飲んでなおそう、ハーブのお店へ
ー バルセロナ きらきら太陽の真下のカフェで ー
◇このエッセイは二十年ほど前のバルセロナのお話しです◇
十字の形をした緑色のネオンは
外を歩いていると
ところどころで見かけることができる。
それは薬局屋さんのマークだ。
日本でも薬局の他に
漢方屋さんがあるように
ここバルセロナでも
薬局とハーブ屋さんがある。
ハーブ屋さんでは
相談すれば、
それぞれの症状に応じて
ハーブを調合してくれる。
そうして調合してくれたハーブを
ハーブティーにして飲むのである。
私の家の大家さんマルガリータが
よく言っていたのは
風邪をひいた時は
水やハーブティーをたくさん飲んで
悪いものを出すのだと言う。
ここバルセロナの風邪の治し方は
とにかく飲んで出す!なのだ。
これが一番風邪がなおる近道なのだそう。
なるほど、確かに
たくさん飲んで
たくさん出せば
悪いものはどんどん流れて
出ていってくれそうだけれど
果たしてそんな単純な考えで
風邪は治るのだろうか?
疑問ではあるが、
きちんと処方してもらったハーブを
お茶にして飲めばかなり効き目は
ありそうな気がする。
ここからは二十数年前からヒューッと時間をもどし、現在のことをかきます。
懐かしい。
そうそう、美術留学をしていた当時
『空き部屋募集』のチラシを見て
部屋を借りることになった
大家さんがマルガリータだ。
20世紀初頭の建物の5階で
大家さんとドイツ人の留学生ナタリーと
私の三人で暮らしていた。
しかも、その建物にはエレベーターが
ついておらず
水や食料を運ぶのが辛かった。
レジ袋が食い込んで
指先が紫色になりながら
運んだ記憶が鮮明に残っている。
痛みを伴う思い出は
忘れることなく強く刻まれている。
そう、その大家さんのマルガリータから
風邪をひいた時の対処法を聞いて
素直に試したら
思いのほか、2、3日で
すっかり風邪が治ったのだ。
一度やってみるといいと思う。
残念ながら、
レイアール広場にあった
100年以上の歴史を持つ
ハーブ店は無くなってしまったのだが
バルセロナの街を歩いていると
大きなポットに入ったハーブが
数十種類も棚に並んでいる
お店を目にすることがある。
日本でもよく飲んでいるという
ハーブがあれば
買ってみるといいかもしれなし
症状を伝えることができれば
処方してくれるので
試してみるのもいいかもしれない。
ハーブ屋さんは
昔ながらのお店がほとんどなので
店構えがアンティークなところが素敵なのだ。
それでは今日はこの辺で
楽しい1日をお過ごしくださいませ。
ボンディア!
先週末の大雨と雷の後
今週から秋のような気候となり
涼しくなってきました。
季節の変わり目は
からだや心の不調に陥りがちです。
心が不調になってしまったら
何もかも忘れて
旅に出てみるのもいいかもしれません。
バルセロナのガイドブック
『心おどるバルセロナへ』
手に取って読んでいただけたら
うれしいです。
どうぞよろしくね。
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