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ロックの冒険(20)

僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。

「そこにいるのは誰だ!」
森の入り口に着いたロックとクロウは、そこで恐ろしい声を聞いた。
針葉樹の上の方からその声は聞こえてきた。ロックとクロウは思わず上を見上げた。
木の上から2人を見下ろす大きな鳥がいた。
「あいつはアオゲラだ」クロウが言った。
「クロウは知ってるの?」ロックが聞いた。
「ああ、噂で聞いたことがある。ミニベットの手下で、あいつに捕まったら、ミニベットのところに連れて行かれてしまうらしい。」
「クロウ、どうしよう?」
「とにかく逃げるんだ!早く!」クロウがそう言っている時、アオゲラが2人の元へ飛んできた。

いつのまにかアオゲラは3羽になっていた。
3羽のアオゲラが追いかけてくる。
ロックとクロウは全速力で飛んだ。2人がどんどん飛んでいると前の方に大きな倒木が横たわっていた。
「ロック、とりあえずあの倒木の下に隠れるぞ!」
2人は倒木目がけて急降下していった。ロックは以前ヒヨドリのブルースから教わった空を滑空するやり方で、地面すれすれの小さな隙間から倒木の下に逃げ込んだ。
アオゲラは、もう追いついているはずだった。
ロックとクロウは息を潜めて倒木の下でじっとしていた。
しばらくするとアオゲラの声が聞こえてきた。
「おかしいな。あいつらはどこに消えたんだ。」
「森のずっと奥に行ったのかもしれませんよ。」
「いや、グリュン隊長、あいつらは右の方に行ったに違いありませんぜ。」
「そうか」グリュンたちは右の方へ飛んでいったようだった。

ロックとクロウは、アオゲラの気配がなくなると、ほっとしたように口を開いた。
「危なかったね。クロウ。」
「ああ3羽いたな。あいつらのリーダーはグリュンって名前なんだな。」
「クロウ、これからどうしよう。」
「そうだなぁ。前ムクドリのスターリングが言ってたことを思い出そう。」
「確か、ローリーというフクロウが女王ミニベットの魔法を解く方法を知っていると言ってたよ。」
「そうだ。この森のどこかにローリーがいるはずだ。まずはローリーを探すとしよう。」

ロックとクロウは、フクロウのローリーを探すために前進を始めた。
森の中は薄暗く太陽の光はあまり地面には届かず、緑の屋根が覆っているようだった。
2人はグリュンたちに見つからないように気をつけながらゆっくりと飛んでいった。
ローリーを見つけるのに手がかりになるようなものはないか、とにかく味方になってくれそうな鳥に出会ったら聞いてみるつもりだった。
しかし、その鳥はロックたちの味方なのか敵なのは分からない。とにかく一か八かだった。

しばらく森の中を飛んでいた2人は、目の前の横に伸びた枝に、1羽の羽がオレンジ色の鳥を見つけた。

(次回に続く)

#小説 #冒険小説 #野鳥

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