ズボンの上にだらしない下っ腹をのっけてみる
変な人っていうのはなんだろうか。
何かが普通じゃないってときに人は変だぞっておもう。でも普通って誰が決めるんでしょうね。
【あらすじ】
色白太っちょの精神科医、伊良部一郎に出会っってしまった病める5人の患者の物語。コイツ頭おかしくないか?ただのマザコンデブ?この精神科医ほんとに医者か?
みんなそれぞれ精神的な病を抱えているけれど、この変人デブと話していると、なんでだろう、癒されて、いる…?
読み味はとっても軽くて、クスッと笑えて、かと思うとムムッと立ち止まって考えさせられてしまう不思議な小説でした。
自分がおかしいと思うときは大抵無意識の比較対象が存在している。「ほらね、みんなはやっぱりこんなことしないよ、俺だけだよ。俺おかしいんだ、はやく普通にならなきゃ。
ものごとをこういう風に考えると、どんどん追い込まれてしまう。普通からの逸脱という恐怖の風船は膨らみ続ける。膨らむにつれてフレームからはみ出てしまった部分を詰めて、詰めてフレームに当てはめこもうとすると風船は割れそうに、下手をすると割れてしまう。
そんなときに、「べつに風船膨らんでてもいんじゃない、フレームいらなくない?」って自分よりも膨らんだ風船から言われると、なんだか突然フレームを気にしていたことがすごくマヌケなことに思えてくる。
ただ、現実にこれを実践するのはとても難しい。蛇の道は蛇じゃないけれど、自分も蛇にならなくてはならない。汚れている人をみたときに、自分をより汚れて見せるために泥に飛び込む覚悟がなくてはならない。なかなか人のために泥に飛び込むというのは難しい。
だから、みんなでぶくぶく膨らんだらいいんじゃないかな。笑
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