日常にプロ野球が戻ってくる!!
『今年の優勝チームはどこ?』
プロ野球ファンの間で、その言葉が口をついて出てくる2月、新型コロナウイルスのニュースがテレビで頻繁に報道されていました。
インフルエンザと同じように暖かくなれば終息するだろうと高を括っていた。
プロ野球も問題なく開幕するだろうと思っていたのに・・・。
けれど、様々なスポーツが延期や中止に追い込まれ、オリンピックでさえ来年に延期になり、テレビの画面からスポーツが全て消えてしまった・・・。
毎朝の習慣として読んでいる新聞。
全国紙ではなく、地域密着の地元紙。
何度も他社から勧誘が来たが、一切お断りしています。
なぜか。
それはもちろんスポーツ欄が重要だから!!
全国紙だとカープの話題が片隅にあるだけで、選手の細かい動向が全く分からない。
2軍の話題となるとなおさら記事にもならない。
その点、地元紙は一面が真っ赤に見えるほどカープの話題が満載なのです。
その新聞のスポーツ欄が色を失って数ヶ月。
新幹線の乗車率が90%減になったように、新聞からも赤の割合が90%減になってしまった。
本当なら今頃、カープの躍動が紙面を賑わしているはずだったのに。
昨日のあれが勝敗の分岐点だったなどと、新聞を読みながら試合を振り返っているはずだったのに。
新聞記者のコラム『球炎』を、今日は辛口じゃなぁ~などと言いながら朝の時間を過ごしているはずだったのに。
それがない。全くない。
3万人も集まるマツダスタジアムに観客を集めるなんてもってのほか。
思いっきり『3密』を可能にしてしまうスタジアムは危険がいっぱい。
けれど、私にとって、やはりプロ野球は生活の一部で彩りなんです。
家族との、友人との、同僚とのコミュニケーションのひとつなんです。
その彩りがないこの数か月は、何か足りないというような違和感がずっとありました。
試合が見れないとやきもきしても仕方ないので、昔の映像を引っ張り出して見てみました。
実はカープが25年ぶりに優勝した試合を、未だにテレビのハードディスクに残したままなんです。
この日のことはよく覚えています。
仕事を早めに切り上げて、残業をせずに帰宅してTVの前にかじりついていました。
万年Bクラスのカープを応援してきた私たちカープファンは、この年の快進撃に喜ぶ感情と、「メイクミラクル」のトラウマから、期待への裏切りがあるのではないか、最後まで分からないぞという卑屈な想いとの狭間で、変な感情をずっと持ち続けていたシーズンでした。
しかし、さすがに9月に入ると優勝は目の前に現実化してきて、いつがその時だ?と皆そわそわしていたと思います。
そして、その日はやってきました。
黒田が、新井が泣いていた。
おじさん2人が抱き合って泣いていた。
私もそれを見て泣いた。
そして、4年経った今、同じシーンを見て、また泣いている私(笑)
あの試合から4年。
今あの試合のマウンドにいた黒田がいません。
黒田と一緒に泣いた新井もいません。
タナ・キク・マルと言われたうちの一人、丸もいません。
2度目の優勝で誠也を背中に背負っていた、優しいエルドレッドもいません。
カープ打線を率いたタクローさんもいません。
1人抜けるごとに危機感を感じていたけれど、カープはあの年から3連覇を成し遂げました。
あの試合でベンチにいた西川は、今やスタメンに名を連ね、無くてはならない選手に成長しました。
2番手捕手だった会澤は、今では全日本の扇の要になっています。
51番をつけていた誠也は、今では「孤高の天才」から引き継いだ『1番』をつけて、4番にどっしりと座っています。
優勝の前年の最終試合、CS出場をかけた試合を壊して大泣きしていた大瀬良は、今やカープの大黒柱です。
スーパープレイを涼しい顔でやってのける、世界一のセカンド菊池は残留してくれました。
高卒1年目にして、将来のカープを背負うと言われた小園もいます。
マエケン以来、空いていた『18番』を背負う期待のルーキー森下も加わりました。
あの試合からメンバーは変わってしまったけれど、選手やチームの成長を感じている今です。
チームを支える主力の存在は必要ですが、チームを強くしていくためには若手の成長が絶対です。
そういった点でも、誰かが抜けても誰かが出てくるといった今のカープの状態が、ここ数年のカープの強さを物語っているのかもしれません。
しかし、リーグ優勝3連覇はしましたが、まだ日本一にはなれていません。
毎回パリーグの圧倒的な強さにKOです(泣)
その日本一を目指して始まるはずだった今シーズン、いつ始まるのか見通しがつかずどうなるかと思っていましたが、なんとか開催日が決まりました。
当面は無観客での開催。
あのスクワット応援も、トランペットや太鼓の音も、観客のハイタッチも何も音のない試合。
そんな試合がしばらく続きます。
観客がいない中で試合をするのは、選手にとってモチベーションを保つことは難しいかもしれませんが、TV越しでも試合が見れることは、今この状況ではファンにとっては嬉しいことです。
今年唯一取れたチケットが払い戻しになろうとも泣いたりはしません(号泣)
まずは試合ができることの喜びを、試合が見れることの喜びをかみしめて、シーズンの始まりを待ちたいと思います。
あぁ~、でもやっぱり生観戦したい!!
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