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河鍋暁斎 / メトロポリタン美術館
【詩】桜の季節すぎた頃
帰宅の途につく頃に
その日の天使が羽根を開く
羽虫の死骸を踏み潰して行くのは駅前の広場
そんな時だよ
ハンマーの虚しい音聞こえてくるのは
全身が悪寒に覆われても
行くのは飢えた鬼の住処
薬を飲み忘れてしまった
予算に組み込まれる安い命
墓を掘り合う月の下
アスファルト
こびりついた体液
春を過ぎた桜の下
赤く染まるアスファルト
白く染まる人々の顔面
保健所で死ぬの
道端で死ぬの
冷たい花火の下で
予算消化で死ぬの
桜の季節すぎた頃