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トライブ紹介 クラウドキャピタリスト【1/2】

私たちSEEDERは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。トライブレポートの詳細については、まずはこちらの記事をどうぞ!

トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」または「トライブ・マーケティング」と総称し、コンサルティング、支援を行っています。

今回はクラウドキャピタリストをご紹介します。


1. 日本におけるクラウドファンディングの発展

2008年に融資型クラウドファンディング「maneo」が日本に上陸して以来、購入型クラウドファンディングの「makuake」や「readyfor」、寄付型クラウドファンディング「JAPANGIVING」など、様々な形式のクラウドファンディングが日本に定着したといっても過言では有りません。

そんな中、2017年に日本で初めての株式投資型クラウドファンディングが登場しました。株式投資型クラウドファンディングとは、未上場の中小・ベンチャー企業が自社の資金調達のために、クラウド上の投資家から資金を集め、その対価として株式やSO(Stock・Option)を発行するというものです。

SEEDERでは、株式投資型クラウドファンディングを活用している生活者(投資家)をクラウドキャピタリストと名付けリサーチしました。これまで未上場企業の株を購入する権利は、ごく一部のエンジェル投資家やVC(ベンチャー・キャピタル)に限られていましたが、株式投資型クラウドファンディングの登場により、個人投資家にもその権利が普及したことにより、近い未来、未上場企業へ誰でも投資ができるようになるとすれば、投資における価値観に変化が生まれるのではないでしょうか。

2. 株式投資型クラウドファンディングとは

そこで、SEEDERでは、株式投資型クラウドファンディングの中でも国内初のサービスである「FUNDINNO」https://fundinno.com/)を活用しているクラウドキャピタリストにインタビューし、今後の投資行動や投資における価値観がどう変化していくのか調査しました。

まず、世の中の動向として、これまでも海外ではベンチャーやスタートアップの資金調達のための株式投資型のクラウドファンディングはありましたが、日本は法律の関係でおこなうことができませんでした。しかし2017年に金融法が変わり、資金調達をクラウド上でおこなえるようになり、その仕組みを一番最初に導入していたFUNDINNOと、積極的に使っている人たちを着目しました。

MakuakeやCAMPFIREなどこれまでの購入型クラウドファンディングでは、「こんなプロダクトが作りたい」というプロジェクトにファン(出資者)が資金を出し、目標が達成されたら金銭以外のプロダクトなどを渡すモデルでしたが、FUNDINNOは、プロダクトではなく非上場企業の株式をリターンとする投資型クラウドファンディングです。

われわれはFUNDINNOを利用する先進的ユーザーを調べることで、株式投資に対する価値観の変化の洞察に加え、既存ユーザーのロイヤリティ向上や、新規ユーザー獲得のための施策を考えることができるのではないかと考えました。

3. FUNDINNOを活用する投資家の特徴

これまでの投資と株式投資型投資の違い

まず、これまで一般的だったVCやエンジェル投資からの資金調達と、株式投資型での資金調達の違いを簡単に説明します。

株式投資型の特徴として、不特定多数からの資金調達が可能ということがあげられます。

ベンチャー企業目線からすると、これまではエンジェル投資家やVCに対して資金調達を依頼するということを人力でおこなっていたため、資金調達先も限られていましたが、一般の投資家からも調達できるようになったというメリットがあります。

また、投資家目線では、スタートアップを応援したいと考える人はこれまでもたくさんいましたが、一般の投資家は、ベンチャーに対してコンタクトできる機会もありませんでした。スタートアップやベンチャーのシード時期への投資は、自身に起業経験があったり、資金がある人しか関われないものというこれまでの常識を変えたのが投資型クラウドファンディングなのです。

これにより、ベンチャー投資に関してはセミプロともいえる多くの人たちから小口で資金を集めることが可能になりました。返ってこない可能性は高いが、一口が小口のため投資家にとってはある意味低リスク投資といえます。だからこそ多くの投資家から少額ずつを集め、数千万などの資金を集めることが可能になりました。

前提として上場企業の株を買うことと、非上場企業の株を買うことのリスクはまったく異なります。

投資型クラウドファンディングで非上場企業の株式を購入しても、その企業が上場、もしくは事業売却しなければ、株式は本当の紙切れになってしまうからです。

一方上場企業の場合、ある程度市場価値は決まっているため、それが増えるか減るかはあってもゼロになることはほぼありません。数多くのベンチャーが勃興している昨今、それを一般の投資家が見つけてきて投資するにはかなりの目利きが必要でした。

FUNDINNOでは、前提としてある程度の基準を満たした上場の可能性が高いベンチャーを集めており、かつ、事業概要、企業の魅力、上場までのストーリーが分かりやすく掲載されているため、一般の投資家でも数多あるベンチャーの中から、低リスクで未上場企業に投資することが可能になったのです。


次回はクラウドキャピタリストの 4. 今後の投資活動とエンジェル投資の民主化についてご紹介します!お楽しみに!

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