sebastian_hiranaka

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  • (小説)ロックの冒険

    イソヒヨドリのロックが、仲間と助け合いながら冒険の旅をする物語です。

  • 野鳥豆知識

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ロックの冒険(外伝❸)

長い旅の後、ロックは懐かしい海へと帰ってきた。 ミラン、ブルース、スターリング、バートンとは途中でお別れした。 ロックは久しぶりに海を見た。 海にはテイリーの仲間のウミネコたちや他のカモメたちが待っていた。 「よう、ロック、元気に帰ってきたかー!」 ルコームが空を飛びながらロックに声をかけた。 ルコームはオオミズナギドリだ。 ほとんどを海で過ごすオオミズナギドリのルコームは、休む時も海の上で、カモメたちと同じように空から魚をとつて食べていた。 「やあ!ルコーム、久しぶり!僕は

    • ロックの冒険(外伝❷)

      ロック、クロウ、テイリーたちは海に向かって飛んでいた。自分たちの故郷に帰るために。 ロックたちは喉が渇いた。水を飲むためにたくさんの水が溜めてある田園地帯へ降りた。 そこには見たことのない美しい2羽の鳥がエサをついばんでいた。 全員がうっとりと眺めていた。 イソシギのバートンが言った。「皆あの鳥を見たことないの?あれはセイタカシギだ。」 「セイタカシギ?確かに背が高いね。」テイリーが感心したように言った。 「ねえ、君たち!」バートンが2羽のセイタカシギに声をかけた。 「なーに

      • ロックの冒険(外伝❶)

        ロック、クロウ、テイリーたちは海に向かって飛んでいた。自分たちの故郷に帰るために。 「ねぇテイリー、少し休もうよ。君はウミネコで体が大きいから長く飛べるからいいけど、僕は大変なんだよ。 「分かった、ロック。すぐ近くに林があるから、あの近くで休憩しよう。」 テイリーを先頭に鳥たちは林に向かって降りていった。 林に着き、ロックたちは羽を休めた。今自分たちがどの辺りにいるのか、いつここを出発するかを語っていた。 その時、とても低い声がその場にいた全員に聞こえた。 「おい、お前たち

        • ロックの冒険(最終回)

          僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。 森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。 「ギヤー!」という苦しそうな声を出して女王ミニベットが羽をばたつかせた。 ロックやミニベットの手下たちが一斉に女王の方を見た。 そこでは、ハシボソガラスのクロウがミニベットの首に噛みついていた。 「クロウ、何をする?お前は私を裏切るのか⁉︎」ミニベットが苦しそうな息で毒づいた。 「ミニベット、お前の命令で生きていくなんてもう嫌なんだ。ロックとここまで一緒にここまで旅をして

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        • (小説)ロックの冒険
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        記事

          ロックの冒険(27)

          僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。 森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。 翌日ロックとシュラーは森の奥、すなわち女王ミニベットがいる大きな木の場所へ、こっそりと向かっていった。 そこには今はミニベットが枝にとまっているだけだった。 「よし、まだアオゲラやイカルたちはいないな。」シュラーが言った。 ミニベットは枝で毛繕いをしていた。女王の名にふさわしく、紺色の美しい羽の一つ一つを手入れしていた。 ミニベットの周囲を見渡してみる。一見鳥は何もいない

          ロックの冒険(27)

          ロックの冒険(26)

          僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。 森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。 以前ウミネコのテイリーが言ってたことをロックは思い出した。何か助けがいるときは、空に上がってテイリーの名前を呼べばいい。 ロックは周りを取り囲まれる前に1人で、できる限り上空まで飛んだ。ロックの羽がちぎれるくらいの羽ばたきで、ぐんぐんと大空へ昇っていった。そして叫んだ「テイリー、テイリー、助けて!」 ロックの声がウミネコのテイリーに届いたのかは分からない。しかしできる限り

          ロックの冒険(26)

          ロックの冒険(25)

          僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。 森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。 ムクドリのスターリングが以前言っていた。 もしミニベットの魔法を解く方法が分かったら、シジュウカラのティットを助けてほしいと。 モズのシュラーの仲間もミニベットの魔法で石にされている。 どうにかミニベットの魔法を解いて森を救わないといけない。シュラーにいたってはミニベットを裏切ったから、捕まったら殺されるだろう。 フクロウのローリーが言

          ロックの冒険(25)

          ロックの冒険(24)

          僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。 森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。 ヤマガラの群れのバリドが、ロックとクロウとシュラーにだんだんと近づいてきた。3人は目をつぶったまま反撃の瞬間を待った。 「今だ!」シュラーが叫んだ。 3人は一斉に枝から飛び出し、周囲を囲んでいるヤマガラたちに噛みつきはじめた。 ロックが1羽のヤマガラと戦っていると、その背後にも別のヤマガラがやってきて、ロックの青い羽をむしろう

