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不登校体験記6
なんで学校に行かないの?
自分でも、なんで行けないのかわからない。
休み出したら、その環境から抜け出せなくなった。
でも、大丈夫。
タイミングが来れば、歩み出せるから…
今回は、中学校時代に、不登校を経験したNさんのお話です。
【不登校期間】
中学1年生の終わりから卒業まで
ほとんど行けなかった。
【キッカケ】
腰をケガしてしまい、部活ができなくなってしまったこと
学校に行く意味を見出せなかった中学校
もともと、勉強が好きな方ではなく、学校へは部活動と友達と話すために行っていた。
けれど、腰を痛めて部活動ができなくなり、クラブを通してできていたコミュニティにも入れず、どんどん疎遠になっていってしまった。
不登校中は、外に出ると知り合いに会ってしまうのが怖くて、家にこもりっきりになった。
学校に行っていないことは、当時はマイナスに捉えていて、知り合いに会うのは怖かった。
学校に行きなさいとは言うが、親には責められた記憶はない
親は、学校に行きなさいと言っていたが、責められた記憶はなかった。親が、色々模索してくれていたことは、わかっていた。
ある日、動物好きのNさんに、幼なじみのおばさんが、愛犬を「面倒見てくれないか?」と貸してくれた。
犬を飼うということは、散歩に行かなければならない。
必然的に、外に出なければいけなくなる。
人に会わないように、早朝に散歩へ行っていた。
ある時は、姉が沖縄へ、スキューバーダイビングをしに連れていってくれた。
自分で行きたいと行ったのか、決定事項のように連れて行ってくれたのかハッキリは覚えていないけれど、あの時沖縄に行けて良かった。
結果、すごくいい気分転換になった。
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不登校が終わるキッカケは高校進学
担任の先生が、内申点がなくても行ける高校を案内してくれた。
同じ中学から、誰も行かないから、再スタートできるのではないか?そう言ってくれた。
高校は、とても楽しく謳歌した。
当時は不登校だったことを、負に感じていたので、高校では、自分の過去を知らない人たちだからよかったと思う。
その後、動物飼育の専門学校に進み、飼育員として就職した。
やりがいを感じていたが、動物相手の仕事は体力が必須。給料も決して良くはない。体を壊してしまった。
新しい仕事との出会い
友人が、結婚式場の清掃バイトを探しているというので、なんとなく誘われるがまま始めてみた。
そこは、人間関係も良くとても楽しく仕事ができた。
そうすると、いつの間にか現場の管理職になっていた。
しかし、派遣先が変わってしまい、仕事の楽しみを見出せなくなっていた。
転職をしよう。どうせなら、好きだったエンタメ業界にトライしてみよう!
そう思った。
すべては、タイミング
ビル管理会社の夜勤中に、履歴書を書いた。
どうせなら、有名なところから受けてみよう!
いくつか業界の大手音楽メーカーに応募した。
その中の一つの会社が、興味を持ってくれ、面接までこぎつけた。
履歴書の熱量がすごい!
動物飼育業界で従事していたという特殊な経歴も相まって、採用が決まった。
「すべては、タイミングだったと思います。
新卒だったら、入るのは難しかったであろう企業。
丁度その時、人手不足で、すぐにでも熱量や体力のある人が欲しかった。そのタイミングとマッチしたんだと思います」
Nさんは、テレビCMまで大々的にしているような、大手音楽業界で、アーティストのマネージャー業に就くことになった。
仕事が大好き!が、うつ病になる
仕事は、大好きだった。
続けたいと思っていた。
しかし、不規則でストレスも多い仕事。
休みを取るタイミングも掴めなかった。
好きも相まって、寝る間を惜しんで働く日々が5年ほど続いた。
繊細な部分があるNさん、いつの間にか、眠ることがうまくできなくなり、静かな夜でも、アイマスクと耳栓が必須アイテムとなっていた。
ある日の朝、突然起き上がれなくなってしまった。
身体が動かない。スマホが見られない…
何かがおかしい…
周りの人が心配して、病院を進めてくれた。
病院で出された診断は、うつ病だった。
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Nさんは、それでも仕事を休みたくなくて、騙し騙し仕事に行っていた。
しかし、感情のコントロールができなくなっていた。些細なことで、怒りが出て周りに当たり散らしてしまう…
これではいけない…と、休職を選んだ。
人を大事にすること
休職中でも、友人がキャンプに連れていってくれたり、アーティストがライブに招待してくれたりした。
本当に、周りに恵まれている。
自分を大切にしてくれる人、周りにいてくれる人に誠実であること。それが大事だと思った。
復職後、自分の怒りが抑えられずに、当たってしまったことを素直に謝った。
今、不登校で自分だけの世界にいる人は、少し周りに目を向けると、心配してくれる人がいると思う。
ネット上では、色々な活動をしている人もいる。
自分も不登校だった中学の2年間はとても辛かったが、後悔はない。
舞い降りてくる環境に、乗っかってみるのも一つだと思う。合わなければ、抜ければいいのだから。
人からもらった優しさを、素直に受け入れ、誠実に返していけば、周りの環境は良くなっていく。
「私は、当時学校に行った方がいいとは思っていたけど、不登校であったことを後悔はしていません。あの期間があったから、今があると思うから。
そして、これまで経験してきたことは、全てが自分の強みになっています。無駄な経験はなかったです。今は本当に楽しく生きられています!」
Nさんのお話を聞いていて、Nさんは、本当に周りに恵まれている方だと思いました。
それは、Nさんの人柄なんだろうなとも…
お話を聞いていて、常に、聞いている側に光を与えてくれる言葉を発してくれていました。
この、与える精神が、未来を切り開く力なのだと思いました。
そして、Nさんのお話をきいていると、学校に行かないということ自体は、そこまでマイナスになっていないということに気づきました。
それよりも、自分の人生を、自分で選択する力、掴み取る力が鍵なのだと思います。
誰もが、人生は一直線のように捉えがちです。ですが、どの人にも、紆余曲折があり、全ての経験は無駄ではないのです。
今、しんどいな、先が見えないな…と感じている人も、いるかもしれません。
でも、ふと、提案されたことや、やってみたいな!と思ったことを、やってみると、今までと違った日常がやってくるかもしれませんね(^^)