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アプリ広告運用者必見!AdjustとAppsFlyerの徹底比較 - 選び方から導入まで
こんにちは、App Growth Labです。
今回は、アプリマーケティングに欠かせないMMPツールであるAdjustとAppsFlyerについて、詳細な比較と導入のポイントをご紹介します。
はじめに
アプリマーケティングの世界では、ユーザーの獲得からリテンション、そして収益化まで、データに基づいた戦略立案が不可欠です。そこで重要な役割を果たすのが、Mobile Measurement Partner(MMP)と呼ばれるモバイルアプリに特化した計測ツールです。MMPは、広告キャンペーンの成果を正確に測定し、ユーザー行動を詳細に分析することで、マーケティング活動を最適化するための基盤となります。
今回は、MMPの代表格であるAdjustとAppsFlyerを徹底比較します。両者の特徴、機能、価格、導入のハードルなどを詳しく解説していきますので、自社のアプリに最適なMMPを選ぶ際の参考にしてください。
基本機能の比較
アトリビューション機能
アトリビューション機能においてAdjustとAppsFlyerの違いは主に細かな点にあり、大きな差異はないという認識で概ね問題ありません。両者とも広告キャンペーンの成果を正確に測定しユーザー行動を追跡するための高度なアトリビューション機能を提供しています。なので下記は「もう一方のツールでも可能だが、どういう点で優れているのか」という視点で解説します。
Adjust
リアルタイムでのアトリビューション計測やカスタマイズ可能なアトリビューションウィンドウを提供しており、特にデータの即時性や柔軟性が求められる場合に適しています。また、クロスデバイスアトリビューション機能を備えており、複数のデバイスにまたがるユーザージャーニーを追跡できる点が強みです。
CTV(コネクテッドTV)広告のアトリビューション
AdjustはCTV広告(Connected TV)に特化したアトリビューション機能を提供しており、テレビ広告からアプリインストールやエンゲージメントへの影響を測定できます。AppsFlyerも一部のCTVプラットフォームに対応していますが、Adjustはこの分野でより包括的なサポートを提供しており、特に日本市場でのTVCM効果測定に強みがあります。リアルタイム不正対策
Adjustは、不正クリックや不正インストールをリアルタイムで検出し、データに反映される前にブロックする仕組みを持っています。AppsFlyerもProtect360という強力な不正対策機能を備えていますが、Adjustはプロアクティブなフィルタリングによって、詐欺行為が発生する前に対処できる点で優れています。無制限のデータアクセス
AdjustはAPIやコールバックに制限がなく、リアルタイムでのデータ取得やカスタマイズが可能です。AppsFlyerもAPIを提供していますが、一部のデータアクセスにはプランや契約条件によって制限がある場合があります。このため、大量のデータをリアルタイムで活用したい企業にはAdjustが適しています。シンプルなSDK実装とプライバシー対応
AdjustはSDK実装が簡単で、iOS 14.5以降のプライバシー規制(ATTフレームワーク)にも対応したExtended Privacy Measurement機能を提供しています。この点では、AppsFlyerもSKAdNetwork(SKAN)対応を強化していますが、Adjustはよりシンプルかつ迅速な導入プロセスを提供します。
AppsFlyer
マルチタッチアトリビューションをサポートしており、複数のタッチポイント(例:広告表示やクリック)を考慮した分析が可能です。さらに、OneLinkによるディープリンク機能やアトリビューションデータの補完(例:ユーザーの行動パターンや人口統計情報)など、より広範囲で詳細なデータ分析を実現できる点が特徴です。
マルチタッチアトリビューション
AppsFlyerは、複数のタッチポイント(広告表示やクリック)を考慮したマルチタッチアトリビューションに対応しており、ユーザーがインストールに至るまでの全体的なジャーニーを詳細に分析できます。Adjustも複数チャネル間のアトリビューションは可能ですが、このマルチタッチ分析に特化した機能ではAppsFlyerが優位です。OneLinkによるディープリンク技術
