「初期顧客」を確保しよう
SEEDERの吉冨です。
私はSEEDERに入社する以前にも、複数の事業会社で事業推進やセールス・マーケティングとして仕事をしてきていました。その中で既存事業も新規事業も業種含め様々携わってきました。
スケールしない原因
残念なことに事業がスケールできない例としてこれまでの経験上よく見るのが、経営者が
「いいプロダクトは作った、あとは売るだけ。よろしく頼む。」
と売上を創る事にコミットしないケースが多かったです。
こだわりが強い完璧主義な経営者にありがちですが、この場合の「いいプロダクト」はしょせん会社がそう思うだけであって、必ずしも顧客にとってではないことがあります。
そのためプロダクト(事業 / 商品)は、開発の過程で初期顧客に対して仮説検証をすべきと考えます。
プロダクトを開発しきってからの仮説検証では、仮にプロダクトがターゲット顧客ニーズ・ペインを満たしていない / 解決できていなかった場合に手戻りが大きくなり損失が大きくなったり、サンクコストを惜しんで無理に推進した結果、撤退を余儀なくされたりすることがあります。
初期顧客に対して仮説検証をしよう
仮説検証の最も効果的な方法は、「初期顧客」を確保することです。初期顧客とは、プロダクトやサービスを最初に使ってくれる顧客のことです。初期顧客はは単なる顧客以上に重要で、高い感性を持っているがゆえに既存のプロダクトで満足できておらず、開発するプロダクトの開発哲学に共感してくれている必要があります。
初期顧客を確保する重要性
は、以下の点にあります:
市場検証:
初期顧客の反応を見ることで、より大きな市場でのプロダクトの受け入れ方を予測できます。共感し賛同してくれたプロダクトの、ぶれてはいけないコア価値が何なのかを再認識できます。フィードバックが収集できる:
初期顧客は、あなたのプロダクトの改善点や新機能のアイデアを提供してくれる貴重な情報源です。ただしこの最重要なのは、顧客が求める機能を全て満たしてはいけないということです。伝統的な日本企業がやりがちですが、「ないとダメな機能」と「あったら嬉しい機能」は聞き方を間違えると顧客からの反応としては同じように表出されがちです。
> 新規事業開発におけるMVPの重要性信頼性の構築:
初期顧客の成功事例は、他の潜在顧客を引き付けるための強力な証拠となります。特に感度の高い先進的な生活者は同じ属性の生活者とSNSなどで繋がっていることが多く、正しいキャンペーンを行うと自然とユーザーを広げることが期待できます。
> 先進的な生活者 "トライブ"とは?収益の創出:
初期段階での収益は、さらなる成長のための資金となります。
初期顧客を獲得するために
は、以下のアプローチが効果的です:
ターゲットを絞る:あなたのプロダクトが最も価値を提供できる顧客セグメントを特定し、そこにフォーカスします。ペルソナといわれる顧客像です。
パーソナライズされたアプローチ:各顧客のニーズを深く理解し、それに合わせたソリューションを提案します。カスタマージャーニーを作成し、顧客の認知の度合いに合わせた適切なリーチ手法を選択する必要があります。
柔軟性を持つ:初期顧客のフィードバックに基づいて、迅速にプロダクトを調整する準備をしておきます。開発の後ではなく開発段階の中で初期顧客にリーチする理由はここで、顧客が求める必要最小限の機能(Minimun viable product)のみをプロダクトに実装した段階で初期顧客にフィードバックを求めます。
> 新規事業開発におけるPoCの重要性価値の提供:初期顧客に「いいね」と言ってもらうだけではなく、「このプロダクトにお金を払えるか、いくらなら払えるか」まで詳細にヒアリングしビジネスとしての実効性を検証(Proof of Businee)します。
ここも重要なポイントで、「これいいと思いますか」とだけ聞いてしまうと顧客のフィードバックを得て改善をしていったプロダクトは大抵の初期顧客を「いいね」と言わせるレベルのものにはなっているので、事業者側はこのプロダクトが市場で評価されると間違った自信をもってしまい、結果市場に出しても評判にはなれど購入してくれる人が少なくマネタイズができないという問題に陥ります。
最後に、初期顧客との関係構築は長期的な視点で行うべきです。短期間のサイクルで初期顧客の検証を少なくとも3回ほど繰り返し、マスユーザーへの提供価値への磨き込みを行い、顧客の成功があなたの成功につながるという意識を持ち、継続的なサポートと価値提供を心がけましょう。
「いいプロダクト」は顧客との対話から生まれるものです。早期に初期顧客を確保し、彼らとの密接な関係を通じてプロダクトを進化させることが、スケーラブルなビジネスの基盤となります。
SEEDER
吉冨
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