21歳から始める推しコンテンツの話[音楽編] 平沢進 後篇

前回の続き

前回の記事から少し引用しよう。

 私が平沢進氏の曲で好きなポイントが3つある。以下にまとめよう。
・声の加工の技術、楽器としてのボーカル
・誰もがやりそうでやらない曲の作り方
・歌詞の作成の意図

さてこの3つのポイントを少しずつ語っていきたい。


声の加工の技術、楽器としてのボーカル


 まずはこのポイント平沢進氏の曲にはボーカルを楽器として使う特徴を持つ曲が多い。有名所の曲でいうと、「パレード」や「白虎野の娘」、「MOTHER」などが代表的ではないだろうか。 
ボーカルを加工して楽器として使う文化は比較的珍しくはないが、日本の曲ではあまり多くはない。よく使われるジャンルというのはいわゆるEDMと言われるダンスミュージックシーンのことで、このシーンを牽引しているヨーロッパやアメリカなどで使用されるケースが多い。(もしくは私が知らないだけ。)

EDMでは特に顕著な特徴として、サビの部分でメインメロディーとして使われることもある。ところが、平沢進氏の場合はイントロなどで使うことが多く、サビではほぼ使用しない。サビでは、コーラスを重きにおいてるパターンが多い。

 ボーカルはDAW上で編集しているのだが、そもそもボーカルは人間の生声ではない。YAMAHAが開発した人工音声生成システムであるVOCALOIDを使用しているらしい。私がネットで拾った情報なので確かではないが、VOCALOIDをの初期の商品、「LOLA」や「MEIKO」を使っているという情報を拾った。特に、LOLAは本当に初期の商品だ。それを現役で使っている師匠には本当に脱帽する。
ここからは憶測でしかないのだが、LOLAなどで原型の音を作り、ボーカル加工プラグインである「Melodyne」や「AutoTune」などで加工しているのではないか、と思う。その前後でDAW上でリズムを決めて完成というわけだ。

 さて、平沢進氏のボーカルの加工の仕方などは目を引くものがあるが、それ以外にもコーラスの作り方にも注目できる。
人間とは、音圧や多重に別れたコーラスに無意識に感動するものである。キリスト教の聖歌やゴスペルなどがわかりやすいのではないか。
それを一人でやってしまうあたり頭がおかしいのではないかと思う。


誰もがやりそうでやらない曲の作り方


 ボーカルの話が終わったところで次の話に進もう。誰もがやりそうでやらない曲の作り方についてだ。

私達が日常的に聴いている曲というのはほとんどが同じ曲の構成で作られている。というかルールみたいなものがある。
Intro→Aメロ→Bメロ→Cメロ→(インターバル)→Aメロ....
といった感じになっている場合が多い。Cメロが殆どの場合サビだということを覚えてほしい。

そして平沢進氏の曲の作り方を少し紹介しよう。
AURORA3

Intro→Aメロ→Bメロ→Aメロ→Bメロ→Cメロ→インターバル→Bメロ→Aメロ
みたいな感じだ。繰り返す頻度高いし、大体一つのメロは8か16で作られているところも少し違う。インターも2とか4とかあるし。
といった感じで曲の作り方がルールなぞ気にしないといった感じのものになっている。誰もがやれるものだがやらないことをするのが平沢進氏だ。

私も少し耳コピで平沢進氏の曲をオケ版を作ったが、曲自体はほとんど繰り返しであることをお知らせする。
その時作ったのは庭師キングと言う曲だ。著作権の関係もあるのでニコニ・コモンズにある。詳しくはコチラ

 もともと平沢進氏はアンチギターのギタリストである。だからギターの使い方も少し変わっている。というかロックではそんな使い方観ないよ。。。って感じの使い方をする。そういうのはライブ動画見てください。