          ロックの冒険(24)

          ロックの冒険(23)

          僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。 森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。 グロスビーたちイカルとロック・クロウが争っている中に、一羽の鳥が飛んできた。 「シュラーだ!」ロックが叫んだ。 モズのシュラーが猛スピードでグロスビーたちに突進してきた。 「キーッ!」と叫びながら、シュラーがグロスビーに体当たりした。 グロスビーが体勢を崩して下に落ちていった。 「ロック、大丈夫か?」 「ありがとう、シュラー助かったよ。」 「オレたちモズはな、小さな猛禽類

          ロックの冒険(23)

          ロックの冒険(22)

          僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。 森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。 モズのシュラーは言った。「東の陣地を守っているのはミニベットの手下のグロスビー。イカルだ。大きな黄色いクチバシがあいつの武器だ。」 シュラーと別れてグロスビーのいる東の陣地の下までやってきた。 イカルのグロスビーは大きな目で周りを見渡しながら枝にとまっていた。 その木の下でロックとクロウは話し合った。 クロウが言った。「なぁロック、イソヒヨドリのお前は翼が青くて目立つ。

          ロックの冒険(22)

          ロックの冒険(21)

          僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。 森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。 枝にとまっているオレンジ色の鳥がロックとクロウに気づいた。 ただこちらを見ているだけで、2人を襲ってくる様子はない。ロックは尋ねてみた。 「君はここで何をしているの?」 オレンジ色の鳥は答えた。「オレはここで食べ物が見当たらないか探してるだけだ。オレの名前はシュラー。モズだよ。」 今度はクロウが聞いた。「おい、お前はミニベットの手下じゃないだろうな。」 「オレはここで女王

          ロックの冒険(21)

          ロックの冒険(20)

          僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。 森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。 「そこにいるのは誰だ!」 森の入り口に着いたロックとクロウは、そこで恐ろしい声を聞いた。 針葉樹の上の方からその声は聞こえてきた。ロックとクロウは思わず上を見上げた。 木の上から2人を見下ろす大きな鳥がいた。 「あいつはアオゲラだ」クロウが言った。 「クロウは知ってるの?」ロックが聞いた。 「ああ、噂で聞いたことがある。ミニベットの手下で

          ロックの冒険(20)

          ロックの冒険(19)

          僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。 森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。 大空を悠々と飛んでいるトビを見るたびにロックとクロウは、「あんな上空まで飛べたらきっと楽しいだろうな。」と思っていた。 そんな時、一羽のトビが近くまで降りてきた。 茶色い羽がとてもかっこよかった。 「ねぇ君の名前は?」ロックが聞いた。 「オレ?オレの名前はミラン。お前たちは?」 「僕はロックで、隣にいるのがクロウ。」 「お前イソヒヨドリだな。なんでこんな内陸まで来てるんだ

          ロックの冒険(19)

          ロックの冒険(18)

          僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。 森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。 ロックはどうやったらナーシーに気に入られるか、そればっかり考えるようになった。 時々ロックは川で羽を濡らしてきては、丁寧に羽繕いをして自慢の青い翼をピカピカにした。 イソヒヨドリの鳴き声はそれはそれで美しいけど、キビタキの透き通るような鳴き声にはかなわない。 ロックはナーシーの前で歌を披露しようと、一生懸命練習した。 それを見ていたクロウは呆れ

          ロックの冒険(18)

          ロックの冒険(17)

          僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。 森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。 だんだん森が近づいてきた。そんな時だった。ロックがナーシーに出会ったのは。 キビタキのメスのナーシーは、広葉樹が茂る木の根元で、ちょこっと座っていた。 つぶらな瞳と愛らしい表情にロックは一瞬で恋に落ちてしまった。 ロックが最初にナーシーにかけた言葉は、「ここにはエサはたくさんあるの?」だった。ロックはなんとも気の利かない言葉をかけてしまったものだと後悔した。 明らかにロ

          ロックの冒険(17)

          ロックの冒険(16)

          僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。 森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。 「おいロック、怪しい天気になってきたぞ。」クロウが言うように、外は厚い灰色の雲に覆われ、風がだんだんと強くなってきた。 「クロウ、どこか雨宿りする場所が必要だね。近くに大きな木とかないかな? 2人はしばらく雨宿りができそうな木を探した。 少し移動した所に、偶然適当な木を見つけた。 「クロウ、見てみて、あそこに鳥の巣があるよ。」 見ると確かに鳥の巣があり、雛が時々顔を出して

          ロックの冒険(16)