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トライブ紹介 eスポシューマー【1/2】

私たちSEEDERは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。トライブレポートの詳細については、まずはこちらの記事をどうぞ!

トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」または「トライブ・マーケティング」と総称し、コンサルティング、支援を行っています。

今回は「eスポシューマー」をご紹介します。


近年、オンラインゲームの普及によって、人・集団同士でつながり一緒にプレイするゲーム体験が拡張し、これまで以上に集団化してきています。その変化をeスポーツをコアに楽しむユーザーのインタビューを元に調査しました。

1. ゲーム体験の変化

これまでのゲーム体験は、友人と自宅のようなオフラインの場で1対1の対戦をすることが一般的でした。しかし、eスポーツの登場により、インターネットを通じて知らない人と対戦したり、プロスポーツ選手のような形で本格的に練習して自分の身体のコンディションをととのえながらゲームをプレイする人たちが登場してきました。また、オンライン上 で単に人と対戦をするだけでなく、自身の戦略的思考を用いて、集団を組織しながらゲームを楽しむ人々まで出てくるようになりました。

こうしたゲーム体験の変化をエンターテイメントとして捉え、今後の遊び・エンタメ領域に関わる変化をどう捉えるかということを明らかにすることが本リサーチのゴールとなります。

2. そもそもeスポーツとは?

eスポーツとは、一般的には電子機器を用いておこなわれる娯楽やゲームをスポーツと捉えた際の名称です。狭義では、オンライン上で不特定多数でおこなうゲームを指す場合もります。

例えば、2017年に登場した「PUBG」は、100人が最後のひとりになるまで同じステージで戦うようなバトルロワイヤルゲームとして人気を博しています。プレイヤーはオンライン上で音声機能を使って3、4人くらいと会話しながら不特定多数と対戦したり、その3、4人も自分の知らない人とチームを組んだりするなど、eスポーツの世界では知らない人ともエンターテイメントを楽しむという状況が生まれてきています。

3. eスポーツの登場による視聴体験の変化

eスポーツを理解する上で抑えておくべき点は、視聴体験という観点です。eスポーツは自身がプレイして楽しむという人もいれば、一方でネット配信で配信されたものを見て楽しむ人も存在します。

eスポーツの配信はリアルタイムプレイなのでドラマのようにストーリーがあるわけではなく、どちらかというとNG集のような感覚で見たり、自分の技術を上げるためにプロのプレイを見て、自分のスキルに還元するという見方をしたりしています。

eスポーツはもはやお互いにプレイをし合うだけのものではなく、第三者として観戦して楽しめるという視点が増えているのも、eスポーツのエンタメとしての拡張のひとつの要素といえるでしょう。

4. 調査対象者

デスクリサーチを実施すると、ARを用いてゲームを楽しむ人だけでなく、オンライン上での遊びをオフラインにまで拡張してゲームを消費するなど、新たなゲームの楽しみ方や消費形態が生まれてきていることがわかりました。

そこで、eスポーツを起点に新しい遊び方を消費を実践している 「eスポシューマー」と呼ばれる生活者の行動および意識にみられるエンターテイメント=遊びの拡張を起点に、調査対象者を探索しました。

単純にeスポーツが好きというだけではなく、オフラインの大会に参加したり、オンラインゲームをオフラインで追体験したりするなど、オンラインに限定されない遊び方をしている人びとに着目しています。

たとえば、FPSというガンゲームをオンラインでプレイしたあと、オフラインでサバイバルゲームに移行するという風に、オンラインもオフラインもどちらもプレイするというようなスタイルです。

オンラインだけであれば気軽におこなえるので、可処分時間をどう過ごすかという方向にいきがちですが、追体験ゲーマーを調査することで、オンラインならでは楽しみ方とオフラインならではの楽しみ方という風に、リアルとオンラインの楽しみ方の質の違いを分析できるのではないかと考えました。

また、今回セグメントでも分類して調査していますが、AR、VRゲームが流行っている中で、自分の身体能力をベースとしてゲームをプレイする人たちも登場しています。

単純に2次元空間ではなく、三次元空間を用いながら自分の体全体でゲームを体験するスポーツとeスポーツの中間にあるエンタメも出始めています。

5. インタビュー対象者のセグメント

このように、一言でeスポーツといってもオンライン、オフラインという観点でみるとセグメントを分類することが可能です。今回のセグメントは、一般的なPC、またはスマホといったデバイスを用いてオンラインゲームをおこなうという行動に対しての特徴的な行動で分類しています。

追体験ゲーマー

オンラインからオフラインに場を拡張しながら楽しむ人たち。ゲームで培った技術や体験をリアルな場で実践して楽しんでいる。

パラレルゲーマー

同じカテゴリ内、たとえば銃ゲームの異なるタイトルを同時並行でプレイし、時間でタイトルを切り分けている人たち。

彼らはゲームタイトルを単純にゲーム性というルールの違いだけではなく、「このタイトルはこういうコミュニティだから自分のプレイスタイルも攻めより守りでいこう」など、自分の役割やキャラもコミュニティごとに切り替えるものと捉えている。

身体拡張ゲーマー

女性とARゲーマの中で身体能力をベースとした体験をしたいと考えている人たち。

スポーツと違い身体能力が高ければ勝てるというものではない、反射神経だったり、たとえば身長が高ければ有利なスポーツはありますが、身長が低い女性のほうが有利に働くような条件もあったりして、「身体能力の差はパラメーター」といっています。

このように身体能力の差をテクノロジーで乗り越えて楽しむという風に、条件をフラットにしてゲームを楽しむ人たち。


次回は「eスポシューマー」の、6. インタビューの中でわかったeスポーツの特徴的な楽しみ方は何か?、7. インタビューから発見したインサイトの一例についてご紹介します!お楽しみに!

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