顧客の根本的な課題に向き合い、新しい価値を生み出す。ビジョン実現に向けたトラストコンサルティング部の挑戦
SecureNaviメンバーのキャリアや思いを伝える「Stories」。今回はトラストコンサルティング部 部長の川畑秀和さんにインタビューを行いました。
「スタートアップのスピード感の中で、顧客の課題に深く向き合って価値提供をしたい。」そんな思いでSecureNaviに入社し、現在は新設されたトラストコンサルティング部で会社としても新しい取り組みに挑戦している川畑さん。
本記事では、川畑さんのこれまでのキャリアやSecureNaviでの取り組み、今後の挑戦について伺いました。
川畑さんプロフィール
新卒でトランス・コスモス株式会社に入社。BPOサービス部門マネージャーとしてコールセンターや事務センターなど多数の地方拠点立ち上げを担う。
凸版印刷株式会社にてBPO案件のPM/PMO、事業計画立案、ベンチャー出資の事業シナジー設計/PMIなどを経験。その後AI inside株式会社 カスタマーサクセス/バックオフィスユニット長（VP）を経て2022年9月にSecureNavi株式会社 カスタマーサクセス部に参画。現在は新規事業本部 本部長 兼トラストコンサルティング部の部長としてSecureNaviの新しい価値提供に挑戦中。
評価基準は「顧客満足度」。今の価値観のベースを築いた新卒時代
ーこれまで大企業からスタートアップと様々な企業で働かれてきた川畑さんですが、今の川畑さんの価値観に影響を与えた経験はどんなものだったでしょうか？
川畑）社会人としての人格が形成されたのは1社目の影響が大きいと思います。私の新卒で入社した会社は、社長から現場まであらゆる会話で「顧客満足」が出てくるような環境でした。強面の上司からよく叱責をもらいましたが、内容はいつも「顧客満足を実現できているか」でしたね。
経営理念である「お客様の満足の大きさが我々の存在価値の大きさであり、ひとりひとりの成長がその大きさと未来を創る」を毎日唱和していましたし、実際多くの社員にこの考えが根付いていました。
顧客満足度を追求するというのは理想として語られていても実態が軽視されているという場合も多いと思いますが、それをビジネスにおいて本気で実現することにこだわっていました。仕事は非常にハードでしたが良い経験ができたと思います。
ー当時は具体的にどんな業務をされていたんでしょうか。
川畑）当時携わっていたBPOサービスは経理や労務などのバックオフィス領域を一部自動化・仕組み化しながら、できない部分は人手で巻き取るといったものでした。
一見、社内業務の巻き取り程度で簡単な仕事でしょ？と思われてしまうこともあるのですが、会社によって仕組みやルールが全然違ったり明文化されていないこともあったりして、提供するサービスの品質を安定させるのが非常に難しい案件でした。
私の失敗談になりますが、顧客の業務をしっかり深掘りすることができず、提供品質にご満足いただけなかったことで解約になってしまったことがあります。顧客からお金をいただいて価値を提供するというためには、必ず顧客のことを知り尽くし、期待以上の品質を提供しなければなりません。
先輩のマネージャーからも「顧客のことを深掘りできてなかったなら、失敗するなんて当たり前」とストレートに指摘をもらいました。この向き合い方ではお客様に満足いただけるような価値提供をすることはできないと反省しましたね。
また、会社のBPOセンターを地方集約型にする動きがあり、私も複数の地方拠点の立ち上げに携わることができました。同時並行で複数の拠点を立ち上げる難しさもさることながら、東京から各拠点のマネジメントを行う難しさもありました。
今でこそSlackやZoomなどで連携を密に取る手段はありますが、当時は主な連絡手段はメールと電話しかなかったので、コミュニケーションの難易度は非常に高かったです。そんな中でどうやって現場のメンバーと連携して、拠点立ち上げを完遂させるかを試行錯誤していました。
かつて「マネージャーはクイックに返信して決裁をすることが仕事だ」と思っていましたが、離れた場所で働くメンバーとのコミュニケーションを取る場合はそれだけではうまくいかなくて。ちょうどSecureNaviのバリューにもある「小さな約束を守り続ける」ということが重要だということを経験しました。
そこでは緊張感のあるプロジェクトを遂行していたこともあり、1つでも約束を守れないと仲間同士の信頼が一瞬で崩れてしまうような状況でした。ボールを預かった時にはその背景をきちんと理解し、こちらも背景から説明し、必ず最後までやり切ることの重要さを身に染みて理解しました。その結果、メンバーとの関係性を構築し、複数の拠点立ち上げも完遂することができました。
この2つの経験で学んだことは今でも重要さを痛感し、折に触れて省みることは多いですが、確実に今の働き方や価値観につながった貴重な経験だったと思います。
ベンチャー企業のスピード感に衝撃を受け、転職を決める
