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【Covid Quarantine Birding <ツミ>】

ハイタカは英語で「Sparrowhawk」と言います。"(雀のように)小さな鷹"という意味ですね。
そしてツミは「Japanese Sparrowhawk」で、Japanese が付いてます。直訳すると"ニッポン・ハイタカ"。猛禽類の英語名でJapanese が付く鳥は他に無いのですが、日本人の我々に、こよなく愛されている鳥に間違いありません。そして「ツミ=雀鷹」という和名も僕らにしっくりきます。
ちなみにChinese Sparrowhawkは「アカハラダカ」です。

ツミは都市部の公園でも観察できる鷹の仲間です。その理由として都市部の緑化が進み、繁殖のための環境が増えたことにあります。大都会東京の中にも何箇所も営巣する場所があります。
冬季は東南アジアや中国南部で越冬し、夏季は繁殖のために、遠く旅して日本にやってきてくれます。

そして都市の公園という環境の中にあって、ツミほど近隣住民に温かく見守られている鳥はいないと思います。
ツミのカップルができ、公園の木の上に巣を作ったあたりから、近所の皆さんの応援が始まります。白いモフモフの雛が産まれたあたりが人気のピーク。
巣にカラスが近づいたりしたら、地元住民の皆さんは「もうカラスの意地悪め!」と罵り、ツミのお父さんがカラスに反撃して追い返すと「おー!」という歓声が上がる。
近所の子どもたちもお母さんと一緒に見に来てて、お巡りさんに「はーい、皆いい子だから、道路の外に出ないでツミの赤ちゃんを見ようね!」と注意を受けています。
(これは東京都内某所で実際に見た光景)
普段バードウォッチングに興味のない地元のおじいちゃんやおばあちゃんも、ツミを見るために双眼鏡を首からぶら下げて見にきたりします。

昨年も地元の公園でツミのお父さんとお母さんが子育てをしていたので、僕も在宅勤務の後で見守りをしていました。
ツミのお父さんが狩りに出かけても、獲物を持ってきてくれないと、巣を守っているお母さんが追い返してしまう場面も見ました。「あなた!父親でしょ!子どもたちのためにちゃんとご馳走を持ってきなさいよ!」と怒られているようでした。再び狩りに出かけるツミのお父さんの悲しそうな姿を見て、ここでも男の悲哀を感じてしまうのでした。

さあ!ツミの季節がやってきました。
今年も可愛い赤ちゃんが元気に育ってくれるでしょうか。今から楽しみです。

#野鳥 #バードウォッチング #ツミ

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