バルセロナのバルで、食べてほしいお手軽価格の3品
ー バルセロナ きらきら太陽の真下のカフェで ー
◇このエッセイは二十年ほど前のバルセロナのお話しです◇
パエリアはみんなが一番よく知っている
スペイン料理だろう。
その他のおつまみとして
お手軽価格でスペインらしいものを
紹介したいと思う。
まずは、パン・コン・トマテ。
トーストしたパンに
トマトをすりつけて
オリーブオイルをたらし
塩をぱらりと振るのだ。
たったこれだけの料理なのだが
これだけで最高だ!
と口走ってしまうほどだ。
ニンニク好きな人だったら
それを半分に切って
パンにすりつけると
それもいい味のアクセントになる。
トーストしたてのカリカリっとした食感と
太陽の光をたくさん浴びたトマトの味が
口いっぱいに広がる。
味の一番のポイントは
やっぱりオリーブオイルで、
ちょっと多いかなと思うくらい
若干多めにたらすことだと思う。
パンはパンのこと。
コンは英語で言うwithのこと。
トマテはトマトの意味だ。
そして次に紹介したいのはトルティーヤ。
丸い出来立てのトルティーヤを
ケーキを切るように切られたものが
テーブルに運ばれてくる。
厚焼き卵の中に
柔らかいジャガイモやタマネギが
入っている。
肉じゃがに似た出汁の味が卵焼きとジャガイモに
ジュワッと染み込んで
なつかしい味がするのだ。
最後の一品は
パタタス・ブラバス。
一口大に切られたフレンチフライの上に
ブラバソースがかかっているもので、
一見ただのフレンチフライと
思われがちだけれど
ピリ辛のブラバソースと
マヨネーズが
絶妙にからまっていて
一度食べ始めるとやめられなくなってしまう。
この三品の味を知っただけでもバルセロナの旅の土産話になることだろう。
ちょっとおまけで紹介したいのは、
オルチャタという
冷たくて甘い飲み物がある。
それはカヤツリ草の根から作られる飲み物で
街にはオルチャタを専門に売っているお店もある。
そこはちょっと懐かしい牛乳屋さんのような佇まいをしていて
その場で飲んだりもできるが、
プラスティックのボトルに入れてくれて
持ち帰ることもできる。
老舗のお店だと、店員が清潔そうに白衣を着て
誇らしげにコップに注いでくれたりするのだ。
牛乳よりちょっとくすんだ色をしていて、
味はなんとなくフルーツの柿の味に似ていておいしい。
この飲み物を
バルセロナの人は口々に
健康に良い飲み物だというのだが、
いったい、どの部分にどんな感じで健康に良いのか
私は今だに知らない。
そこまで気にした事がない私は
オルチャタのおかげで
きっと健康に暮らしているのだろう。
ここからは二十数年前からヒューッと時間をもどし、現在のことをかきます。
パン・コン・トマテには目がない!
大好きだ。
私の経験としては
良質のオリーブオイルをたっぷりと
たらしていただくのがポイントだ。
あとはパン!
普通のバゲットよりも
気泡がたくさん空いている
パン・デ・クリスタルというパンがある。
それを使うのがいい。最高においしい。
穴がたくさん空いていることによって
そこにトマトをすりつけた汁や
オイルが入り込んで染み込んで
ジュワッとおいしさが増すのだ。
家で手軽に作れるのがいい。
今、手元にパン・デ・クリスタルの写真がないので
近いうちに買って写真をアップしようと思う。
さてさて、オルチャタのことだけれど
昔はオルチャタ専門店が
バルセロナの街のあっちこっちにあったのだが
最近では店数が減り
見かける事が少なくなった。
残念なことだ。
私が知っているオルチャタが飲める
老舗のカフェテリアで
バルセロナ大学の近くに1軒ある。
もし、チャンスがあればぜひここで試してほしい。
100年以上の歴史ある、素敵なお店だ。
店名はLa Valenciana ラ・ヴァレンシアナ
詳しくはこちらのホームページを!
バルセロナのガイドブック
『心おどるバルセロナへ』には
パン・コン・トマテの作り方が載っています。
バルセロナ育ちの男の子が、
エプロンをつけて、作り方を紹介しています。
ぜひ、手に取ってみてほしいです。
それでは、今日はこの辺で
良い1日を、ボンディア〜!