Bar NISHIJIMA 3杯目「アパレルブランド「ezu」岩野久美子さん」
Bar NISHIJIMAとは
世界企業を目指す株式会社シードの社長である西島英弘が、ゲストを迎え、お酒を嗜みながら、あれやこれやお話しする番組です。
シードとともに世界を目指すゲストたちの真剣な面とそうでない面をぜひお楽しみください。※音声はこちらから
西島:始まりました。BarNISHIJIMA3杯目です。 この番組では、SEEDの社長である私西島が、いろんな分野の専門家をゲストにお呼びして、あまり意図を持たず、ゆるりとお話をして、基本的にはお聞きしていく番組です。では3杯目のゲストは、ezuの岩野久美子さんです。
岩野さん:こんにちは。初めまして。
西島:初めましてか? 初めましてじゃないよ。何回か会ってます。では早速ですけど、ぜひ自己紹介をお願いします。
岩野さん:私は群馬県の桐生市というところで、洋服の制作活動をしています。ブランド名はezuという名前で、今年16年目です。群馬の桐生は織物とか染色、繊維産業で栄えた町で、 1300年くらい長い歴史があるんですけど、そこの産地の技術とかを、生かしてって言うか、一緒に技術を交換し合いながら、みんなで物作りをしています。
西島:すごいですね。実は同い年なんですよね。
岩野:そうですね。不思議な縁で。
西島:「ezu」かっこいい名前だと思っています。
岩野さん:日本語の絵図、絵で描いた地図という意味ですね。洋服って人間みんな着るじゃないですか。服着てない人が現代にはいない。すごい長い歴史の中でずっと洋服って着続けられてきていて、私が服を作っている制作活動の根源にある軸になっている部分は、やっぱり人が面白い。人が面白いから服を作っているんですけど、洋服ってその人の内側の一番外側を表すものだと思っています。「思っている以上に暑いから」とか「日よけ」とか「寒いから」重ねるとかっていう部分だけじゃなくて、その人が表せるもの。その人のアイデンティティを表現できるものだと思っているんですね。そういうのが面白くて、服を作っているんです。なんて言うんだろう。言語化するのが難しいんですけど、 機能としての洋服をやっている所は、もちろんそれは素晴らしいところがたくさんあるから、世の中に。 でも、その人らしくいられるっていうことを洋服を通して表現、それぞれにね、みんなそれぞれが表現できたらいいなって思っているんで、そういう思い込めて、服を作っています。
だから、あんまり大量生産しているというよりは、すごくゆっくり。私が作っているお洋服ってすごく時間がかかるんです。あんまり現代的ではなくて、ゆっくりゆっくり出来上がっていくんです。だから、数はそんなに多くないんですけど、どこかの誰かに似合う?ぴたっとはまるような感じ?だから、ほとんど1点ものなんです。そういう作り方にも思想を込めてやっています。
西島:ありがとうございます。そういえば忘れておりましたがBarNISHIJIMAなので、今日は岩野さんに合わせたお酒を用意しております。
岩野さん:ありがとうございます。
西島:出演料もらってないので お酒で許してください。今日は、僕が大好きな麦焼酎なんですけれども、大分で作られている「特蒸泰明」、というブランドがありまして、常圧蒸留という、古来の蒸留の仕方ですね。普段だと真空蒸留といって、早く取れるんですけど、常圧といって普通の圧力で蒸留することで、とても味わい深く、香りも強く、そのものの持つ本来の力を引き出しているというのが、なんか岩野さんとシンパシーがある気がして、用意させていただきました。
岩野さん:ありがとうございます。
西島:それでは、ご用意したので飲んでいきたいと思います。
西島・岩野さん:乾杯! !
西島:それにしても美味しいですね。
岩野さん:美味しいですね。初めて飲みました。
西島:そう言って頂いたら嬉しいです。 さっきの話なんですけど、人が面白いから服を作っていらっしゃって、 人の内面の外側が服だとおっしゃっていましたが、やはりそこが一番のこだわりですかね?
岩野さん:そうですね。最初はそういう風に思って、洋服を作ろうと思い始めたわけじゃないんですけど、15、6年やっている中で、うちのお洋服買ってくださったお客さんが「この服着てるとすごく前向きになれるよ」とか、「ちょっと大きなチャレンジがあったんだけどお守り替わりに着ていきます」とか、そういう声をすごいもらうようになってお客さんとの交流の中で気づいていったという部分が多いです。そこでやっぱり洋服って面白いなって改めて思います。最初はファッションが好きで初めた。でも、服が持っている精神に働きかけるような力、エネルギーみたいなものがすごいあるなぁと感じたところから、そこがすごい制作の軸になってますね。
西島:すごい面白いと思いますし、私ごとですけれども、名取裕子さんにこの前、うちのイベントで来ていただきましたが、 御社のワンピースをプレゼントさせていただきました。 本当に喜んでくださって。
岩野さん:ありがとうございます。
西島:名取さんも比較的、女優で一本木というか、その世界でやってきた中では、 裁縫の細かい部分から、切り方まで細かくチェックした上で、 これはすごいっておっしゃっていました。
岩野さん:ありがたいです。本当に光栄です。
西島:岩野さんにお願いしてから、あれは1ヶ月くらいかかりましたか?
