フリルのエプロンつけてる男前な市場のおばさん
ー バルセロナ きらきら太陽の真下のカフェで ー
◇このエッセイは二十年ほど前のバルセロナのお話しです◇
最初はあっちこっちと場所を決めずに買っていたが、
市場に通いなれてくると
だいたいモノが良さそうなお店がわかってくるのと同時に、
お店で働く人たちの性格が
ちょっとだけ見えてくる。
市場で食べるものを買うのはもちろんだが、
売っている人を見るのはもっとおもしろい。
そこは大きな劇場のようで、
お芝居でも見ているように感じることがよくある。
「あの角の果物屋のおばさん
見かけなかったけど、
風でもひいたのかな?」
などとよけいな心配までしてしまうほど、
いつの間にか市場の人たちが、
自分の日々の生活で欠かせない登場人物になっているのだ。
ここ10年くらい(私が知っている限りでは)
変わらぬヘアスタイルをつらぬいている
魔女のような八百屋のおばあちゃんも
いまだにご健在。
白いフリルのたくさんついたかわいいエプロンをつけながら
「トン、トン、トーン!」と
リズミカルに包丁をたたき落とし、
マグロを切っている魚屋のおばさんの姿は、
ほんとうに男前でかっこいい。
ここからは二十数年前からヒューッと時間をもどし、現在のことをかきます。
住んでいる町では、毎週土曜日に朝の市場が開かれる。
野菜やくだものが売っているお店だけでも
ずらりと10店舗以上はあるので
最初はあっちこっちで様子を見ながら
買っていたが
次第に、このお店の店主は優しい口調で
いい感じとか
ここでは品物を丁寧に扱っているとか
ここはオーガニック専門店とか
ジョークのうまい店員さんがいるお店や
いつも笑顔が素敵なおじさんのお店
などさまざまで
人と人が顔を合わせながら、
元気?とか
今これがおいしいよ〜とか
または、これどうやって食べるの?と聞くと
後ろにお客さんがズラリと並んでいようとも
丁寧に食べ方を教えてくれたりもする。
こうやってコミュニケーションをとりながら
買い物をすることは、中々楽しいものだ。
スーパーマーケットへ行って
無言でモノを選んで無言で支払って帰るより
声を出した方がストレスも出ていくような気がする。
こんにちはと言えば、
こんにちはと返ってくるっていいじゃない。
市場はにぎやかだから好き。
人がワイワイとしている様子って
案外、
エネルギーをもらっているような気がする。
そう思うのだ。
バルセロナに行ってみたいなぁ。
おいしいものが食べたい!
ガウディの建築物を見てみたい!
バルセロナの雑貨ってどんな感じなのかな?
そんな情報がたくさん載っているガイドブック
旅のヒントBOOK『心おどるバルセロナへ』が
イカロス出版より発売されていますので、
ぜひ手にとってみてほしいです。
装丁もページデザインも素敵で
写真も満載。
旅に行ったような感覚になれる本です。
どうぞよろしく。
それではこの辺で。 良い一日を ボンディア!