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恐怖の履修登録

2024/9/26

履修登録の時期が来た。留年すれすれの低空飛行をしている僕にとって、履修登録でミスを犯すということは留年に直結する。『留年』という2文字に対峙したとき、ひとは20代の一年間という時間の重みを激しく痛感し、この先のキャリアに大きく影響するということを再認識するのだ。

私が所属する工学部では、進級条件というものが存在する。必要な単位が3年生が終わるまでに取得できていなければ、そもそも4年に進級できないのである。

つまり今までに取りこぼしてきた単位を、3年次で取り返さなければならない。それに加え、実験や実習が入ってくるので毎回の課題やレポートは今までより過酷になる。

平和な夏休みに突然、暗雲立ち込める。なんと、去年落とした科目の再履修の時間と、実習の時間が被っていることが判明。日程は履修登録してから明かされるため今までずっと不安ではあったものの、言ってしまえばどうしようもない状況だった。

数ある留年の要因のなかで、授業が被ってしまって留年というケースは少なくない。それが原因で早々に留年が決定してしまう学生が、毎年履修登録の時期になる度に全国で現れる。


これは、かなりマズイ

しかし、絶望の淵にも何かしら一発逆転の手立てがあるはず・・・。そして気づく、希望の一手に。

なんとこの実習はいくつかの班に分かれており、僕が割り当てられた班以外は、再履修と被っていないことが判明した。これしかない。僕は徹夜明けのピアノのレッスン後で満身創痍になりながらも、パソコンを開き、実習の関係者にメールを出しまくった。

しかし一向に返信が来ない。そもそも取り合ってくれない気なのか?!とも思ったが、僕はあきらめない。それならばと2か月ぶりに大学の事務に向かった。藁にもすがる思いで履修相談と日程変更を相談した。しかし、その返事は冷酷非道なものだった。授業内の班分けなどに関して、事務にとやかく言う権利はないとのこと(そりゃそう)。

毎年何十人も留年する僕の学科を長年裁いているだけあって、留年の淵に立たされている限界大学生を見ても同情の余地なし。といったところか。彼らの目には、きっと僕なんて数多の学生のうちの一角に過ぎないのだろう。

無情にも、僕は事務室を後にすることになった。今の僕の脳内はこうだ。

「留年したら学費は?」
「親になんていえばいいんだ?」
「てかこれで留年とかやりきれねえ」
「友達になんて言う?」
「絶対馬鹿にされる、一生笑いものになってしまう・・・」
「バイトは続けられるのか?」
「院試どうするんだ?既に一浪して留年なんてシャレにならんぞ・・・」
「そもそも大学院行かせてもらえなくなるのでは?」

この期に及んでも、僕は世間体ばかり気にする小さい人間なのだ。こんな状況に立たされていることに情けなくて消えたくなる。


終わった


教授から返信も来ない上に、事務にも取り合ってもらえなかった。


僕は絶望の中で、メールボックスを開いた。そのときだった。なぜか送信済みのメール一覧に、先日送ったはずのメールがない。

???

試しに下書き一覧を覗いてみると、なんと送ったと思っていたメールたちが軒並み下書き一覧に残っている。

実は以前にもこのようなことはあった。メールの送信取り消しができるよう、メールを送信した直後5秒間ほどは、メールが送られない機能が僕のパソコンにはあるらしく、送れていない事態が時々発生するのだ。

急いで下書き一覧を送信しなおすと、数分も経たないうちに一人の大学教員から返信が来た。

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○○くん。

実習の班分けの件、正当な理由かと思いますので変更を許可します。希望する班を教えてください。

以下略。

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今日も世界は救われた。僕はまた留年の淵から這い上がり、進級を賭けたデスマッチに舞い戻ることができたのだ。進級 or 留年 これから半年、負けられない戦いが始まる。



あまりにも低レベルな話に、多くの人は哀れみの目で文章をお読みになったと思います。はい、何も言い返せることはありません。これから大学が始まり、夏休み期間中のように時間は取れなくなってしまいますが、これからも更新していくつもりなのでどうぞよろしくお願いいたします。

明日(今日)一限なので、もうそろそろ寝ます。

あと、塩谷舞さんにフォローしていただいて、軽く発狂しそうになりました。お陰で後期も頑張れそうです。


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