Granado Espada~グラナド・エスパダ~当時斬新だったMMORPGの失敗から学べること①
おはようございます。
#意識低い系社長 です。
本日は、『Granado Espada』という古いMMOロールプレイングゲームについて、お話をしたいと思います。
1.Granado Espadaとは
韓国のゲーム製作会社IMC Gamesによって開発・製作されたオンラインMMOロールプレイングゲームです。
3Dモデリングが非常に精巧に作られており、
当時は超美麗なグラフィックゲームでもありました。
2006年7月にハンビットで正式サービス開始し(当初は月額課金制)、
2006年12月よりアイテム課金制(基本プレイ無料)となっていました。
2020年2月5日に、2020年3月2日午前11時をもってハンビットでのサービス終了を発表。
同IDを所持しているユーザーは同年6月3日までにデータ引継ぎ申請を行うと、グラナド・エスパダ開発元であるIMCの提供の元、Steamから同ゲームを再開出来るようになりました。
👇 Steamページはこちら(もちろん無料でプレイできます)
2.世界観
架空の世界「グラナド・エスパダ」と呼ばれる新大陸を舞台に、プレイヤーは開拓者となって大陸に眠る様々な謎を解き明かしていくストーリーです。
プロットは大航海時代後のアメリカ開拓時代がベースになっており、
ゲーム内に登場する「ベスパニョーラ」はかつてのスペイン、
「ブリスティア」はイギリスをモチーフにしたものであり、
英西戦争におけるアルマダの海戦で「スペインが勝っていたら」という
「ifの歴史」を背景にしているようです。
ある程度、史実をモチーフにしてはいるものの、剣と魔法、マスケット銃やなぜか大口径対物ライフルや持ち運び可能なキャノンまでもが、混在する中近世未来ファンタジー的なものであります。
3.システム
MMORPGの基本は、プレイヤーが操作する自身のアバターは一人であり、
そのキャラクターに自身を反映させて成長を楽しむものでありますが、
本作の最大の特徴はプレイヤーが最大3人のキャラクターを同時に操作可能な「マルチキャラクターコントロール (MCC)」と呼ばれる戦闘システムです。
「複数の特徴の違うキャラクターの共同作業」の大部分を1プレイヤーで行えるため、敵の攻撃を引き受けるタンク(盾役)+大ダメージを稼ぐダメージディーラー(火力役)+ヒーラー(回復役)の編成を行えば、一人でのゲーム進行(ソロプレイ)が非常にやりやすくなっているのです。
同時に簡易的な自動戦闘が行える「キープモード」「ホールドモード」などの機能が導入されており、ほとんどのMMORPGで「チート」や「悪質行為」と見なされている「放置狩り」が公認されているのも本作の大きな特徴の一つです。
ただ、本作において、キャラクターごとの成長やステータス配分等の要素はあまり重要視されていなく、キャラクターメイキングの自由度は低い一方、ゲーム内で出会う様々なNPCを編入して使用することができるのです。
このNPC編入システムを分かりやすく言うと、街にいる武器屋さんのお願いとかを聞いてあげていると、キャラクターカードを報酬として入手することができ、それを使用することで自分の操作キャラクターにその武器屋を加えることができる、ということです。
このシステムは当時とても斬新でしたし、NPC編入という今まであまりなかった発想にとても興奮し、必死に編入のためのクエストアイテム集めを頑張った記憶があります。
4.音楽
本作はIMC Gamesとの業務委託契約によりクリエイターとして、キャラクターデザインに『ロマンシング サ・ガ』シリーズなどを手がける小林智美が参加していることでの美麗なグラフィックも売りでしたが、音楽もまた非常にこだわりをもって制作されたものでした。
『ラグナロクオンライン』のBGMを手がけるSoundTeMPなどが担当し、サウンドコンポーザーに『Beatmania IIDX』などを手がける音楽家の久保田修、TaQを起用しています。またDJ Tiesto率いるBlack Hole Recordingsの楽曲も一部使われています。
これらは開発者、キム・ハッキュ(ラグナロクオンラインの生みの親でもある偉人)の強い希望により実現したそうです。
参考までにYouTubeの全曲集のリストを貼っておきます。(作業用などにどうぞ ※割りとオススメです)
5.失敗と功罪
ここからはわたし個人の感想や見解です。
これほどまでに緻密に設計され、グラフィックもシステムも音楽も良かったゲームがなぜこれほどまでに廃れたのか。
わたしが考える理由はただひとつです。
基本プレイ無料化をし、ガチャやアイテム課金制を導入したこと。
結果として、一時的な集金力の強化に繋がったものの、インフレ化が一気に進み、高難易度コンテンツを作っては、新しい武器や防具のガチャをしなければ歯が立たない。という環境を創り出してしまったのです。
最も売りだったはずのレベリングや放置狩り、NPC編入も陳腐化し、ガチャ限定の強い新キャラクラーと新武器、そしてそれがないとクリアできない高難易度コンテンツだけがコンテンツとして残る、という見るも無惨な状況に成り果てました。
本作以降も、MMORPGやスマホゲーのほとんどはインフレ化せざるを得ない環境を作っています。
一時、「ユーザーの射幸心を煽る」ためのガチャという企画が漏れたことがありましたが、現実的な問題であるのです。今持ってる装備より弱い装備のためにお金を使う人はいません。結局、今持ってる装備より強い装備のためにお金を使うのです。
では、どうしても集金するためには、インフレ化をしなければならないのか、というとわたしはそれは違うと、断言できます。普遍的な価値を提供し続けることのできるゲームは作れると思っているからです。
その話は次の記事にでも。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
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