「鈍感力」の話
second placeの佐藤です。
どうぞよろしくお願いします。
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大学時代、国際大会に参加するためにカタールを訪れたときの話です。
初めて訪問する中東の国ということもあり、事前情報として気温40℃以上になるほどとにかく「暑い」ことをイメージしていました。しかし、乗っていた飛行機が空港に到着し、建物に入ったときに最初に感じたことは、まったく逆の「寒い」というものでした。外の暑さへの対応として、建物の中は冷房がとても強く効いていたのです。
宿泊先のホテルも空港同様、とても「寒い」と感じました。とても乾燥していた部屋の空調はホテル全体で管理されていて調整することができず、なかなかゆっくり体を休めることができませんでした。これまで感じたことのない外と建物内の気温差の中で、食事もあまり口に合うものがなかったこともあり、個人的には満足できるプレーができなかった大会として記憶しています。
このような状況の中で印象に残っているのは、各国の選手たちがとても逞しくコートでプレーをしていたことです。同じ「寒い」ホテルに宿泊し、おそらく普段とは異なる食事をしながらも、コートの上では自信を持って、精神的にとても充実した状態でいつも通りに力を発揮しているように私には見えました。
いくつかの国際試合の経験を重ね、外国人選手と向き合うことには少しずつ慣れてきていた私でしたが、難しい状況の中でも、それまで積み重ねてきたものをいつも通り発揮することの難しさを改めて痛感しました。
大切な場面でいつも通り力を発揮するために、様々な準備を積み重ねることはとても大切なことだと考えていますが、時としてそれだけでは足りないことがあるような気がしています。「精神的なタフさ」と言ってしまうとそれまでなのですが、「生きていく力」と言いますか、「鈍感力」のようなものもとても大切なのではないかと感じています。
社会人になってからも、この「鈍感力」を持つ方とお会いするたびに、カタールでの滞在を思い出し、尊敬の念を抱いています。
second place 佐藤
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