岩野さん:そうですね。1ヶ月くらいかかりましたね。素材を作って、染色して。
西島:やっぱり大量生産、大量消費というよりは、そのものに込めた思いとか時間みたいなものが表現されて、ああいう風に出てくるんじゃないかなとすごく感じましたね。
岩野さん:そうですね。目に見えない部分でどこにも書いたり表記したりできないけどやっぱり作られているものには含まれているなって思うので、そういう意識でもやっています。 その人が心地よく来てもらって、 いい毎日過ごせるようなものになるといいなっていつも思っているので。
西島:そういうところまでのものづくりっていうのが、やっぱり日本古来の日本人の気持ちという感じで表れていると思うので、そういう意味では本当に世界で戦っていけるというか、世界でも全然遜色ないようにできるのかなというふうには思います。 そんな世界繋がりなんですけど、お子さんが今、日本じゃなくて海外で勉強されているとお伺いしましたがどちらですか?
岩野さん:マレーシアとイギリスですね。一人は日本です。息子3人の内、長男日本、次男イギリス、三男マレーシアです。
西島:その前はフランスと聞いたんですけど?
岩野さん:そうですね、モナコですね。
西島:モナコ?
岩野さん:地中海のモナコ。それも本当に縁で、スイスの学校に。息子が中学上がるタイミングで、日本じゃないところの学校に進学したいと言い出したのが発端で。じゃあ世界のどこに住んでどこの学校に通い始めるかっていろんな国に行って探したんです。ほんとにいろんなとこ行きました。 アジアもあったし、アメリカとかヨーロッパとか。ここがいいなって、最初選んだのがイギリスだったんですけど。
西島:おぉ、イギリス。
岩野さん:入学進めていくにあたって、せっかくイギリス来るんだったら、 南フランス、モナコとかいいよって、たまたま知人が誘ってくれて、モナコに暮らすことになったんです。
西島:それが縁でモナコなんですね。
岩野さん:はいはい、せっかくだから。 いいかなと思って。
西島:ちょっと変なこと聞きますけど、フランスのモナコだと英語?
岩野さん:インターナショナルスクールなんで全部英語です。でもフランス語の授業があったりとか。
西島:いいですね。幼少期からいろんな言語とか文化に触れて育てていらっしゃって、今はイギリスとアジアのマレーシアにいるんですね。すごいなぁ。
岩野さん:どうですかね。子供の時代、私そんなに一般的な子供じゃなかったんで、 社会の中に過ごしていくのが本当に大変で、生きづらかったんです。やっぱり子供がいられる世界ってすごい狭いじゃないですか。子供たちにも、私は家庭環境上、狭い世界でずっと過ごすようになったんだけど、他にも居場所がいくつかあれば自分で選べるなって、子どもたちが生まれた頃から思ってて、それが国内もそうだけど、物理的な場所以外にも、人と作る場所だったりもあるけど、そういうのをなるべく意識して増やせるような子育てはしていたんです。 選択として。
西島:それも全て、ご縁ですよね。
岩野さん:そうですね。本当に縁で、こういう働き方の人もいる、こういう国に住んでる人もいる、同じ日本人としてもすごい色んな国で色んな活動してる人たちいるから、私の仕事のつながりで会える人には子供たちも連れ回して、色んな国に行って会うようにしてたんですよ。 色んな働き方がある、色んな暮らし方があるよっていうのは日常の中で一緒に体験してきた感じがあって、やっぱり日本の地元、うち群馬なんですけど、地方の小学校、中学校ってずっとみんな同じクラスに上がっていくみたいな。それもすごく楽しいし良いんだけど、やっぱりチャレンジして、自分もいろんな国の人とか、いろんな生き方の人たちと一緒に学業を学びたいと言い出したのが、小学校5年生の頃です。それからもいろいろあちこちに。
西島:本当に素晴らしいことです。そういう方々が増えていかないと、日本もグローバルになかなかなっていかなくて、岩野さんのおっしゃる通り狭い世界に生きていると、 世界に目を向ける機会が少ないので、本当に素晴らしい。選択肢を与えるだけでもとても素晴らしいなあという風に感じていますね。
岩野さん:狭いのが悪いわけじゃないと思ってるんですよ。ただ、自分が生きづらいなとか、ちょっと苦しいなっていう時に選べるよみたいな別にどこで暮らして、何をしても選んでいけるよ、人生って、 みたいなのってやっぱあるなって思ってるんで。それだけですね。
西島:そんなご縁ですけど、うちともですね、ご縁をいただきまして、ありがとうございます。
岩野さん:ありがとうございます。こちらこそです。
西島:シードが新しく、9月からマレーシアに、 グループの会社が一つ増えて、カルチャーリンクマレーシアという、 10割そばマレーシアで展開させていただきますが、 この11月からですね、なんとコラボレーションをしていただけるということで、ありがとうございます。
岩野さん:こちらがです。ありがとうございます。
西島:今回はユニフォームも含めてですけど、プロデュースしていただけると聞いております。
岩野さん:はい。もう完成してます。まあ、見せられる状態になってないんですけど。
西島:まだお披露目は、もう少し先にはなると思いますが、どんなイメージをされて作られたとかありますか?
