「DNA」の話
second placeの佐藤です。
どうぞよろしくお願いします。
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サッカーについてはもはや日常となってしまいましたが、最近ホットな話題として、野球やバスケットボールについても、日本人アスリートのみなさんが外国のプロリーグで活躍されているニュースに触れることが多くなりました。
こうしたニュースに触れ、スポーツ全体がもっと盛り上がっていけるといいなと感じるときにいつも思い出す、前職の職場でお会いしたとある同僚の方のお話です。
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入社7年目頃に転勤となり、新しい職場にその方はいらっしゃいました。何社もの方々がひとつの職場に集まり仕事を進めていく環境の中で、おそらく私が良いスタートを切れるようにと、私の意見ややり方をとても尊重してくださったことを記憶しています。
普段はとても穏やかな方でしたが、仕事に対してはリーダーとしてとにかく厳しく、私も数えきれないほどの指摘を受けました…。
仕事の内容として、日々変わり続ける状況に対して柔軟に対応していくことが求められていましたが、多くの不確定要素を踏まえ、AだったらB、Cだったことを想定してDのための根回しを今のうちに、といった形で、常に半歩先を想像し、多くの選択肢を持ち続けていらっしゃる方で、ビジネスパーソンとしての「バランス感覚」を勉強させていただきました。
新しい職場にも少しずつ慣れてきた頃に一席ご一緒させていただいたとき、この方が高校時代に野球に熱中し、チームのエースとしてとある都道府県大会の決勝戦まで投げ抜いたものの、あと一歩で甲子園に届かなかったお話を伺いました。
このとき、心からうれしい気持ちになった私自身のことを鮮明に覚えています。
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日本人アスリートの方々が外国のプロリーグで活躍する、日本代表チームが世界大会で結果を残す、つまりそのスポーツの世界の頂上を超えていくことは、発展や盛り上がりに必要不可欠なことです。
しかしながら、例えば富士五湖から富士山を眺めたときに、その裾野の広さに驚かされるように、スポーツが本当の意味で社会に根付いていくためには、この裾野のようなものが必要なんだろうなと感じています。
学生時代にあるスポーツに熱中していた方々がスポーツ以外の世界で活躍する、というと、例えば医師や政治家、経営者等としてメディアに取り上げられるような活躍を思い浮かべがちですが、とても感覚的ですがこれだけでは不十分なのかもしれません。
何と言いますか、八百屋さんの店主の方がいつも丁寧で笑顔で商店街全体に活気を与えている、新入社員の方が不慣れながらも名刺交換や電話対応にしっかり取り組むなど、こうしたイメージです。
取引先の方「御社の新入社員の〇〇さん、がんばっていらっしゃいますね」
新入社員の上司の方「〇〇さんは実は学生時代サッカーに熱中していて…」
取引先の方「そうでしたか。そういえばこの前の日本代表の試合は…」
世代を超えるほど時間がかかるものだと思いますが、そのスポーツの「DNA」を持つ方々が多種多様な世界で誇りを持って活躍し続けることが、そのスポーツの裾野となり、本当の意味でそのスポーツが社会に根付いていくのかもしれませんね。
second place 佐藤
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