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【ゆる説】芸能人をCMに起用しても、あまり意味がないんじゃないか説

注意:【ゆる説】は、日頃「実は、こうなんじゃないか」と感じた説を、備忘録的にゆる〜く書き留めたものです。真偽は皆さんで確かめてください。

先日、沢尻エリカが逮捕されて、indeedのCMが公開わずか1日目でお蔵入りになるのでは、と話題になった。

当事者にしてみたら、CMの撮り直しなどで苦労が絶えないのだろうけど、理由はどうであれ、Twitterで話題になったことはせめてもの救いだったかもしれない。

そもそも、今のご時世、CMが話題になることは稀だ。

もちろん、話題の芸能人をたくさん起用していたり(例:アタックZERO)、TVであれYouTube広告であれ、しつこいぐらい流れていたりしたら(例:PANTENE HairWeGo)、少しは会話のネタにすることはあるかもしれない。

しかし、多くの人は、仕事や家族、恋愛、趣味など他のことで頭がいっぱいで、その中にCMが入り込む余地はそんなにないと思っていた方が健全だ。

ところで、皆さんはCMの内容をどこまで覚えているだろうか?

日本のCMは15秒から30秒と、諸外国に比べると短いということもあり、目に止まったとしても、せいぜい2つぐらいの要素しか記憶に残っていないことが多い。

具体的には、CMには、

・登場人物
・ストーリー
・メッセージ
・商品イメージ
・商品名
・ジングル/サウンドロゴ
・ブランド名/ロゴ

などの要素がある。

おわかりのように、芸能人の起用は、登場人物をフックにして、何とか人々の頭の中に爪痕を残そうとする行為だ。

実際、その効果は結構ある。というか、ありすぎる。

そう、みんなCMに起用された芸能人にしか注目していないのだ。

CMに関するTwitterのつぶやきを見てみても、「○○最高!」「○○ちゃん、かわいい」というものが多い。

そうした投稿を見ると、CMが世に出るまでのプロセスを知っているが故に、個人的には、なんだか少し悲しくなる。

社内の擦ったもんだの末、なんとか戦略を決めて、がんばって新商品もつくって、「あーでもない、こーでもない」と言いながら訴求するメッセージを決め、広告代理店からあがってきたクリエイティブ案を「なんかちょっと違うんだよねぇ」と何度も突き返しながら時間をかけてCMをつくってきたにも関わらず、オーディエンスが話題するのは芸能人のことばかり。

もちろん、芸能人が起点となって商品を認知したり、店頭で手にとってみたりする機会が増えることは重々承知しているし、実際にそれで何とか売上を維持している(つもりの)ブランドもいくつか知っている。
(そして、担当者が芸能人に会えるということも含め、CMづくりが楽しい、というのも一応理解はできる)

しかし、起用されている芸能人が好きだからと、その商品を選んでいる人は、競合がその芸能人を起用したら、すぐ浮気してしまうものだ。

芸能人にもよるが、芸能人を起用したCMは、1本・数千万円から、場合によっては億円超えもざらだ。

それだけの資金を投下しながらも、価値は自社のブランドではなくて、芸能人に貯まる。極論、芸能人がより有名に、より人気になるだけなのだ。

芸能人を起用したCMは、麻薬に似ている。
一度手を出したら、止められない。

そして、CMというわかりやすいアウトプットと、一時的な話題作りはできるから、マーケターは仕事をした気になってしまう。

だが、本当にそれが最善の策なのか。そのお金の一部でもいいから、生活者が継続して自社ブランドを選んでくれるような取組みに資金を投下できないのか。

沢尻エリカが逮捕されたのを受けて、そう感じる今日この頃である。

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