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危機管理能力と反面教師
生きてるうちで「コイツには近づかないでおけ!」と本能が叫びたがってる!って時があると思う。(あるか?)
心がザワザワする、もしくは警告音のように鼓動が高鳴る時がある。
恋ではない。
それは断じて恋なんかじゃない。
1000%ラブとかそういうアレじゃない。
人間の本能が「そいつはアカン」と言っているのだ。
ある人に言われた
「本当に必要な人に会ったらザワザワしないし、ソワソワしない。感覚で嫌な気持ちにならない」
と…
確かにそうだ。
私にも数人、心当たりがある。
とても不快な存在が。
そのうちの1人が父方の血を色濃く受け継ぐ男、長男である。
これを本人に言うとバチクソにキレられて、殴られる。
だから決して口にはしないが、本当に何か何までそっくりでDNAの恐ろしさを痛感する。
とにかく沸点が低い。
沸点が低く、あと先考えずに衝動的に行動する。
感情が先に立ってしまう。
しかし小心者。
誰かと連んでいないと自我が保てない程にチキンハート。
自分が他者より劣っていることが許せない。
だから自分より弱い人間や自分より強いものを常に近くに置きたがる。
例えば友人がいい大学を出る、もしくはいい会社に入る。そのご友人は自分の努力でそこまで上り詰めたのだろうが、長男は何故か自分が本人であるかのように誇りを持って話す。
まるで自分にその人が憑依したかのように話す。
他人のステータスが=自分のステータスなのだ。
だから長男の自尊心とステータスは常に他者とともにあるのだ。
生きづらいな。
そのせいか。類は友を呼ぶのだろう。
長男の周りには常に長男の自己肯定感を爆上げして、モンスターに仕立て上げる人間が集まる。
モンスターがモンスターを呼ぶ
モンスターがモンスターを作る
誠にこわい世の中である。
自身がモンスターだと知らないまま、他のモンスターを異常者扱いし、非難する。
悲しきモンスターの末路だ。
私が高校生の頃、イキった長男が知らずに足して20になる自由業の車に喧嘩を売ったことがある。
車が運転中にぶつかりそうになったと…そして、その話はどこをどう聞いても長男が悪い。それなのに、「どこ見てんだクソが」的な事を言ったらしい。
言葉を知らないチンパンジーかお前は…
あっという間に黒塗りの車に囲まれたそうだ。
想像してみて欲しい、そんな面白い光景漫画でしかなくない?しかも割とギャグよりの漫画。
命からがら逃げてきた長男は、どういう経緯かモンスターの祖、父親に助けを求めたらしい。
らしい、というのは経緯をちゃんと聞かされていないからだ。
バイトの帰り道に突然、知らない番号か着信。出てみれば開口一番「今は家に帰るな」と言われた私の気持ちを察してほしい。
しかも愛人を作って新しい家庭を築き、養育費すら払ってもらえず、父親らしいことをしてもらった記憶のない男に命令されたのだ。
「知るか!命令すんな!」
とキレたが母親に電話が代わり「帰らないで、今日はおばあちゃんの所に行ってほしい」と告げられた。
当時、まだ母親を好きだと思っていたのでその言葉に静かに従った。
しかし、謎が謎を呼んでいた。
東の名探偵もビックリ展開。
なんで母は父と一緒におるん???
何も納得できないまや、父方の祖母の家に向かった私が目の当たりにしたのは、テーブルを囲んで神妙な顔をした元父親と母親、同じく何も知らされずにきた弟、そして俯いて震える長男の姿だった。
「で?なにがあったの?」
その場に到着し、ことの経緯を聞かされた私苛立ちが抑えられなかった。
「にいちゃんのせいじゃん」
空気を読めない私は言葉にしてしまった。
誰が聞いても長男のせいじゃん。
なのに私は大人たちから「兄を責めるな」「もう何も言わないであげて!」と責められた。
解せぬ。
家に戻ってからも家電にヤ○ザから「兄貴いるか?」と再三電話がきた。
ヤ○ザの情報網まじこわい。
ヤクザに巻き舌で、大声で責められたら震えてしまう。正直震えて声も出なかった。
だって私まだ15歳かそこらでしたからね。
逢いたくて震えるのではなく、電話を取ってしまった後悔で震えるのだ。
何も言えず黙っている私から受話器を奪い取ると母は「弁護士を通してください」とガチャ切り。
カッケーとは思ったけど、いつの間にか弁護士が入っていて驚いた。
どこで入ったん??
そして、知らないうちにこの事件は弁護士が頑張ってくれたのか、私の知らない間に収束していた。
この後に書くが、ヤバいやつの知り合いはだいたいヤバいやつ。
悪い奴は大体友だち
この弁護士も人として倫理観置いてきた人間だったと、この時は知る由もなかった。
数ヶ月後新聞を眺めていた長男が笑いながら私に伝えきた。
あのヤクザが捕まったと新聞に載っていた。
「悪いことする奴は天罰がくだるんだよ」
あと先考えずイキって相手に喧嘩を売り、青ざめて小鹿のように震えて、周囲の大人たちに助けてもらった人間が言っていい台詞じゃない。
お前、ダセェ事すんじゃねぇよ(by:孫六)
兄は軽蔑の眼差しで見る私に1ミリも気づいていないようだった。
実におめでたい。
この一件については、一言も謝られてない。
「迷惑かけてごめんな」もなかった。
素直に文句を言っただけなのに周囲の大人たちから、被害者を責めるメディアの如く叩かれた。
私の気持ちを誰か優しく包んでほしい。
大人に守られたモンスターは何を勘違いしたのか自分の行いが間違っていなかったと捉え、この後もモンスターとしてのレベルを上げていった。
モンスターは、自分を写す鏡
私はこれから先もこれを肝に銘じて、こんな人間にならないように生きていと思う。