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卯月倫花:『透膜による遮断/つばのぬめり』について

出演者一人一人に、作品について自由に書いてもらいました。直接のネタバレはありませんが、作品のテーマに触れているnoteも多いためご注意ください。 このnoteは、エミ役、卯月倫花のnoteです。

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卯月です。
第二懺悔会で今回役者をやらせていただきます。初めて同じ座組で関わっている人が殆どなので、日々刺激的な稽古をさせてもらっています。楽しいです。
あと、座組の人と学校で謎によく遭遇できるのも楽しいです。

「透膜による遮断/つばのぬめり」について
脚本自体、かなり好きだなぁと思っています。事前に伝えられていた内容から想像していた劇とはまた少し違う方向でしたが、それはそれで好き。と、稽古を重ねるごとに強く感じます。物語構成自体の面白さは勿論ですが、作演出の甲斐さんがかなり演出に力を入れていらっしゃる(と思う)方で、演出が固まってくるにつれてどんどん戯曲の文字情報にはなかった魅力が立ち上がってめちゃくちゃ楽しいなぁと思っています(往々にして劇作は演出によって肉付けがされるものではあると思いますが、この作品は殊に顕著だと思います❗️❗️❗️)。あと、甲斐さんは事前のイベントでも取り上げていたように唐組がかなりお好きなようで、それを踏まえるとこの劇の方向性も宜なるかなと思います。乞うご期待。
テーマとしては、やはり人との距離感というところが大きいのかなぁと思います。後半になるとかなり直接的な台詞も出てくるので。加えて「透膜」という言葉にもかなりの思いが託されているのだろうなとも感じます。それは小道具であったり演出であったりからかなりひしひしと伝わってくるし、透膜がさらに透膜によって遮断されているなぁと(??)思ったりもして、他者との間の「遮断」のみならず、自己の在処というところに揺さぶりをかけてくるようなテーマです(多分)。自己の在処の問題は、究極のアンダーグラウンドアイドル「ウズメちゃん」の存在やキャラクター性に象徴されているだろうと思います。ウズメちゃん、めっちゃ可愛いんですがやはり示唆的も台詞が多く、役者の野口さんの迫力がすごいです。推しそうです。私のキャラクターは他者との距離感とそのもどかしさに関して割り切ろうとする奴、という感じなのかなと勝手に思っているのですが、そのような理念はやっぱりケア等の文脈と相性が悪くて、それはそれで孤独だ、という感じです。まぁ全体的に小道具とかに関する拘りがよいです。主題がはっきりと(こっそりと?)提示されているなと思うので。
多分もっといっぱい考えたらさらに他人との関わりとか、人間の存在に関してとか、いい感じのことが思いつけそうです。それくらいこう、人間生活の広域に底流する、普遍的な問いを投げかけるようなテーマなのかも、というところです。

公演全般に関して
今回の公演では役者、音響、制作を務めさせていただいているのですが、制作を担当している関係上予算が全部私の銀行口座に集中していて怖いです。持ち逃げしちゃったらどうしよう。あと、団体に来るメールの冒頭に「第二懺悔会〇〇様…」と書いてあって、何か悪いことが起こって相手が懺悔してくれてるのかな、とちょっと思います。
真面目な話をすれば、役者紹介写真撮影や音響照明の選び方全てに一貫した理念があるというのが推せるポイントですし、スタッフワークもその意図をしっかり汲んで行われているので、宣美さんや照明さんにも敬服するばかりです。しっかりした地盤の上に演目が組み上がっていく過程がありありと見えてめちゃくちゃ楽しいし、楽しみです。
個人的なことを申し上げれば、今回も駒場祭で演劇できて嬉しいなーーーーーー!!!と思います。これまであまり演じてきたことのないようなタイプの劇で、うーん好き、というところです。折角好きな毛色の劇に参画させていただいているので、〆切ブレイクなどのご迷惑はなるたけかけず、私も全力で演目の完成、そして更なる発展に貢献していければ、と思います。

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★公演詳細

第二懺悔会2024年度駒場祭公演『透膜による遮断/つばのぬめり』
作・演出/甲斐敬識

■日程

2024年11/22(金) 13:45開場 13:55開演
2024年11/23(土) 09:15開場 09:25開演
2024年11/24(日) 14:15開場 14:25開演

※受付は行いません。
※上演時間は約40分を予定しております。
※予約は不可となっております。直接会場までお越しください。

■会場

駒場⼩空間(東京⼤学駒場キャンパス多⽬的ホール)
京王井の頭線「駒場東⼤前」駅東⼝より徒歩7 分

全席自由・無料カンパ制

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