AppsFlyerはOneLinkという高度なディープリンク技術を提供しており、メールやSMSなど非統合型メディアソースからも柔軟なディープリンク設定が可能です。Adjustもディープリンク機能を持っていますが、OneLinkはユーザー体験の最適化やクロスプラットフォーム対応において特に優れています。SKAdNetwork(SKAN)の統合とデータ補完
AppsFlyerはAppleのSKAdNetwork(SKAN)と深く統合されており、iOS 14.5以降でも正確なアトリビューションが可能です。また、「Aggregated Advanced Privacy(AAP)」という独自技術によって、プライバシー規制下でも詳細なデータ分析を実現します。この分野ではAdjustも対応していますが、AppsFlyerはより多様なプライバシー対応オプションを提供しています。インストールリファラー対応
AppsFlyerはAndroid向け「インストールリファラー」方式に対応しており、Google Playストアや一部サードパーティストアから得られる情報を活用して正確なインストール元を特定します。この方法はAndroid環境で特に有効です。Adjustでも同様に計測は可能ですが、この分野ではAppsFlyerがより詳細な情報収集と分析能力を持っています。
より簡潔にまとめると
Adjust:リアルタイム性、不正対策との統合、シンプルさが強み
不正防止機能やリアルタイム性に強みがあり、シンプルかつ直感的な操作性を重視しています。AppsFlyer:詳細なデータ収集、多様なチャネル対応、高度な分析能力が強み
多様なタッチポイントへの対応やデータ補完機能が優れており、より高度な分析や多国籍展開を視野に入れた運用に適しています。
自社がどれだけ複雑なキャンペーン構造や多様な配信チャネルを持つかによって、どちらが適しているか判断すると良いでしょう。
データ分析・レポーティング
データ分析とレポーティングに関しても同様に、AdjustとAppsFlyerはどちらも高度な機能を提供しています。
Adjust
Adjustではカスタマイズ可能なダッシュボードによって必要な情報だけを効率的に表示できるほか、リアルタイムレポーティングによって即座にキャンペーンパフォーマンスを把握できます。またコホート分析やLTV(顧客生涯価値)トラッキングにも対応しており、中長期的なマーケティング戦略立案にも役立ちます。
カスタマイズ可能なダッシュボードで、必要な情報を一目で確認できます。
リアルタイムレポーティングにより、即座にキャンペーンのパフォーマンスを把握できます。
コホート分析機能で、ユーザーの長期的な行動パターンを分析できます。
LTVトラッキングにより、ユーザーの生涯価値を予測し、効果的な投資判断が可能です。
AppsFlyer
一方でAppsFlyerは柔軟性と直感性に優れたダッシュボード設計となっており、多様なフィルターオプションによって細かな条件設定が可能です。さらにユーザーセグメンテーションやリテンション分析など、高度な分析オプションも豊富に揃っています。
柔軟で直感的なダッシュボードにより、複雑なデータも視覚的に理解しやすくなっています。
多様なフィルターによるデータ分析で、細かな条件設定が可能です。
ユーザーセグメンテーション機能により、特定のユーザーグループに焦点を当てた分析ができます。
リテンション分析機能で、ユーザーの継続率を詳細に把握できます。
データ分析・レポーティングに関しては、両者ともに高度な機能を提供していますが、Adjustはより直感的なUI、AppsFlyerはより詳細な分析オプションに強みがあると言えます。
データアクセスと統合
両プラットフォームとも、データへのアクセスと他のツールとの統合を提供しています。
Adjust:
Adjustでは制限なくデータアクセスが可能であり、無制限のクライアントコールバックによってリアルタイム連携も簡単です。また豊富なAPIや主要BIツールとの統合オプションも提供されており、自社システムとの親和性が高い設計となっています。
制限のないデータアクセスにより、全てのデータを自由に活用できます。
無制限のクライアントコールバックで、リアルタイムのデータ連携が可能です。
豊富なAPIを提供しており、他のシステムとの柔軟な連携が可能です。
主要なBIツールとの統合が容易で、既存の分析環境にシームレスに組み込めます。