歌詞の作成の意図


 はい。来ました!一番謎。まじでわからん。何この歌詞。って思う方が多いと思われる。
私が最初に世界タービンをネットで観た時の再現をしよう。

世界タービン「ああ、大丈夫よ。タービンが回るわ。」
僕「は?」
訓練された馬の骨「タービンが回ってるなら大丈夫だな!」
僕「は?」


 平沢進氏が一番最初にテレビに出演した映像をご存知だろうか?そしてその時に演奏した曲は?
答えは「美術館であった人だろ」である。もちろん最初見た時は「は?」と私も思った。つまるところ、どの年代においても誰が聴こうとも最初は「は?」から入るのである。

平沢進氏の曲の歌詞は歳を重ねるにつれて歌詞が難しくなっていく。
しかしなぜファンはそれでも曲を聴くのだろうか?
これは私の感想、私が平沢進氏の曲を聴き続ける理由である。

まず、曲の雰囲気に圧倒されて初見では意味がわからない歌詞を聴いたらそりゃ心の中の厨二病が再発するからでしょ。オーケストラのかっこいい曲なんてそりゃ厨二病再発して表に出てくるでしょ。そんなもんよ。

歌詞の考察班の方もいらっしゃるのでここでは多くを語るのをやめておこう。考察班の方々、あとは頼みましたぜ。


ライブの話


 そんな平沢進氏だが、ライブ活動にも特徴的なものが多い。例えばインタラクティブライブ。観客の選択によって曲が変わり、エンディング分岐があるといったライブだ。実際にどういうものなのかは自分で観ていただきたい。私がここで語るのは少し違うだろう。自分の目で見て欲しい。

次にライブで使用する楽器について。
 
平沢進氏は様々な楽器?をライブで使用している。特に有名なものをピックアップしていこう。

 まずはレーザーハープだ。去年のFUJI ROCK 2019でも使用されて印象に残った方が多いと思われる。もともと2000年代のライブから使用している楽器?で原理はこうだ。
レーザーを遮るとPCに情報が行き、予め設定した音が順番に出るというシステムだ。
ちなみに、平沢進氏はDELLのパソコンを使うことが多く、DELLのゲーミングPCであるALIENWAREも使用することもあった。
このレーザーハープはもともと海外で流行っていたものだが、日本で使っているアーティストは少なく、レーザーハープの装置も独自に作られたものである。なお、平沢進氏はツイッターでパフォーマンスも兼ねてるので音が出る箇所と出ない箇所があるとも言及していた。

 次にテスラコイルだ。はい、ここ「は?」ポイントです。私も最初に観た時はそう思いました。しかし、めちゃくちゃいい。いい音する。パフォーマンスの一つだとしても最高に映える。なあにこれ。
テスラコイルとはみなさんが知っている限りだと理科の実験や科学博物館でよく観られるものだと思う。それを楽器に応用したのだ。電圧などを変更して音に変換。コレ自体はスピーカーの原理とほぼ変わらない。ただ、スケールが違うのだ。なぜテスラコイルを楽器にするという考えが生まれるか。これがわからない。もうおかしいよ...。

以上がよく目立つものだが、これ意外にもサンダーと呼ばれる工具を使ってライブに取り込んだりLouch PADを使ってテスラコイルやソフトシンセを使ったりと、なんでもやる。詳しくはライブをチェックだ!

 こんなとんでも楽器を使う以外にも平沢進氏はCDよりライブの方が歌がうまいなどと言われている。私も最初はAutoTuneなどでボーカルを補正しているのではないか?と思ったがそんなことはない。というかAutoTuneではどうにもならない歌い方をしているので普通に歌がうまい。そりゃ何度もライブに足を運ぶ人が多いわけだ。


終わりに


 こんなところで平沢進氏の話は終わろう。けいおん!のモデルになったバンドのフロントマンであったり、itunesより先にMP3拡張子でネットで音楽を売ったりといろいろと目を引く人物ではあるがこの方の音楽は合う合わないが必ずある音楽だ。私は無理に勧めないし、ただ紹介したのみだ。
あとは閲覧してくださったユーザーの手に委ねる。


ごっ!

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