昔のシノギについて

前回の記事の最後に、次回は18歳~22歳の間に稼いでいた悪事を書くことをお約束しておりました。

まず子供だった私はパチンコ屋に目をつけました。

今30代以上の方ならご記憶にあるかと思いますが、10数年前までパチンコ屋では平然とブランド品のコピーが並んでおりました。

それに反社会的勢力との繋がりも深い時代でございました。

そこに目をつけたのが私です。

パチンコ屋について詳しくない方のために少しだけ補足させていただきます。

パチンコ屋では台に1000円札を入れるとメダル、または玉が出てきます。

スロットの場合1枚20円ですので、1000円入れると50枚のメダルが排出されます。

パチンコの場合1玉4円で、1000円で250玉排出されます。

この出てきたメダルまたは玉を使い遊戯を行います。

遊び終わったら、そのメダルまたは玉をカウンターに流し込み、総出玉を計測します。

計測が終わったらレシートのようなものを受け取り、受付のような場所に持っていきます。そこでレシートを読み取り、出玉に応じた景品を受け取ります。

現金が欲しい方は現金と交換する景品をもらいます

現金よりほしいものがあるときは、陳列ケースに並んでいる景品と交換ができます。

基本的にほぼ全員が現金と交換するので、ほかの景品はいわば飾りのようなものです。

その景品の中にブランドバッグなどが並んでいたわけですが、これはどう見てもコピー品(偽物)でした。

私もブランドのコピー品を販売していた時期がありましたので、すぐに見分けることができました。

『なんでこんなに堂々とコピー品を置けるのだろう?』と不思議に思いましたが、次の瞬間、稲妻が走りました。

物理的な稲妻ではなく、よくアニメなどで見るアレです。

私は早速パチンコ店について調べました。地域の反社会的勢力との癒着、地元の警察との癒着などの可能性が懸念されました。

そこで私は癒着の可能性の低い県警に目をつけました。

まずは人を集めました。地元のツレや、暴力団の人間などとにかく根性のある口の硬い人を数人用意して、パチンコ店へ行きました。

まず台にありったけの現金をぶち込みます。

店員がじろじろ見てきますが、この時点では何も悪いことをしていないので堂々とメダルを排出させていきます。

数十万円分のメダルを用意したところで、カウンターで計測。

そのまま受付へ行き、『ルイヴィトンのバッグ全部下さい』みたいな。

景品は法律上すべて1万円ですので、数十点のルイヴィトンのバッグが私の前に並びます。

ここで一言、『本物ですよね?』と聞きます。

いきなりのキラーパスに店員も『はい』と答えます。だって『いいえ』なんて答えたら大変なことになりますから。

でも対ヨッシー戦では『はい』の方が大変なことになります。

本物と言って偽物を売れば詐欺になりますから。

もし、本物だったとしてもそれは全然OKです。だって本来なら何十万円もするバッグが1万円で買えるのですから。

話を戻します。

その後、私たちは警察へ相談にいきます。

『本物って聞いてコピーを買ったら偽物でした』と。

当時ブランドコピーについて、日本ではそこまで警察が介入していなかったので、あまり相手にされません。

そこまでは想定内。

ここからが大勝負です。

パチンコ店へ戻り、受付で

『ここで交換したブランドバッグ、鑑定したら偽物やったぞ!責任者呼べ!』と叫びます。

この時、バッグは1つしか見せません。

責任者が出てきて、奥の部屋へ通されます。

しかし、責任者は事情は聴くものの全く興味がなさそう。

しばらくするとドアが開き、誰かが部屋に入ってきました。

どれだけ良心的に見てもやくざでした。

『おたくら、どこにシノギかけとんねん?お?』

みたいな感じでイッケイケです。

店長も『あとはブランドバッグを卸しているこの方と話し合ってください』とのこと。どうりで適当だったわけだ。

そこで伝家の宝刀、警察の名前を出します。

『県警にも話をしてきました。』

店長、やくざの顔色が変わります。

そして私は続けます。

「県警にこのことを相談したところ、『もしパチンコ屋が偽物と知らずに渡してしまったのだとしたら本物の料金で弁済してくれるはずですよ。もし弁済してくれなかったら、もう一度警察に来てください。詐欺事件ですから』と言ってましたよ。どうしますか?外に警察に行く車も待たせてるので、この場ですぐ答えが欲しいのですが」と。

結局、やくざがバッグ1つ分の15万くらいを私に差し出しました。

そのタイミングで私は携帯電話で仲間を呼び出し、残りの数十点のルイヴィトンのバッグを部屋へ運ばせました。

その時の店長とやくざの顔は今でも忘れません。

吐きそうな顔になってました。

結局私は、数百万円の現金と引き換えにブランドバッグをお店に返し、系列店舗への立入禁止の用紙に一筆書き、一件落着となりました。

同じ手口でやくざ相手の恐喝を数回繰り返すと、パチンコ店からコピー品は姿を消しました。

最初にお仕置きしたパチンコ店のやくざが言った言葉を今でも鮮明に覚えています。

『ヨッシーさんみたいなシノギは珍しい。じゅうぶん注意することやな』と。

まぁ結局仕返しのようなこともなく、今に至りますが、今考えると冷や汗ものですね。怖い怖い。

このブランドバッグを定価で買い戻させる方法は、コピー品がパチンコ店から消えることで使えなくなりましたが、その後も私のパチンコ店への攻撃はやみませんでした。その話はまた今度。

つたない文章にお付き合いいただき、ありがとうございました

次回も、昔やっていた別のシノギについてお話します。

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