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ぐちぐち言いながら愛する、それがパリってやつなのさ!(4/18)

本格的に荷造りを始めた。パリのマンション(アパルトマンと言われるやつ)の多くはデジコートが付いており、それを押して最初の関門(ドア)を通過するシステムになっている。デジコードのないアパルトマンに住んでいる友人なんて出会した事がないレベルでの普及率だ。

私が契約したアパルトマン(何故カナダ訛り発音が正式なカタカナ表記なのか意味がわからないが)もデジコードが採用されており、ここ数日は不動産仲介業者さんからそれを聞き出すのに(また)何日も返事を待っている。デジコードがないと、荷物が出せないのだけどな☆〜(ゝ。∂)
ヤケクソのウィンカーといえば世武裕子、という異名を持ち始めて久しい。

「返事がないと宅急便が出せないので〜 シルバプレ〜!マダーム!シルブプレー!」と今日もメールを出した。
実際に返事が来るのは来週だろうか。来週だったら良い方だろうか。車を売却してしまう前にお願いしたいところだ。

色々と見積もりを見てみたら、私のような段ボールモノのみの荷物量であっても軽く30万円は超えてしまう。
作業の丁寧さを考えると日系の引越し業者さんの方が断然良いのは明らかだが、綿半で段ボールも買ってしまったし...(引越し業者さんの場合、中身を全て確認する意味もあり資材がサービスにインクルードされている)、こういうことにはケチな人間だし... と綿半ノスタルジックを拗らせながら、国際EMSに望みをかけることにした。

当時学生だった私は、留学する時に全てを船便で送った。3ヶ月後にぐちゃぐちゃになった段ボールがガムテープで辛うじて長方形に固定され、開封したら強盗に入られたくらい内容物もぐちゃぐちゃ、お気に入りの書籍はイカかタコのように舞っていた。本は読むものだと思っていたが、前衛的な芸術作品にもなるのだなと思った次第だ。

嫌な思い出だったといえばそうなのだが、殆どの体験談は、のちに、友人知人たちとの歓談タイムの花形となり大変優秀なものだから、嫌なことが易々と起こるフランスが好きなのかもしれない。(いや、ちゃんとせーよ!)

昨日フランス人&フランス帰りの日本人との会話でも、まさにそのことについて語り合った。
というかパリでは、この類の愚痴を皆んなが大風呂敷の上に並べて、常に博覧会が開催されている。さすがは社交界の国!
ドゴールとかポンピドゥーが大統領だった時代から続く、いにしえ系の博覧会だろうか。少なくとも、平成では毎日ほど同じ文句を言い、聞き、笑い、飲み、この文化は令和にもきっちり継承されている。

まず、あらゆる(主に行政関連の)窓口で、あらかじめ"アポイントメントを取って"行っても、5,6時間待たされるのが常識だ。
移民の手続き(私たち日本人も当然移民)に出向いても、世界中から集結しているワールドワイド・移民たちが総じて堪忍袋の緒をぶち切らしている。
しかし、ワールド・ヴェリー・ワイド・パリは我々よりワイドを利かせているため、平気で担当者二名とかで仕事を回し続けるのだ。

「世武さんったら、パリもコロナ禍で人員不足だったのよ!テイキットイージー☆〜(ゝ。∂)」と言うタイプのウィンカーもいるだろう。
ノンノンノン!これは私の留学生活中である2000年代のお話。コロナ君(相当な後輩に当たるので、高圧的に政治家的に呼んでみる)は、まだ生まれてもいないのだ。

何が言いたかったかというと、大して何か言いたかったわけでもないので文字の路頭に迷った。要するに、待たされるのが嫌だって話がしたかった?そうなの?
いや、荷造りに疲れて腰痛いなって気持ちがこれを書かせただけじゃない?

いずれにせよ、たったそれだけのことなのに、ここまであなたの時間を奪ってごめんなさい。

要するに(泣きのもう一回!)、私は本来、日本国内でも基本的に予約ができるお店を選んでいるし、人気レストランやカッフェで少し待つのすら「だったら空いてるお店でいいやん。大戸屋とかスタバで十分幸せだけど、どう?」とか言っちゃう生き物なのだ。

日本の待ち時間なんて世界陸上の100m並にあっという間でクイックだってこと、忘れがちになるよね。日本人の真面目さには、それが現代人の苦悩の種でもあるけれど、やはり素晴らしさを感じ入ってしまう。

でもさ、そんなぐちぐち言いながら愛する、それがパリ。どこかでパリジャン(できれば文系を推奨)に会ったら少し話してみてほしい。だいたい皆んな、愚痴ばっかり言いながらパリをとっても愛しているから!

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