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「ベテラン」の話

second placeの佐藤です。
どうぞよろしくお願いします。

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先日の野球のWBC(ワールドベースボールクラシック)のニュースを見て考えたことについての話です。

大会は無事日本代表チームの優勝で幕を閉じました。イタリアやチェコなど、日本で暮らす私にとってあまり野球の印象がない国々が出場していて、普段は証券会社で働いている選手がいるなど、とても興味深く観戦することができました。

日本代表チームについては、全体的に若い選手の躍動が印象に残りました。テニスやサッカーなどの他のスポーツに比べると、海外でのプレー経験は少ないであろうものの、気持ちの面で決して臆することなく、堂々とプレーされていました。

そんな中で、私が最も印象に残った選手はダルビッシュ有さんでした。アメリカ大リーグでの実績を持つエースピッチャーのひとりとして期待されながらも、チーム最年長の選手としてとても早いタイミングでチームの合宿に合流し、チームが国際試合で結果を残すために選手ひとりひとりのサポートにとにかく注力されていました。自身の調整が不十分な中でも見せていただいた試合を壊さないピッチングは、もっと評価されるべきものと感じています。

苦悩する若い選手にかけたとされる「たかが野球じゃないか。」というセリフは、海外で本当に様々な経験をした彼の人生観を表すものとして印象に残っています。

彼の様子を見て思い出したのが、2002年サッカーワールドカップ日韓大会の日本代表チームの秋田豊さんと、中山雅史さんです。当時はサプライズ選出と言われましたが、数多くの国際試合を経験してきたベテランとして、試合に出られない悔しさがありながらも、練習には先頭に立って全力で取り組み、チームを鼓舞し、支えていたそうです。

私が特に感銘を受けるのは、おふたりの姿が細く長く、次世代の選手の方々に引き継がれている点です。昨年のワールドカップカタール大会まで、決勝トーナメントまで進出したチームには必ずおふたりのようなベテランの存在があったことは、決して偶然ではないのかもしれません。

彼らから発せられるものは、技術的、戦術的なサポートや、試合に臨むときのメンタルの在り方などの競技におけるアドバイスだけではなく、自然と滲み出てしまうものとして、アスリートという鎧を脱ぎ、ひとりの人間として訴えかけるとても有意義なアドバイスなんだろうと想像しています。

このバトンが世代を越え、スポーツを越え、これからも引き継がれることを楽しみに、スポーツ観戦を続けていければと考えています。

second place 佐藤

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