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僕が小説を書けない理由 #日記
2024/12/01
小説が書けない、という悩みがずっとある。昔から憧れがあって何度もチャレンジしているのだけれど、どうしても途中で挫折してしまう。
その原因は、決まって“行き詰る”からだ。より具体的に言えば、書いているうちに、どんどん自分のなかで矛盾に気付いてしまうのだ。
小説というのは、エッセイとは違ってフィクションだから、登場人物の感情や行動の裏側には、作者の思想が必ずあるはずだ。
しかし登場人物の葛藤や悩みを文章に書き起こしていくと、必ずその理論に矛盾が生じてしまい、いつのまにか破綻してしまう。
僕は普段から頭の中で色んなことを考えているつもりでいる。実際、物事に対して悶々と考えをめぐらすことは多い。でも、会話や文章という形で日々の思考を吐き出すと、途端に普段の思考というものが自分よがりで穴だらけであることが露呈する。
意気揚々と話し始めたのはいいものの、喋っているうちに次々に反論と指摘が頭の中に浮かんできて、話の落としどころが分からなくなってしまうのだ。
これは小説を書くうえでは致命的だと思う。ひとつの話を完結させるためには、自分が伝えたいことに一貫性と盤石な土台が必要不可欠で、それが足りないと途端にストーリーに妥協が混じる。読者には、著者が途中で迷子になっているとすぐに気づかれてしまう。それでは小説に没入することは不可能だ。
普段から思考を巡らせる癖は続けるべきだと思うが、その思考をしっかりと整合性と一貫性をもって、ある程度結論まで持っていけるようにならなければ僕はきっと一生小説が書けないんだろうな・・・と思うのでした。
先日読み終わった『サンショウウオの四十九日』は、その意味で傑作だと思った。難しい哲学的なテーマで、しかも自分とは全く別の境遇の人間の思考について、ブレなく具体的に深く議論を進める文章力は流石としか言いようがない。朝比奈秋さんのように、複雑な思考を整合性を持って書けるようになるにはどうすればよいのか・・・
小説家への道のりは遠い( ;∀;)