“腰痛の原因は不明”と言われて・・・
整形外科医に「本当に申し訳ないのですが、この腰の痛みは、原因不明です」と言われた。
(は?原因不明?あなた言いましたよね?)
「ああこれは肋骨骨折です。ここです。」
そして一か月後、「ああ綺麗に骨が付きました。もう今まで通りの生活をしてもいいですよ。」
喜び勇んでライブに行って踊ったら、とたんに同じ場所(背中の右側の背筋部分)が痛み出し、そっと座席に座り込む。
「先生!また同じところが痛くなりました。。。」
整形外科に再度駆け込み、レントゲン撮って、「わかんないなあ、わかんないなあ」と言われつつ、右に左に上に下に体を曲げさせられて、あちこち押されて、言われた言葉は、
「もしかして癌ですか?シコリとかありませんか?」
(は?癌なんですか、私?シコリって?)
思わず両胸を鷲づかみにして確認してみるが、わからず。
「癌検診を受けた方がいいですかね?」と尋ねて言われたのが、
「大変申し訳ないけど、原因不明です。様子を見てください」という謝罪?なのこれ?
何を謝られているのかわからず、湿布を処方してもらって帰宅する。
夜、湿布を貼って寝て、朝目が覚めたら、湿布した場所に湿疹が出来ていて大変痒い。
(ちょっと待て?私は、これからどうしたらいいんだっけ?)
腰痛の原因は不明で、癌かもしれなくて、湿布は大変痒い。そして様子を見ろと言われたが、腰は痛いままで湿布も貼れん。
実は、私の人生の大きな目標は、「歩いて日本一周」で、そのために会社を辞めて、いろんな場所をてくてく歩いていて、もっと歩くために体力作りをしようと、スポーツクラブに入会した直後、はりきってボクササイズで右ストレートパンチを叩き込んだ瞬間、背中にピシッと痛みが走った時。これやばいんじゃないの、という予感がしたんだった。
(いやいや、ネガティブになるな!このピンチをチャンスに変えるんだあっ!)って、思い込もうと努力してみる。
さらに、平常心を保つため、いつも通り、グイグイと酒を飲んでみると、大変おいしいが、腰の痛みがシクシクと増すことが判明する。
さて、どうする?(家康?)
スポーツが駄目なら、音楽したらどうか?
体育会系が駄目なら、文科系だ!と、なんとなくゴスペルを歌う無料体験に申し込んでみる。
もともとR&Bが好きで、ゴスペルも聴いていたので、これから腰が痛くても、楽しく歌ってゆく人生に夢を膨らませる。
胸をときめかせながらスタジオへ行くと、
「さあ皆さん!ストレッチ!」との事。
(え?音楽じゃないの?ストレッチ?)
そして、発声練習が始まる。
私は今までカラオケ苦手だし、合唱団に入った事もなく、音楽は聴くばかりだったので、大きな声を出したこと無かったのだが、大きな声を出すためには、大きく空気を吸い込まなくちゃいけないんじゃないかと思い至り、すううううーっと息を吸い込んで、腹の底から発声したところ…。
腰が痛い。ナニコレ?腰が痛いんですけど。
音楽って文科系じゃないの?体育会系だったんですか?
大きな声で歌うのって腰に悪い事が判明し、やむなくゴスペルは、腰が治るまで断念する事とした。
腰痛のピンチをチャンスに変える方法、方法、方法、と考えるが、(そんなものは無い)という悪魔のササヤキが聞こえてきて、頭をブルブルと振って、悪霊退散じゃ!
もう本を読むしかない。私は会社を退職して無職だし、図書館に行くしかない!
一生懸命わくわくしながら行ってみた。
いやはや、図書館は素晴らしいです。
でも、でも、本を読むと、目が。目がシバシバするんです。
そして座って本を読んでいると、腰が。腰がシクシクするんです。
わからない。わからなくなってしまいました。私の人生、腰が痛い人生、何をしたらいいんでしょう?
まさに人生は航路図の無い旅。(って誰か言ってたんだっけ?知らんけど。)
“腰痛に、なって思い知る、酒のうまさよ”
(詠み人知らず。)
いやあ、お酒、腰が痛んでも、美味しいんです。
これからも腰痛と共存するぞっと、しぶしぶ納得すべく、今日も酒を飲んで寝ます。おやすみなさい。