【ゆる説】コモディティ化の原因は、ターゲティングにあるのではないか説
注意:【ゆる説】は、日頃「実は、こうなんじゃないか」と感じた説を、備忘録的にゆる〜く書き留めたものです。真偽は皆さんで確かめてください。
マーケティングを少しかじった人なら必ず知っている、ターゲティング。
でも、実はちゃんとできているケースは少ないのではないか、というのが今日の説だ。
なぜそう思うか、というと、
生活者目線で見てみると、大して違いがなく、「これは誰向けなのか」と思う商品・サービスが多い
からだ。
「いやいや、そんなことはない。うちのブランドは○○が競合とは違うんだ」。そう主張される方もいるだろうし、実際そうならば問題ない。
しかし、ワークショップなどで改めて、競合各社がホームページや広告、キャンペーン、DMなどで何を謳っているのか、書き並べてみると、面白いほどに似たようなことを謳っていたりする。
違うのは、起用している芸能人か、ロゴか、よくてビジュアルのトンマナ、というあまり笑えないケースもある。
なぜそのようなことが起きるのか。
それは、
ターゲット理解が甘いから
に尽きるのではないか、と最近思い始めた。
例えば、誰がターゲットなのか、という議論になったときに一番もやもやするのは、「ターゲットは20代女性です」といったような漠っとしたケース。
しかし、デモグラレベルの曖昧なターゲット設定では、その中にいろんな人が包含されてしまうし、一番肝心な相手の行動を変えることはできない。
Seth Godinが提唱するように、
People like us do things like this.(人は、自分と同じような人が既にやっている、と確かめられると行動に出る)
情報過多の今、流れてくる情報を一つ一つ丁寧に理解しようなんてせず、皆、思考のショートカットをしている。でも、失敗はしたくない。
だから、自分と同じような人(と自分が思っている人)がやっていること、していることを横目で見ながら、彼らと同じ行動に出るのだ。
問題は、事業者側が設定するターゲットと、生活者側が感じている「自分と同じような人」が往々にしてズレていることだ。
事業者側が20代女性と一括りにしたとしても、韓国好きもいれば、コスプレ好きもいる。彼氏との時間を最優先にしたい人もいれば、心許せる友達と一緒にたくさん思い出をつくりたいという人もいる。
皆それぞれ、暮らしの中で抱えている葛藤も違うし、大事にしている価値観も違う。身なりやまとう雰囲気も違う。当然、持っているモノも違う。
(ちなみに、皆大好きペルソナを作って、これらの項目を整理したつもりになっても全然意味がない件については、今度別の記事を書こうと思う)
なので、普通に考えれば、ターゲット理解の解像度が高ければ高いほど、彼ら彼女たちに提案する商品・サービス、コミュニケーションはそれぞれ異なるものになる、はずである。
だが、「20代女性、ぐらいの規模感がないと、事業として成立しないんですよねー」というところで思考が止まってしまう。結果、できあがるものは、どこにでもあるものになる。
だから、誰にも響かないし、多少売れたとしても、コアファンがいないから、口コミによるスケールもしない。そして、いつのまにかジリ貧になる。
もしあなたのブランドがコモディティになっていて苦境に陥っていたら、一度ターゲットの解像度を徹底に上げてみることをオススメしたい。