長旅を終えて #日記
2024/11/4
鈍行を乗り継ぎ、帰宅。4日間まるまる空けていた自室は、ひとのに匂いが薄れて無機質な空気に包まれている。
4日前の朝、電車の時間ギリギリに起きたせいで慌てて家を飛び出したものだから、部屋がだいぶ散らかっている。まあとりあえず休憩して、あとでゆっくり部屋の片づけをしよう。
青森に行ってきた。4日間の旅を長旅と豪語するには少々訳があって、青森には今回で2回目。関東在住の僕にとってもちろん気軽に行ける場所ではない。でも短期間に2回も行ったものだから、今回の旅でかなり身近な場所に感じるようになった。
青森で友人たちと現地集合だったから、それまでの道中はひとりでゆっくり過ごした。仙台は駅構内を散歩してスタバに寄ったくらいだったけど、盛岡では3時間くらい自由に市内を散策する時間があった。
徒歩圏内の範疇でも、知らない土地なら散歩だけでも十分楽しめる。観光スポットにタイムアタックのように巡る旅より、散歩するだけくらいの気軽さを持って旅行するほうが性に合っているのだろう。
盛岡にあるNagasawa COFFEEにずっと行きたかった。自家焙煎も行っていて、お店の内装や商品のパッケージデザインに至るまでそのセンスが本当に好きだった。夫婦や友人と一緒に訪れる人が多い中僕は一人で入店した訳だけれど、コーヒーやカフェについては少々オタク気質なところがある僕にとって一人でしみじみ店内の雰囲気を味わうのも悪くないと思った。
スタッフの方たちとも色々と会話をしてもらって、珍しさで選んだエルサルバドルのホットコーヒーが本当においしくて、ついつい帰り際に豆も買ってしまった。
気に入った場所のトートバッグを集めるのが趣味の一つで、なんとカフェのロゴが印刷されたイカしたトートバッグがレジ前にあるもんだから、それも買ってしまった。思わぬ出費ではあったけど、それ以上に僕の心は満たされました。是非また生きたい。
旅の道中で久しぶりに大学の課題云々のしがらみから解放され、待ち時間には駅で買った本を読みながら、でも景色はしみじみと眺めながら、地味だけど充実した旅だった。
旅先で友人と沢山語り合った。大学のこと、恋愛のこと、これからのこと。みんな自分の人生に葛藤してて、自分だけがうまくいっていない訳じゃない、なんて当たり前のことを確認し合った。
人と話しているとよく考えることは、僕が如何に凡人かということだ。
人並みに頑張って、失敗して、失敗の合間に少し成功できたような気がして、漫画の中の登場人物みたいなイベントには遭遇しない人生だけど、だからこそ書きたい文章があるなあと今回の旅で何度も思った。
ひとり知らない土地で知らない人々を眺めて、ぼんやり街を歩いているときにしか湧き出てこない創作意欲はきっとある。そして、友人と語り合わないと気づかない己の幼さがある。そんなことを考えながら過ごした4日間であった。