくり続け、会社を成長させていきたい」という想いが強いですし、それがすべてかなと思います。
ーありがとうございました!
おわりに
興味関心へのフットワークの軽さには自信がある!とおっしゃる柴田様。IT留学の経験を活かし、日々新しいことに挑戦を続ける姿勢が印象的でした。
シードテックスクールは、卒業生2,300名を超えており、柴田様のような起業家をはじめ、グローバルに活躍する人材を多数輩出しています。
IT留学の生徒の募集も随時行っているので、興味をお持ちの方は、ぜひ、チャレンジしていただけると嬉しいです!