ー10年勤めた会社を退職し、その後2社での経験を経てSecureNaviに入社されたそうですね。SecureNaviに入社するまでの経緯を教えてください。
川畑）2社目の凸版印刷は前職と比較して、会社規模は7倍ほどの大企業。社会に大きなインパクトを与えられる仕事に関わることができ、非常にやりがいを感じました。例えば売上50億円のプロジェクトのマネジメント、500億の事業の3ヵ年計画立案、数億円規模のベンチャー出資など、どれも非常に大規模で非常にエキサイティングな経験ができました。一方、会社規模に比例して社内調整が増えた分、少しもどかしさも感じていました。
そんな大企業の中で、私はベンチャー企業への出資を通じて事業推進に携わることになり、ベンチャー企業の方々と一緒に飲みにいく機会がありました。その飲みの席で、たまたま大企業で働いているらしき会社員の方の会話が聞こえてきました。「今月は大変だったよ。まる1ヶ月、部長決裁で時間使っちゃったよ。ようやく来月からプロジェクトを動かせるな。」
その会話を聞いていたベンチャー企業の方がポロっと「その1ヶ月は何も生み出せなかった時間なんだけどね。」と呟いたんです。
もちろん大企業でなければできないことはたくさんあると理解してます。大きなプロジェクトを動かす分、決裁が非常に重くなるのは当然です。
ただ、私は「今、自分は誰かの役に立っているのか。それは顧客満足に繋がっているのか」と自問自答するようになりました。その時から、スピード感を持って誰かに貢献できる環境で働いてみたいと思うようになりました。そう思うと自然とベンチャー企業への転職にモチベーションが向きました。
3社目はAI insideというベンチャー企業に入社しました。AIのSaaSということもあり、「世界を変える可能性」を体感しながら仕事ができたのは良い経験でした。当時は大企業がAIの導入を決め始めたタイミングでした。AIは学習データに対する情報セキュリティにセンシティブだったこともあり、ハイタッチのCSとしてSaaSだけでなくオンプレ製品を納品し、運用を定着するまでの支援をしていました。また、AIエンジニアの方と協力し、顧客のニーズに合わせたAIモデルの作成をしていました。
その後、製品知識や顧客理解度を活かしてPdMに従事しました。さらにIPO前後のJ-SOX対応があり、販売プロセスやIT統制の整備と運用も行いました。
約3年で一通りの経験ができたと感じたことと、事業の性質上お客様の課題に深く入り込むことの難しさを感じたこともあり、もっと顧客満足につながる仕事をしたいという思いから、SecureNaviへ転職しました。
入社前にSecureNaviのことは結構調べました。実際にプロダクトも見たかったことと、ちょうど在籍していた会社でも需要があったため商談を依頼したところ、当時営業を担当されていた青木さんが製品紹介をしてくださいました。「顧客がやりたいことを理解して、即時的確な回答を返してくれる優秀な方だな」と感動したことを今でも覚えています。そしてプロダクトを見た時に「これは、顧客を知っている人がプロダクト開発をしているな」とピンときました。採用面接を通じて、より「顧客の課題に深く入りこむことができる仕事だ！」と感じることができ、ぜひ入社させていただきたいと意志を固めました。
実際に入社してみて、日々スタートアップらしいスピード感を感じていますし、顧客の課題と向き合う仕事ができていることにやりがいを感じています。
入社後2年で、約4倍も組織拡大したCS部
ー川畑さんが入社されて、今年9月までCS部の部長を担当されてきました。
川畑さんご自身のお考えだと、CS部の組織作りは想像通りに行ったのか、そうでなかったのかだと、どちらでしょうか？
川畑）楽観的すぎると思われるかもしれませんが、CS部は順調に成長した組織だと思っています。私が入社した当時、CSメンバーは業務委託を含めCSが5名。現在は4倍の20人ほどに増員しています。ジョインした方は順調にCS業務に従事されています。
弊社のCS業務の特徴を少し説明すると、正直SaaS業界平均から比べて習得難易度は高いと思います。顧客インタビューをした際に、お客様から「専門的な知識を持っている情報情報セキュリティ会社のコンサルタントが、なぜかSaaSのCSもしているレベル」とおっしゃっていただいたこともあります。
支援内容も、ISMS、Pマーク、クラウドセキュリティ認証と認証範囲を拡大したり、何年もISMSを運用されている情報セキュリティに詳しい顧客の支援を実施したりなど、幅と深さをどんどん広げています。私が入社してからの2年で、CSのノウハウはかなり進化したと思います。
その反面、私のマネジメントが至らず、組織拡大の際にかなり社内の方から支援をいただくこともありました。自分の落ち度を棚上げするつもりは一切ないですし、もっとやれることはあったと本当に反省をしていますが、ジョインされる方々の努力に支えられる形で進化を続けることができたと思います。
また、今年10月トラストコンサルティング部設立のタイミングで、CS部の部長には小田さんが後任として就任されました。小田さんはCSとしての実力は非常に高く、かつ私より組織作りが上手いです。小田さんが就任したタイミングから、CS内のナレッジ共有が明確に活発になりました。
