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くまくん
2020年5月31日 22:51
8年前、2012年のある夏の夕方。目にうつる景色のほとんどは青みがかっていた。浪人生のぼくは、管楽器の音に包まれながら象さんの滑り台の踊り場の上で缶コーヒーを片手にただ立ちすくしていた。それは本当に些細な楽しみに過ぎなかった。これがこんな辱めを受けるなんて予想だにしなかったのだ。浪人生の1日は、キンキンに冷えてやがるビールに喜ぶ賭博狂いの地下労働者と変わらない、いやそれよりひどいかもしれな