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待つことを苦だと思わないバルセロナの人々

ー バルセロナ きらきら太陽の真下のカフェで ー

◇このエッセイは二十年ほど前のバルセロナのお話しです◇

映画館の前で行列ができているのをよく見かける。
そんな日は、まず水曜日だと思った方がよい。
すべての映画館というわけではないが、
普段より安く映画を見ることができるのだ。
行列をつくってまで
並んで何かを鑑賞したり、
食事をするなんて
日本人だけかと思っていたけれど、
バルセロナの人たちも
わりと並ぶことをあまり苦だと思わないようだ。

並ぶといえば、
美術学校へ通っていた時、
版画にするための絵を
コピー機で複写しなくてはならなくて、
学校のすぐ近くにある
文房具店でコピーをしてもらうために並んでいた。
もう少しで私の番がやってくると思っていたら
電話のベルが鳴り
コピー機担当の若い女性が電話に出たのだ。
ものすごく楽しげに会話をしている相手は
どうやら友だちらしい。
困ったことに、
私の後ろには5、6人のお客さんが並んでいるというのに
気にもせず、友達との会話はいつまでも続いている。
おそらく5分以上は長電話をしていたと思う。
でも、電話をしている女性を責めたり、
文句を言う人はいないのだ。
ただし、数人はちょっとイラッとして
でもしょうがないか。と言う気持ちで
みな黙って並んでいるところが
妙に人間らしく、
そして不思議とかわいく感じてしまうのだ。

この街では、労働期間中でも
自分のプライベートな時間だと思っている人がたまにいる。

日本ならこんなことはあり得ないけれど
逆に、このくらいのことをやってくれるような人が
日本にもいれば柔軟性が出てくるような気がする。

ここからは二十数年前からヒューッと時間をもどし、現在のことをかきます。

冒頭で、水曜日には映画館の割引があったが
現在では、映画館も数少なくなり
もちろん今でも水曜日に割引をしているところもあるが
めっきり少なくなったし
映画館の前の行列を見なくなった。

今では行列といえば
バルセロナでも流行りのラーメン店の行列は
たまに見かけたりする。

並んで待つことをあまり苦だと思わないのだなぁと
思ったのは
例えば、お肉屋さんに入った時のことだ
お客さんは何を買うか2品くらいは決めているけれど
あとは、お店の人と会話しながら
ハムを買ったり、
チーズを買ったり、
お肉を買ったりするのだ。
だから、一人のお客さんに
10分もかかることもある!
お店に入って、三人待ちだった時
たったの三人ならすぐだろうと思ったら、
30分くらい待ったこともある。

待つといえば、
こんなこともあった。
湯沸かし器の調子が悪いので連絡をすると
修理に明日来るというののだ。
午前10時とかの指定もなし
午前か午後かの指定もなしで
明日?
まぁ、とりあえず1日待つか、、、
と待っていたら。
待っても待っても来ず。
翌日に来るというので、
イラッとした私はこの時ばかりは
翌日の時間指定を業者にしたのだった。

こんなことを考えると
日本って最高!
日本のことをとってもうらやましく思うのである。

それでは今日はこの辺で。
良い1日をお過ごしくださいませ。
ボンディア!

どうぞよろしくね

バルセロナのガイドブック
『心おどるバルセロナへ』イカロス出版から。
ガウディの建築物を並ばないで見学するには
現在では予約システムがあるので
時間を有効に活用できるようになりました。
でも、並ぶというのも
時には素敵な時間になることもあります。
見知らぬお隣さんと、会話がはずんで
仲良くなれることもありますよね。

旅は未知。
旅は奇跡。
旅は宝物です。

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