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トライブ紹介 テンションモチベーター【1/2】
私たちSEEDERは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。トライブレポートの詳細については、まずはこちらの記事をどうぞ!
トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」または「トライブ・マーケティング」と総称し、コンサルティング、支援を行っています。
今回はテンションモチベーターをご紹介します。
1. テンションモチベーターとは
COVID-19の影響によりリモートワークが広がり、通勤時間がなくなり可処分時間が増えたことで、生活にゆとりを持てる人が増えた一方で、一日の大半を自宅で過ごしていることで仕事に集中できないという悩みも増加しています。
これまでカフェ、大学、オフィスなどで、さまざまな場所(オフライン)で人とつながりながることで集中力を維持してきた人たちにとって、自宅で一日中ひとりで集中力を維持していくことの難しさは大きな課題です。
本レポートでは、自宅などでオンラインツールを用い複数人で繋がりながら作業をすることで、あえて自分にプレッシャーをかけ、集中力やモチベーション維持の工夫をしている生活者を「テンションモチベーター」と名付けてリサーチし、彼らの作業の工夫や意識、セルフマネジメントの方法について調査しました。
2. 社会背景
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在宅勤務の増加により、多くの人のモチベーションや集中力が低下していることの理由として、これまで人びとはオフィスや図書館、カフェなど、周囲に人がいる状況で相互監視をすることで互いに適度なプレッシャーをかけ合い、作業に集中できていたのではないかと分析できます。
自宅ではその緊張感を作り出せないことが昨今の集中力やモチベーションの低下につながっていると考えられます。
この問題を解決するため、既に一部の企業では、タイムマネジメントツールを活用して社員やチームの働き方を管理することを始めています。たとえば稼働時間だけでなく、チャットツールで誰と誰がコミュニケーションどの程度とっているかまで自動収集して可視化することが可能です。組織の生産性を上げることを目的としたこれらの管理システムですが、社員側からの評判はあまりよいとはいえません。
一方でリモートワークが広がり新たに注目されているのが、場所による集中力の違いです。実際にオフィスとカフェの集中力の違いについての研究では、カフェのほうが集中力の持続時間が長いことが明らかになりました。オフィスと違い、メールや電話、会議など、集中が断絶される要因が少ないことが原因と考えられています。
つまり、これまで暗黙知的に「カフェや図書館のほうが仕事がはかどる」と言われてきましたが、リモートワークが広がれば「自分の環境は自分で整えられる」という利点があるといえるでしょう。
次回はテンションモチベーターの3. セグメントとインサイト、4. 生活者行動変化仮説とビジネスチャンスについてご紹介します!お楽しみに!
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