四国八十八ケ所 約1200km通し歩き ⑤ロシア人と二人歩き8時間。4日目。
初めての遍路転がしを乗り越え、体力的にヘトヘトの状態で、本日、多分30km以上歩かなきゃいけなそうなので、朝7時すぎ、早めに宿を出る。
歩き始めると、朝もやの中から、大変体格の良い、大きなリュックを背負った男性が、こちらをじっと見ている。
誰!?誰なの?どうみても外人。しかもでかい。私、英語シャベレマセーン!いや、一応中高でやっているので、少しくらい話せるはずだがっ!
意を決して相手の目をじっと見てみる。
「エクスキューズミー!」と言われる。(ここから会話は、つたない英語になりますが、日本語でご紹介します。)
「あなた、大日寺まで、どうやって行くかわかりますか?私、wifiが無くて、地図も情報も見られず困っています。」
何?大日寺?調べると、13番札所ではないか!?
辺りに人気の無い早朝。困っている外国人が行きたい場所は、私が次に行く場所で、ここから約20km先であった。
外人と二人で約5時間歩くんかいっ!?どうする?どうする?英語きついなあー。
と悩むが、仕方がない、覚悟を決める。
「私もこれから行くので、一緒に行きますか?」と、初めての知らない外人との二人旅が始まる。
彼は、日本好きなロシア人。何度か日本に来た事もあるそう。身長195cm?でかい。(ちなみに私は155cm)
今回の彼の旅は、東京(ネットカフェ泊)、京都(野宿)、四国(野宿)と廻って来たそうで、明日東京に戻るそうな。つまりお遍路では無い。でも、は?京都で野宿?
いろいろ聞いてみると、古いビルで1階から入れる所があれば、最上階に行ってみて、人がいなければ、そこで寝るのだそうだ。
先日行って寝たビルの動画も見せてもらう。
わー、真っ暗なビル内で、蠢くライト。犯罪感満載の画像。でも誰にも迷惑はかけていない、のか?こういう都会の野宿スタイルって、やっている人は、どれくらいいるのかとビックリする。でも不法侵入だよねえ?
「昨日は、廃校で寝た。鍵がかかっていなくて入れたら、そこで寝ても良いってガイドブックにも書いてあるよ!」と明るい顔で言う。
そうなの?ホントなの?知らない世界が広がる。(ウソかも…)
「僕は、ミュージシャンなんだ!でも食べていけなくて、修理工もしている」
「どんな音楽が好きなの?」
「僕は、ファンクが一番好き!」
「えーっ!私も、ファンク大好き。ジョージクリントン&ピーファンクオールスターズ!」と思わず叫ぶと、
「僕も、ジョージクリントン大好き!」と意気投合。
「私、ジョージクリントンが好きな人に、初めて会った!」
「僕もだ!」
いやー、初めて会った推し仲間は、ロシア人であった。
着いた大日寺の手水場で、彼は、きちんと手を洗い、口を漱ぎ…。そして…。
バシャバシャと顔を洗い始める。
ち、ちょっと、ちょっと!それダメと!と言っても、ケラケラ笑ってるのは、わざとふざけているのか?わからんが。
これ、こういう感じ、バックパッカーって、相当面白いんじゃないの?と、新たなる野望が芽生えた時だった。
そして、帰ったら英語を勉強するぞ、と心に誓ったのでした。(そしてお遍路から戻ってきた今、毎日英語の勉強してます!でも全然話せない…泣)