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発達障害は障害?それとも才能?子どもの才能を活かす教育とは

こんにちは。
Prism校長のきよこです。

私は発達障害の子どもって、生きにくいだろうなぁと思う反面、ものすごい才能じゃないか?!と思う部分があるなと感じています。
今日はそのことについて書いていきたいと思います。

私が体験した我が子の障害部分と発揮される才能

子育てをしていて、私が一番悩んだのは、子どもの聴覚過敏。微細な音まで、認知してしまうため、脳が処理しきれず思考が停止していました。

しかし、一方で静かな環境であれば小さな音まで感知するので、私が気づかない音を教えてくれたりします。

この力が、すごく発揮されてるなと感じたのは一緒にゲームをしている時でした。敵が出す小さな足音にいち早く気づくので、相手の位置を特定しやすいのです。
日常生活の中では、色々な音が入り混じっており、なかなかその力が発揮される機会がないので、普段の生活だけでは分かりにくい力だったのです。

このように、一見障害に感じるものが、違うところでは、能力として発揮されるという体験、みなさんはされたことありませんか?
そして、子どもの才能をもっと伸ばせるところがあればいいのに…と思ったことありませんか?

障害と才能、両方を支援する2E教育

みなさんは、「2E教育」という言葉を聞いたことがありますか?あまり、聞きなれない言葉だと思います。
ここでは、2E教育について説明していきます。

2E教育とはなにか?

2E教育とは、発達障害と才能を併せ持つ「2E」の子どもを、両方の側面から支援することを言います。
2E教育は、1980年代にアメリカで始まりました。近年、日本にも、2E教育という言葉が入ってきていますが、得意を伸ばすとか、日本でも部分的には取り組まれていたことも含まれています。

「発達の凸凹」の観点には、発達を誰もが同じように辿る一本の道筋と捉え、年齢の標準から遅れていることに注目をするという側面があります。
ですので、医療者や教育関係者は、遅れ=障害を発見して治そうとすることが基本姿勢となります。日本では、「障害」への支援はあれども、「才能」への支援はありません。2E教育では、「障害」だけでなく「才能」にも、注力して支援を行なっていきます。
子育てをされたことがある方なら、母子手帳を見られたことがあると思います。そこには、成長曲線が描かれ、月齢ごとにできることが書かれています。健診でも、その月齢でできるはずのことができなかった場合、支援の対象となるのです。
特に、日本は、平均を大切にする傾向があり、平均値の中にいることで安心します。だから、できないところは「障害」として、「普通」に持っていく必要があると考えるのです。ですが、その反対側と言える、「才能」の部分はあまり重要視されていません。



何故なのでしょうか?

才能児は、不協和感をもたらすことが多い

才能児は、強い好奇心や意欲、こだわり、創造性、完璧主義などの特徴を伴うことが多いが、それらが高じると発達障がいの行動に似た社会情緒的問題を伴うことがよくある。例えば特定の課題に取り組み時に強い興奮・活動性を示す行動は、ADHDに似る。こういった才能に伴って時には問題となる行動特性を、ダブロフスキー(K.Dabrochowski)は「超活動性」(overexcitability,OE:筆者の訳語)と呼んだ(Piechowski,2014)。超活動性(以下、OEと略記)は、以下の5領域に分けられる(特徴の例を挙げる)。
①知的:好奇心、知的探求、真実探求、塾考、内省、問題解決。
②情動的:強い感受性・感情表現、同情、共感、人や物への愛着。
③想像的:豊かな想像力、リアル感のある空想、白昼夢。
④運動的:高い身体的活動性、多弁、衝動的・強迫的活動。
⑤感覚的:過敏な五感、強い美的感覚、過度の刺激を嫌悪。
「2E教育の理解と実践」より

これらの反応が、過度になると、学校や集団行動が行えなくなる可能性はとても高いのです。しかし、和を重んじる日本では、秀でた才能よりも、協調性を重視することを、学校で強く求められるのです。
ですので、和を乱すこと自体が、もう大きな障害であり、「障害者」として特別支援を受けるイメージが日本人の中に強く根付いているのです。

アメリカでは、才能も障害も個性と捉える

アメリカは、多人種国家であり、人種差別はあるものの、日常生活においては、誰も人種の壁を気にしていないと言います。みんな違って当たり前であり、それぞれが個性のかたまりという考え方が、基本的に根付いています。ある人が、日本は、義務教育だが、アメリカは権利教育だと言っていましたが、義務を果たすという考え方より、自分の権利を主張するという考え方を強く持っている人が多くいるのだと思います。
これは、義務教育、権利教育どちらがいいという話ではなく、発達障害児や才能児にとっては、個性を尊重する考え方の方が生きやすいということです。
一番怖いことは、子供たちや当事者が、周りと違うということで自信をなくしたり、周りを信じられなくなってしまうということ。
それには、周りの声かけや、考え方、環境がとても大事になってくるということなのです。

発達障害当事者や、発達障害児が、生きやすいと思える環境は必ずあり、選び取れること、もしくはないのであれば、作れるのだ!という考え方があれば、生きづらい世の中は無くなっていくのかなと思います。

今の環境が全てではない

私たちは、今置かれている環境が全てと考えて、なんとか適応しようと頑張ったりします。
とくに、学生時代は選択肢も少なく、一度通い始めた学校を、他の学校に変えるのは、大人が転職するよりも、容易ではありません。
今の環境で、大きな問題となっていることが、外に出てみれば、それほど大きな問題にならないこともあるのです。そして、その逆もあります。

私たちは、今あるものでなんとかしようとしてしまいますが、子どもにとって合うものがない…と感じるのであれば、今の環境以外もあるのかもしれないと、視点を変えることで、何か、打開策が見つかるかもしれません。



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