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毛業界に斬り込む!(7/10)

突然だが、皆さんは毛が多いのだろうか。
髪の毛、身体の毛、などあらゆる毛のことである。女性ホルモンが多ければ〇〇、男性ホルモンが多ければ△△、みたいに言われることが多い”毛業界”だと思うが、率直に申し上げてわたくし、髪の毛も身体の毛もかなり薄い方である。だいたいの人がホルモンと直系家族であるとするならば、私の場合はハトコくらいである。

脇毛などは年間で3本ほどの産毛がウブに生えてきて「なんだかお前も頑張ってんだな」と真っ直ぐと天井に向かって伸ばした右腕を下から覗くようにして声をかける。「右腕」と明記したのは、左の脇毛は産毛すら生えてこないからだ。

私の毛穴は一体どういう方針で生息しているのだろうか。面倒くさがりなタイプを自認してはいるが、毛穴までもが惰情を貪るとはいささか人間活動に消極的すぎるのではと不安になる。
先祖が猿時代にあまりにも頑張ったせいで、今世2024年もまだ少し休み休みやりたいという話なのだろうか。

これで髪の毛がふっさふさに豊かに生えていたならば、「私ってぇ、多くの女性が夢に見るような身体の毛穴がない女なの。でも髪の毛はふっさふさだから女性ホルモンが強いのかも。モテちゃってごめんなさいね?」とティモテ(多分、死語)のような髪の毛を気だるく掻き分けながら言い放ったであろう。

しかし現実の私は、女性ホルモン大先生に伺いを立てたり、媚を売ったりしているにも関わらず、細くて薄い髪の毛をネズミのしっぽのように気持ちばかり束ねている。
“ポニーテール”? - ノンノン!マウステールです。

あまりに私の媚び諂いを無視してくるものだから、実は友達とかには陰口を言ってる。「あいつまじ性格わるいから。たかだか毛のくせに調子乗んな!ほんとは全然好きじゃないのに媚び売ってやってんだろ!」とか、そういう悪口をめっちゃ言ってやっている。(ん、だから生えてくれないの?涙)

所詮毛のくせに、私の友達にも嫌われたらいいさ、ざまーみろ!!!.......

私に女性たちから羨ましがられる点があるとすれば、ドライヤーが秒速で終わってしまうところくらいだろうか。あとは永久脱毛のお金を節約できるところもか。まあ、何も羨ましがられるところがないよりか、私にもそれくらいの特典は許してくれ。

そんな私の地肌スケルトン頭頂なんかにおいては、病院や美容院で気遣って「いや、そんなことない」的な方向のフォローを頂くが、そんなことはあるのでフォローは不要だ。

そもそも、人類はなぜそんなに毛を重要視しているのだろうか?歳を重ねて頭皮が薄くなる男性たちの会話をそれなりに埋めたり、芸人のネタになったり、サラリーマンの自虐ネタになったりとみんな毛に夢中なのである。

私は自分がこうだからか、ベアトリス・ダルの脇毛を観て目をキラキラさせたりとか、ラックス・スーパーリッチのCMでスーパーリッチ風の髪の毛を見せびらかす(言い方!)美女に「いいじゃない?」と思えど、髪が薄かったり、体毛が濃い人に対して何も思わない。
髪の毛が薄いことに触れる時「私ちょっと禿げてるねんけどぉー」と会話を始めたところで、同情もフォローも貶し言葉も求めていない。
ただの事実の話をしているだけなのだ。「昨日の夜カレー食べてんけどぉー」と同じ重力の話なのである。

皆んな、厳しい。毛に厳しい。
やはり我々は猿だったということだろうか。
猿だった時の記憶を懐かしみ、毛があることは誇らしいという価値が生前から植え付けられているのかもしれない。

パリの公園にて、モンチッチとか具志堅用高さんなどを思い浮かべながら毛について考えていたら、すっかり一時間が経過していた。

毛ッ!

((((;゚Д゚)))))))

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