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【Covid Quarantine Birding <コブハクチョウ>】

白鳥…という響きを聞いて、バーダーである僕たちは、オオハクチョウやコハクチョウが越冬のために北国から渡ってくることを考えます。
だけど一般の人が白鳥と言って身近に見る機会が多いのは、コブハクチョウのはず。
なにせ皇居のお堀にもいるし。
本来は中央アジアからヨーロッパにわたる地域に生息する鳥なので、日本で見られるのはもちろん飼育個体。(写真のコブハクチョウも飼育されてる。)

最近では千葉県の某所で繁殖数が多くなってしまい、問題になってるというニュースも聞きますが、連れてきた人間が悪いのであって、もちろんコブハクチョウに罪はない。
一方でヨーロッパでは、古来よりその優雅な姿から様々な形で文化に溶け込んでいる鳥です。

アンデルセンの「みにくいアヒルの子」は、コブハクチョウの雛の物語。
しかもコブハクチョウは現在デンマークの国鳥。
チャイコフスキーの「白鳥の湖」は、悪魔の呪いで王女オデットがコブハクチョウに姿を変えられてしまう物語。
オランダの画家ヤン・アセリンの描く『威嚇する白鳥』は、オランダが独立する際のシンボルになりました。

ところで日本語のコブハクチョウって名前。黒いこぶがあるからコブハクチョウというカッコ悪いネーミングになってますが、英語ではMute Swan。
Mute(ミュート)って、英語が苦手でも知ってる人が多い「音を消す」という意味。
これは「白鳥が鳴き声を上げるのは死期が迫った時だけ。普段は鳴かない。」と言う俗信があって、そのためMute(無音)と名付けられたらしい。
実はドイツ語では、Höckerschwan(ヘッカーシュバン)と言って、日本語と同じ"コブのある"ハクチョウという意味です。

ということで、今夜は久しぶりにチャイコフスキーの「白鳥の湖」でも聴きながら寝ようかと考えているのです。

#野鳥  #バードウォッチング #白鳥 #コブハクチョウ

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