AppsFlyer:
一方でAppsFlyerは約12,000ものパートナー連携オプションがあり、多様なツールやプラットフォームとの統合が容易です。さらにPull APIやカスタムダッシュボード作成機能によって独自分析環境も構築できます。
データのエクスポート機能により、必要なデータを柔軟に抽出できます。
Pull APIを提供しており、外部システムからのデータ取得が可能です。
約12,000のパートナー連携により、幅広いツールやプラットフォームとの統合が可能です。
カスタムダッシュボードの作成機能で、独自の分析環境を構築できます。
データアクセスと統合に関しては、AppsFlyerがより多くのパートナー連携を提供している一方、Adjustは無制限のデータアクセスとコールバックを強みとしています。
ユーザーインターフェースと使いやすさ
両プラットフォームとも、ユーザーフレンドリーなインターフェースを提供していますが、使いやすさには若干の違いがあります。
Adjust
Adjustは直感的かつシンプルなUI設計となっており、新規利用者でも迷わず操作できる点が強みです。
クリーンで直感的なUIにより、初心者でも迷わず操作できます。
カスタマイズ可能なダッシュボードで、必要な情報を効率的に確認できます。
簡単なキャンペーン設定により、素早く広告効果の測定を開始できます。
AppsFlyer
一方AppsFlyerは柔軟性と視覚的理解力に優れたインターフェース設計となっており、多様なフィルターやオプション設定にも対応しています。
柔軟で使いやすいダッシュボードにより、複雑なデータも視覚的に理解しやすくなっています。
多様なフィルターオプションにより、詳細なデータ分析が可能です。
初心者にも扱いやすいインターフェースで、学習コストを抑えられます。
UIと使いやすさに関しては、Adjustがより直感的で簡単な操作性を提供している一方、AppsFlyerはより詳細な分析オプションを提供しています。どちらを選ぶかは、チームの技術レベルや分析ニーズによって判断するとよいでしょう。
価格設定
両プラットフォームとも、アトリビューション(インストール)ごとに課金する従量制モデルを採用しています。大規模キャンペーンにはAdjust、小規模から始めたい場合にはAppsFlyerがおすすめされます。それぞれ個別見積もりや無料トライアル期間がありますので、自社ニーズに合わせた検討が重要です。
Adjust:
ボリュームディスカウントがあり、大規模なキャンペーンほどコスト効率が良くなります。
詳細な価格は個別のAdjustへ問い合わせが必要ですが、一般的に月間約30,000件以上のアトリビューション数でAppsFlyerより割安になる傾向があります。
機能や規模に応じて柔軟な価格設定が可能です。
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AppsFlyer:
1アトリビューションあたり約0.07ドル(約10円)という明確な価格設定があります。
新規アカウント向けのウェルカムパッケージとして、12,000件のアトリビューションを1年間無料で提供しています。
透明性の高い価格設定により、予算計画が立てやすいのが特徴です。
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価格設定に関しては、AppsFlyerがより透明性の高い価格体系を提供している一方、Adjustは大規模なキャンペーンでのコスト効率に強みがあります。自社のアトリビューション数や予算に応じて、適切なツールを選択することが重要です。
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導入ハードル・サポート体制
SDK実装やサポート体制については両者とも充実しています。Adjustは日本語サポートや簡単実装ガイドが強みですが、一方でAppsFlyerは多言語対応サポートや柔軟性ある実装オプションがあります。
Adjust
Adjustはいち早く日本市場に順応したこともあり、日本語サポートや実装ガイドが充実していることが強みです
比較的シンプルなSDK実装により、技術的なハードルが低くなっています。
詳細なドキュメンテーションが提供されており、開発者が自力で導入を進めやすい環境です。
日本語サポートが利用可能で、言語の壁を感じることなくサポートを受けられます。