また、小田さんはMTGにて「判断に迷ったらSecureNaviのVISIONに立ち返り、”顧客の悲報をなくせるか” を考えて判断してる」とおっしゃってました。それを聞いて、今後も顧客のために進化できる組織だと確信しました。
弊社はいわゆるパラシュート人事は実施していません。そのため部内のメンバーがしっかりと成長し、自分以上のマネージャーとなってくれたことは弊社として非常に価値のある組織変遷だったと思っています。そのため、「CS部の組織作りは想像通りに行ったか」という質問については、本当は想像以上だったと答えたいくらいです。CSの進化を支えてくれた方々には本当に感謝しています。
これからのミッションは、「悲報をなくす」に向けた新しい価値提供
ー昨年10月に、トラストコンサルティング部が新設された背景を教えてください。
川畑）SecureNaviというプロダクトは、現状はISMS、Pマークの認証取得・管理の効率化ツールですが、お客様の中にはSecureNaviを利用して「本質的に自社の情報セキュリティを強化したい」という思いで導入いただいている方が多くいらっしゃいます。
「認証取得をゴールにしない。そこからスタートする」という視点で、企業ごとのリスクを適切に特定し、情報セキュリティを高めるために伴走し続けることが、CS部とトラストコンサルティング部の共通の役割です。
一方、リスクを特定するための一般的な方程式は存在せず、企業の規模や業務形態によって「何がリスクであるか」は全く異なります。
顧客のフェーズやニーズに合わせて根本的な課題解決を行うために、CS部（ハイタッチ/テックタッチ）・トラストコンサルティング部で役割を分ける方針としました。
ーCS部とトラストコンサルティング部の役割の違いについて教えてください。
川畑）私たちのお客様を分けると、大きく2つに分けられます。
①情報セキュリティの構築をこれから開始される会社様
②構築済みの情報セキュリティの強化・高度化を推進したい会社様
SecureNaviのプロダクトは、前者に提供するサービスとしてマーケットフィットしています。こちらはこれからもどんどん成長していくでしょう。
そんなSecureNaviを活用しながら、企業の情報セキュリティを向上させるミッションを担うのがCS部の役割です。
一方、後者の情報セキュリティを強化・高度化を推進したい会社様の（主にエンタープライズ）に価値提供するのがトラストコンサルティング部の役割です。
企業内の深い課題を解決するには、SecureNaviやFit&Gapなどのプロダクトだけでは解決することが難しい場合があります。
そこでトラストコンサルティング部は、SecureNaviのプロダクトにこだわらない、より本格的に情報セキュリティを強化していく会社様に向けた価値提供を行っていきます。
ー具体的に、トラストコンサルティング部はどのような活動をしていくのでしょうか？
川畑）情報セキュリティレベルの向上を図るためには、リスクをいかに早く、多く発見して、未然にインシデントを防ぐアクションを取ることが重要です。同じ情報をSecureNaviに登録しても、リスク感度の有無によってその後の取り組みが大きく変わります。どの情報価値をどのように守るかを、お客様の事業や業務に合わせた形で提案をすること、つまり顧客に深く寄り添ったコンサルティングをすることが非常に重要になります。
トラストコンサルティング部はこのようにプロダクトの範疇を超え、本質的なサポートをすることで価値提供し、さらにそのノウハウを会社に環流することで会社全体の成長に繋げることを目指しています。
既に組織として情報セキュリティに対して一定の定義及び意識付けを実施されているお客様に対し、SecureNaviだからこそ提供できるノウハウや気づきを得ていただけるような体験を創出していくことが私たちの役割です。
ー最後に、SecureNaviで挑戦していきたいことを教えてください。
川畑）SecureNaviという会社全体の価値を上げること。これに尽きると思います。顧客の情報セキュリティ課題を引き出し、適切に取り組むべきことを明文化していく。会社が成長していくためにはコストをかけてでも情報セキュリティに向き合わなければいけないのだということが当たり前の風潮になっていけば、この市場はより拡大していけると思います。その先導を我々が担いたいんです。
弊社は様々な事業を通して「悲報をなくす」というビジョンの実現を目指しています。その中でトラストコンサルティング部は、SecureNaviの新しい価値を作り、会社全体の価値を上げていくことに挑戦していきます。
私個人としてもこれから様々な状況や課題のお客様と向き合いますので、今まで以上に広い知識と経験が必要になります。私もお客様に全力で価値提供をしながら、経験を積み重ねていきたいです。
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