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【ゆる説】マーケターは忙しすぎて、生活者目線で自ブランドを見れていないんじゃないか説

注意:【ゆる説】は、日頃「実は、こうなんじゃないか」と感じた説を、備忘録的にゆる〜く書き留めたものです。真偽は皆さんで確かめてください。

先日、印象的な出来事があった。

とあるブランド(仮にブランドA、としよう)の次年度のコミュニケーションプランを一緒に考えていたのだが、その際に、競合のテレビCMを何本か流した後、ブランドAのテレビCMを流してみた。

するとどうだろう。

ブランドAのテレビCMだけ、そのフォーマットや訴求しているメッセージなど、全く毛色が異なるのだ。

もちろん、あらゆるものがコモディティ化している今、競合と”違い”がある、というのは本来喜ばしいことだ。

しかし、残念ながら、ブランドAの場合は、あまりにも競合と違いすぎていて、生活者の目線になったとき、そのブランドが何の商品かもわからず、何が言いたいのか、他の商品と比べて何が良いのか、もわからない。

今のご時世、テレビCMは、腰を落ち着けて視聴されるものではない。
そして、嫌と言うほど情報は溢れているから、生活者は常にその情報の要否を瞬時に判断して、思考をショートカットしながら生きている。

だから異物であることは、生活者の注目を集める手段として有効なのだが、今回のケースは、あまりに既存の王道パターンから離れすぎていた。そのため、生活者に「なんだかよくわからないCM」と片づけられ、記憶に残らないものになっていた。

事実、ブランドAは結構な量のGRPを投下しても、認知度が低いまま。
仮にメディアミックスの改善余地があったとしても、その認知度の低さは、テレビCMをはじめとして、生活者と適切にコミュニケーションできていない証左だろう。

このように、生活者の目線になったとき、自分たちのブランドがどう受け止められているか、きちんと把握できていないケースは結構多い。

例えば、別のクライアントでも、「自分たちの強みは○○だ」と主張されていたのだが、競合のホームページなどを見てみると、各社とも同じようなことを言っている。正直、一生活者してみれば、どれも同じに見える。しかし、事業者側はなかなかそれに気づかない。

なぜだろうか?

おそらくマーケターは忙しすぎるのだろう。

上層部からは、

・事業目標はもっと高く設定しろ
・目標達成の道筋はちゃんと考えているのか、蓋然性が低いぞ
・なぜうちは競合に比べてシェアが低いんだ、理由をちゃんと分析できているのか
・これまでのやり方を踏襲しているだけではないか。もっと業界を変えるような大きな提案はできないのか
・予算は増やせない。しかし、目標は必達だ

などなど、常に難題が降ってくる。

そんな中、競合が打った一手がうまくいくと、その対応策に追われる。

もちろん、生活者や顧客を見ていない訳ではない。
調査はするし、SNSは日々チェックしている。

しかし、社内の業務に対応することで忙しくて、本当の意味で、生活者の目線に立てていないケースが多いと感じる。

ターゲットとする生活者が日々どんな暮らしをしてして、どんな情報に接していて、何を感じ、何をしているのか。生活者理解の基本中基本だが、意外とそこに時間をかけられているマーケターは少ないのかもしれない。

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