「初めての海外訪問」の話
second placeの佐藤です。
どうぞよろしくお願いします。
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中学2年生のときにチームの海外遠征としてハワイを訪問したときの話です。
今から約30年前となる当時、私自身が生まれ育った環境を振り返ってみると、海外の情報になかなか触れることはできず、また、外国人の方々と触れ合う機会も限られていました。
そんな中での初めての海外訪問ということで、出発直前に新宿のパスポートセンターでパスポートを作り、緊張しながら初めての飛行機に乗ったことを記憶しています。
この海外訪問で印象に残っているのは、現地で経験した初めての「時差ぼけ」についてです。日本を夕方頃出発して、ハワイの早朝に到着するスケジュールだったこともあり、事前に飛行機の中でできるだけ寝ておきましょうと言われていましたが、初めての飛行機、海外訪問ということで気持ちが落ち着かない状態だった私は一睡もできませんでした。
ホノルルの空港に着き、イミグレーションを待つ列に並んでいるときに、突然睡魔が襲ってきて、機内に預けた荷物を待っているときには座り込みたいほどになっていたかと思います(実際に床に座り込んでしまっていたと思います…)。
この記憶が今もとても印象深く残っているのは、空港で働いていた人たちの姿が影響しているかと思っています。それは、早朝にもかかわらず既にたくさんの汗をかきながら、難しい顔をしながら何十台も連なっているカートをものすごいスピードで座り込んでいた私のすぐとなりを通り過ぎていく姿でした。
当時14歳の私にとって、彼らのバックグラウンドや置かれている状況、消えることのない思いのようなものを想像することはとても難しいことでしたが、見たことがないほどの必死さを感じるほど仕事に取り組む彼らの姿と、眠いという理由だけで座り込んでいる自分との「ギャップ」が、何かを感じさせてくれたのだと思っています。
到着翌日くらいから「時差ぼけ」の状態のまま現地の高校のチームと試合をしていったわけですが、体調が万全ではないなどと言い訳をしている場合ではなく、やるしかない状況を乗り越えていくというとても厳しいながらも貴重な経験となりました。チームメートと励まし合いながら、ということもありますが、空港に到着したときに痛感したあの「ギャップ」が、心のどこかで自分を突き動かしてくれたのかもしれません。
私にとって初めての「時差ぼけ」の経験は、これにより世界中を飛び回るビジネスパーソンやアスリートのタフさを尊敬するようになった、というよりは、おそらく自分とは違う境遇にいる人たちが世界にはたくさんいて、彼らの姿勢を目の当たりにすることによって、日頃の自分を見つめ直す機会となったのだと思います。
second place 佐藤
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