岩野さん:私、西島さんに初めて会って、お会いして、この元年党のお話聞いた時に、すごい面白いチームというか、プロジェクトだなと思ったのが、結構土地もマレーシアということもあって、いろんな人種というか、国の方たちとかと一緒にこれからお店を作っていくってなった時になんかすごく多様な感性とか経験とかを持った人たちが一つの元年堂っていう中にギュッと集まって、これからもちろんスタートっていうのもあって、お店を作り上げていくみんなでポジションだったり経験とかもみんな違う人たちが一つの場を作っていくってすごい面白いなって思ったんですね。でもすごくみんなバラバラではなく、一つの目標を目指していく。 そういうのを洋服として表現できたらいいなって思ったんで、 日本の伝統工芸である藍染めを使ってまず色で一体感を出す。 でもそれぞれ皆さんが着るユニフォームは同じデザインなんだけど少しカラーグレードのように 藍の色に濃淡をつけてみんなそれぞれ違うカラーになるので、何て言うんですかね?これ絵で見せた方が早いですけど、それも用意できなかった。グラデーションが違う、その人それぞれの色温度が違うというか、
持ってる温度の違いはあれど、みんな一つの生命体だよみたいな表現で作りました。
西島:今聞いてるだけでワクワクです。ちょっと鳥肌たってるくらいです。
岩野さん:きれいな、いい感じで出来ました。空間が作れたらいいなって思ったんですよ。
西島:先ほど言ってたように、人の持ってるものの外側がまさに服だとおっしゃってたので、マレーシアも本当に人種がたくさんいらっしゃるので、 そういった中を見事に表現してくださっているのかなと思いますし、 まさにカルチャーリンクマレーシアは野口社長という日本人の社長を御旗にしながら、まさに現地の方と一丸となっている現場なので、本当になんかそれが、僕写真で見たかったな。まあそれは11月のお楽しみにさせていただきながら、 ぜひそれはうちのホームページに出していきたいなと思います。本当に楽しみにしております。
岩野さん:はい、私もです。
西島:あと、今後の活動について少しお伺いしたいんですけど、 ユニークなお店の展開をされているんですよね?
岩野さん:そうですね。なんか店舗って言うと結構毎日空いてたりとか、営業時間も長く8時から20時までみたいな、お洋服だったら特にね、多いんですけど、そもそもシーズンだけ、春、夏、秋、冬だけ開ける営業スタイルで店舗をやっています。
西島:30日あったら30日空いていなくて。 土日休みの店とかもありますけど、そうじゃなくて、 一週間だけとか。
岩野さん:春になったら開ける、夏になったら開ける。
西島:それはそれであれですね。その時期の良いもの、表現できるものをその時期に合わせてということですね。
岩野さん:そうですね。どうしても制作に費やす時間が長いので、そっちに重点を置きたいですね。
西島: 物自体も一点ものだし、時間をかけてということで。 ぜひ、岩野さんのお店に行きたい方は、インスタグラムじゃないと、なかなかやってる時間がわからないと思いますので、 ぜひぜひみなさん、ezuで検索して、エズだと出てこないで、イーゼットユー。 ezuですね。 で、検索していただいて、ホームページ見てやっている時間に、ぜひ、ものもそうなんですけど、群馬の桐生という場所も楽しみながら、ぜひ一度行っていただけたら嬉しいです。
岩野さん:コンパクトな文化が受け継がれている、いい街なのでぜひ。
西島:たまたま私の大学の同級生も、桐生にいて、岩野さんと同級生ということがわかったので。
岩野さん:すごいご縁ですよね。たまたま共通の友達がね。
西島:ちょっと桐生に行かないといけないですね。 すみません、話は色々尽きないんですけれども、このまま2件目にに行って、ゆっくりと話したいと思います。番組はここまでということで岩野さん長々とありがとうございました。
西島・岩野さん:明日に乾杯!!
本日のゲスト岩野久美子さん
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※本内容は、ポッドキャストの音声内容を編集しております。
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