テクニカルサポートチームによる導入支援があり、問題が発生した際も迅速に解決できます。
AppsFlyer:
一方でAppsFlyerは多言語対応サポートや柔軟性ある実装オプションがあります。
25言語に対応した多言語サポートを提供しており、グローバル展開する企業にも対応可能です。
柔軟なSDK実装オプションにより、アプリの特性に合わせた導入が可能です。
包括的な導入ガイドが用意されており、ステップバイステップで実装を進められます。
カスタマーサクセスチームによるサポートがあり、導入から運用まで一貫したサポートを受けられます。
導入のハードルに関しては、両者ともに開発者フレンドリーな環境を提供していますが、Adjustがより簡単な実装を、AppsFlyerがより柔軟な実装オプションを提供しているという違いがあります。
サポートとカスタマーサービスに関しては、両者ともに充実したサポート体制を提供しています。
最終的には、自社ニーズ・予算・技術力など総合的観点から選択してください。それぞれ無料トライアル期間中に試用し、自社環境への適合性を見ることがおすすめです。
業界での評価と採用事例
両プラットフォームとも、多くの大手企業に採用されています。
Adjust
Adjustは、日本市場でのシェアが高く、国内企業からの信頼も厚いプラットフォームです。特に、CTV(コネクテッドTV)のクロスデバイス計測に強みを持っており、テレビ広告や動画広告を活用する企業にとって非常に有用です。また、TVCM効果測定サービスとの相性が良いため、オフライン広告とオンライン広告を統合的に分析する必要がある場合にも適しています。
国内最大のマーケットシェアを誇り、日本市場での実績が豊富です。
CTV(コネクテッドTV)のクロスデバイス計測に強みがあり、マルチデバイス戦略を展開する企業に適しています。
TVCM効果測定サービスとの相性が良く、オフライン広告とオンライン広告の統合分析が可能です。
AppsFlyer:
AppsFlyerは、グローバル市場での評価が非常に高く、国際展開を目指す企業にとって最適な選択肢となる場合があります。特にセキュリティやプライバシー保護に厳格な業界(例:金融、ヘルスケアなど)での採用実績が豊富です。また、多様な業界で活用されており、アプリゲームやECアプリなど幅広い分野での成功事例があります。
グローバルでの高い評価を得ており、国際展開を考える企業に適しています。
セキュリティ重視の企業に人気があり、金融やヘルスケアなど、セキュリティやプライバシーに厳格な業界での採用実績が豊富です。
多様な業界での採用実績があり、幅広いビジネスニーズに対応可能です。
まとめ
AdjustとAppsFlyerは、どちらもアプリマーケティングに欠かせない高機能なMMPツールです。選択の際は、以下のポイントを考慮することをおすすめします:
機能の重要度: Adjustはシンプルで直感的な操作性に強みがある一方、AppsFlyerはより詳細な分析オプションを提供しています。
予算: 大規模なキャンペーンを予定している場合はAdjustが、小規模から始める場合はAppsFlyerが適している可能性があります。
グローバル展開: 国際展開を視野に入れている場合、AppsFlyerの多言語サポートが有利かもしれません。
セキュリティ要件: 金融やヘルスケアなど、高度なセキュリティが求められる業界ではAppsFlyerが選ばれる傾向にあります。
既存システムとの統合: 両者ともに豊富な統合オプションを提供していますが、自社の既存システムとの相性を確認することが重要です。
サポート体制: 日本語サポートが必要な場合はAdjustが、グローバルな多言語サポートが必要な場合はAppsFlyerが適しています。
最終的には、自社のニーズ、予算、技術力、そして長期的なマーケティング戦略に基づいて判断することが重要です。また、両ツールともに無料トライアル期間を提供していますので、実際に使用してみて判断するのも良いでしょう。
アプリマーケティングの世界は日々進化しています。選択したMMPツールを最大限に活用し、継続的に学習と最適化を行うことで、効果的なマーケティング戦略を展開できるはずです。この記事が皆様のアプリマーケティング成功の一助となることをお祈りしています。
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