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【Covid Quarantine Birding <キョウジョシギ>】

キョウジョシギは代表的な渡り鳥。漢字で「京女鷸」と書くのは、京の女が着る着物のように美しい羽の模様だからというのが通説です。
お世辞にも派手な感じのしないシギチドリ類の中で、キョウジョシギの模様は圧倒的な美しさを誇っています。(オスだけ)
一方で英語名は、とってもつまんない。何せRuddy Turnstone(赤い"石のひっくり返し")。石をひっくり返して餌を探す習性からTurnstoneなだけ。日本語名の方がずっと趣深い。

Turnstoneの仲間は世界に2種類しかいません。
・Ruddy Turnstone(キョウジョシギ)
・Black Turnstone(クロキョウジョシギ)
僕らがいつも見てるのは赤い(Ruddy)やつ。
アラスカに行けば、ブラックがいます!

さて、石をひっくり返すからTurnstoneという名前が付いているキョウジョシギですが、シギチドリ類の中では、例外的に複数の餌をとる手段を持っている鳥です。
他の鳥はクチバシの長さに応じて、泥の中の小生物をついばむスタイルを一種類持つのが一般的。
キョウジョシギが複数の採餌手段を持ってることは、彼らの生存戦略を有利なものにしています。
そしてキョウジョシギは、スカベンジャーとして有名。ココナッツ製品のお菓子から人間の死体まで食べてしまうらしい。
では、キョウジョシギが持つ6つの採餌の方法を見てみましょう。

❶ルーティング
海藻を"叩く"、"取り除く"、"突っつく"ことで、海藻の下に隠れている甲殻類等を見つけ出します。

❷ターニングストーン
キョウジョシギの"王道の"餌とりの方法。
クチバシです石をひっくり返して、石の下に隠れている餌を見つけます。
Turnstoneの名前の由来です。

❸ディギング
クチバシを地面の上に突き刺すことで穴を開けます。穴から出てくる餌を突きます。この場合餌は虫です。

❹プロービング
クチバシを4分の1の長さ以上地面に挿入して、餌をついばみます。

❺ハンマープロービング
クチバシは"ハンマー"として、殻を叩き壊します。それからクチバシを突き刺して餌をとります。

❻サーフェスペッキング
地面を突っつくことで餌を捕らえます。

という事で、キョウジョシギはまるで、延髄斬り、卍固め、スリーパーホールド、腕ひしぎ逆十字、アリキック、ナックルパートを繰り出すアントニオ猪木のようですが、そう言えば猪木のトレードマークはキョウジョシギの羽と同じ「赤い」タオルでした。(すみません、昭和のオヤジにしか分からないネタです。)

キョウジョシギの世界的な個体数は安定していて、総個体数は約450,000。そのうちの一部が日本にもやってきて、僕らを楽しませてくれます。

#キョウジョシギ  #野鳥 #バードウォッチング

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