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『フュリオサ』をようやく鑑賞するの巻(5/31)

昨日『Furiosa : A Mad Max Saga(マッド・マックス : フュリオサ)』を観るためにMK2に行ったのだが、座席が26席の部屋には悍ましいスメルが沈殿していて、この臭いには二分だって耐えられない!と、扉を開けて中に入ったその足で出口に向かい、結局映画を観ずに帰宅した。こういう時に、見放題カードは最高である。
本日仕切り直して、UGCにて無事に鑑賞したのだった。

アンチUGCが多い私の周辺(メジャー嫌いの映画インテリ多め)において、シネコンもミニシアターも大好きな私(だって、どんな映画館も映画が生き残る為に大切な存在だし、低予算だろうがメジャーだろうが面白い映画は面白い)は少数派だと思うのだが、インテリは大抵ごちゃごちゃ小難しいこと言ってきてかったるいので、黙ってシネコンの恩恵を浴びるように受けている。
そんなだから、メジャー系の会社が色々と批判されていることは知っているが、単純一辺倒に東宝やUGCのような会社を批判する気にもなれなかったりする。

「トイレが汚くて有名なフランスだけれど、UGCのトイレは結構綺麗なのだ」ということも書き記しておかねばならないだろう。

実際、26席しかなかったMK2のスクリーンは座席の段差も皆無、全席首を後ろに反らせて観上げるようにして観るしかない。UGCの超ワイドな巨大スクリーンで迫力の音響で観る方が、フュリオサのような映画は楽しかっただろうと思う。

逆にMK2には、規模としては大きくはないけれど、作家性と興行のバランスが良くて、制作国の色彩豊かな良い映画を期待している。ボブール館なんかは立地も含めて観やすくて好きだ。さらに単観系の映画館には、もっとニッチな映画を紹介し続けてくれることを大いに期待している。

肝心の『Furiosa : A Mad Max Saga(マッド・マックス : フュリオサ)』だが、『マッド・マックス』のあまりのおちゃめさにノックアウトさせられていたので、前作からの期待を勝手に背負いすぎていたかもしれない。思っていたよりガッツポーズが出るほどは私には刺さらなかった。下手に真面目なソルジャー映画になってしまった感じがする。

そしてマッチョで粗暴な男たちは、勿論それが役柄で、これはひとつのエンタメ、描写もデフォルトなのだと分かっていても、もう視覚が認知すること自体が耐え難くなっていたことに気付かされた。年齢と共に「マッチョで粗暴な男」への拒否反応が増し増しに増しているのが分かる。これは単純に筋肉質の男性たちが戦うことの批判ではなく、粗暴な男の野蛮な姿を面白さと割り切れなくなっているってことだと思う。

でも、女性が素晴らしくて男性が酷い、という逆差別みたいな間違った話=分断をただただ助長するような作りではなくて、女性でも女性を裏切る人はいるし、男性でも女性のことを理解して助けてくれる人はいるって事が描かれていた点は少しホッとした。

そういえば、前作のフュリオサがとても好きだったのだが、今作はフュリオサのお母さんが大好きだったなぁ。あんな女性になりたい。眼差し。

総合的な印象としては、流石のポストプロダクションが逆に功を奏しすぎていたせいで、全体的には疲れ切って映画館を後にした。

というのも、意外にもそんな作曲的な音楽は多くなさそうな印象だったが、あらゆるサウンドが鳴りまくっていて情報量が過剰(勿論、敢えて)だったからだ。
前作も愉快犯のように過剰な演出だったが、その点では前作の方が"過剰さ"を上手く逆手に取って着地させていたように思う。この辺りはシリーズものの難しさを感じる。

そういえば、『デューン2』も観なければ!すっかり忘れていたわ。

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