「耳を澄ますこと」の話

second placeの佐藤です。
どうぞよろしくお願いします。

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現在開催中のサッカーワールドカップについて語った、ある方のコメントについての話です。

オリンピックと同じ4年に1度の開催、各国代表チームが優勝を目指す大会として、世界中が注目するスポーツイベントです。日本代表チームも1998年フランス大会から今回のカタール大会まで7大会連続出場となり、大会ごとに様々なメディアを通じて、試合展望や論評が増えてきている印象です。

今大会、日本代表チームの初戦の対戦相手はドイツということで、いわゆる専門家と言われる方々の多くが、優勝経験があり、前回大会の予選敗退により今回はしっかり戦ってくる初戦のドイツ戦は難しい試合になる、という予想が多かったと認識しています。

小学生時代にサッカーに熱中していた私も、なかなか難しい試合になるだろうなと想像していたのですが、試合前に興味本位でまったくサッカーを知らないある方に聞いてみました。

「ドイツ戦はどういう試合になると思いますか?」

「…よくわからないけど、サッカーって他の点数がたくさん入るスポーツより番狂わせが起こりやすい気がする。お互い4年に1度の大会の初戦で、きっと精神的にドイツは勝たなければいけない、という感情があることを考えると、日本が勝つ可能性があるんじゃないかな。何が起こるかわからないから、とにかくシュート?をたくさん打ってほしいかな。」

おそらくこの方は、これまでワールドカップ初戦で多くの番狂わせが起きてきたこと、今大会でも優勝候補のアルゼンチンがサウジアラビアに敗れたこと、大会前から続いていたドイツの差別問題に関する報道などは知らなかったと思いますが、試合結果は多くの専門家の予想を裏切るものとなりました。


あくまで個人的な経験ですが、私がスポーツに熱中していた頃、まったく別のコミュニティの友人が会場に来て応援をしてくれたことがありましたが、後日の会話で「あそこはシュート打ってよかったよね」「チームとしてもう少し気合い入れて守りをした方がよかったね」というコメントをもらうことがありました。偶然が重なっただけなのかもしれませんが、冷静に試合を振り返ってみると、これらのコメントが的を射ていることがとても多かった感覚がありました。

何かに熱中すると、その知識が蓄えられ、対応策の引き出しも増えてくることになりますが、一方でどこか思考が狭くなってしまったり、こだわりを持つことにより変化を起こしづらくことがあるかと思います。個人的な経験を通じて、耳を澄まして、偏りのない立場で人の話に耳を傾けることを今も心がけています。


ドイツ戦終了後、得点を挙げた選手たちがインタビューを受ける中、あの方からコメントがありました。

「今日は日本のキーパーの選手のおかげで勝ったと思うよ。素晴らしかった。インタビューを受けている選手の誰かが触れてくれるとうれしいね。」

その後国際サッカー連盟が発表したマン・オブ・ザ・マッチ(その試合で最も印象的な選手に贈られる賞)は、その日本のキーパーの選手だったことを最後に記しておきます。

second place 佐藤

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